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発達相談で、お母さんから伺った3才児健診の話、の続きです。

2021/12/14(火) 14:20 | izawa

 前回のブログの続きです。

 今回の女のお子さんの言葉の遅れが、自閉症などの発達障害でなければ何が原因か、ということですが、お父さん、お母さんのお話を伺っていると、「視覚優位」のお子さんではないかと考えられました。

 このお子さんの場合、一回行った所への道順を正確にいつも覚えていて、とても記憶力が良いと親御さんも感じていたということ、それからアンパンマンなどのアニメが大好きで、アンパンマンのキャラクターの名前も少なくとも10くらいは知っていること、それから、保育園で、この女のお子さんも含めて、まだきちんとしゃべられない子どもさん3人が、保育園の先生から見ると「宇宙語」で会話をしているように見える、というようなことがあるそうでした。

 「視覚優位」の子どもさんについては、2021年10月9日付のブログで詳しく説明をしておりますので、そちらをぜひご覧ください。

 「視覚優位」のお子さんの大きな特徴として、視覚を主に使って、情報を全体的に一括して処理する能力がとても強いと考えられます。写真のようにパチッと情報を取ると考えると分かりやすいと思います。その結果、「視覚優位」の子どもさんの場合、他の子どもさんに比べて脳の中に何倍もの視覚情報が記憶されていると考えられます。そして、例えばアニメのDVDの視覚情報が記憶されているとして、その中にはセリフもあり、歌もあり、それらも視覚情報と一緒に記憶されていると考えられます。

 それらを前提に考えると、今回の女のお子さんの、一度行った所への道順を正確に覚えている、それからアニメが大好きでキャラクターをたくさん覚えている、保育園で宇宙語を話している、という事柄は合点がいきます。「宇宙語を話す」というのは、まだはっきりしゃべられなくても、視覚情報と一緒に記憶されたセリフや歌などが、記憶からあふれてきて、口に出るのではないかと考えられます。

 では、「視覚優位」なお子さんだとして、今回の女のお子さんはなぜ言葉が遅れたのか。その原因はなにか、ということですが、お母さんに伺うと、お子さんがアニメが好きで、テレビを一人で見ている時間が長かったかもしれないとのことでした。もし、その時間が長いとしたら、テレビを相手に一人遊びをしていることになり、裏を返すとお母さんとかかわる時間が少なくなってしまい、お母さんとかかわることでコミュニケーションを経験し、その延長で「言葉」でのコミュニケーションにつながっていくと考えると、お母さんとのかかわりの少なさが言葉の遅れになったのではないかと考えられました。この場合の、お母さんがかかわりの中心であるという点については、2021年12月5日付のブログで説明をしておりますのでご覧ください。

 さて、このように言葉の遅れの原因をお父さん、お母さんにご説明をし、改善の方法をお話ししました。

 基本は、お母さんとのかかわりをもう少し増やしてください、ということです。まず、アニメなどの見続ける時間を少なくし、一日5分でも10分でも良いので、一緒に遊んでほしいこと、それから、一日の生活の着替え、食事、お風呂などの場面で、一言で良いのでお子さんい声掛けをしてほしいこと、それから「視覚優位」のお子さんの場合、順番に記憶していく力が弱くなる傾向があるので、順番に記憶する力がつくような遊び、例えば絵本の読み聞かせ、手遊びなどを時間は短くてよいのでしてあげてほしい、ということを説明しました。それから、今はかかわりの中心はお母さんですが、もちろんお父さんがかかわりを増やすことも大切です、ということもお伝えしました。

 もうすぐ、この女のお子さんが、大人の人やお友だちとたくさんおしゃべりをする日が来ると思います。今はその日がとても楽しみです。