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貧乏ゆすりと自閉症

2021/11/23(火) 17:27 | izawa

 今週の日曜日の11月28日(日)に開催する予定の、「第21回 札幌療育セミナー」では、繰り返し行動やこだわり行動と自閉症の関係、つまりは「繰り返し行動やこだわり行動があるから即自閉症ということではない」ということをお話しする予定です。

 さて、自閉症のことを話すとき、よく「常同行動」という言葉を使う時があります。「繰り返し行動」と置き換えても差し支えないと思います。自閉症児の常同行動は、セミナーの時ご説明する予定ですが、しかし、この常同行動、普通の大人の人にも現れます。

 たとえば、せかせか歩く、貧乏ゆすり、鼻歌、爪かみ、揺り椅子(椅子に座りながら前後にしきりに揺らしている状態)などです。これらは「無用な常同行動」というものですが、どんな人にも見られる非病理的なものです。この非病理的なものと自閉症の病理としての常同行動の違いを説明するのも、当日のセミナーの内容の一つです。

 ここで、一つだけその違いをお話しします。普通の人の「無用な常同行動」の場合は、心理学の実験や研究によって、外部からの影響を受けやすく、例えば人が近づいてくる、あるいは人が自分を見ていることに気が付くなどのとき、簡単に他の行動に組み込まれるか、あるいはそれ自体を止める、つまり抑制するということが分かっています。
 これは、「無用の常同行動」が、退屈さや気配りのなさを示す、社会的に望ましくないもの、という認識があるからだと考えられます。

 さて、自閉症の人の場合はどうかと言いますと、他の人の存在による抑制効果はないと考えられます。なぜなら、よく言われるように、「自閉症の人には、私的行動と公的行動との差があまりない」からです。
 つまり自閉症の人は、場面や人によって、マナーを守る、失礼のないようにする、嫌な思いをさせないなど、良くも悪くも相手や周りのことを考え行動することが、障害のためできないからだと考えられるからなのです。

 今回申し上げたかったことは、貧乏ゆすりは常同行動だけれど、「無用の常同行動」であり、自閉症の常同行動とは違いますよ、ということでした。

 以上です。