ナビゲーションメニューへ

バイバイと裏手バイバイの仕組みと意味

2021/09/18(土) 17:59 | izawa

 「気を付け」の姿勢から、両手を胸の近くまで持ち上げてみてください。そして、手のひらを上にして顔の方に向けます。このまま両手を左右に振ると「裏手バイバイ」になります。

 この時、肘を見ます。最初気を付けの姿勢から胸まで上がってきたということは肘が「縮む」つまり「曲がる」ということができるということ、これは生後6か月くらいになると手を伸ばして物をつかむようになりますから、そのころからできるということですね。伸ばせば戻すのに肘が縮みますから。そして気を付けの姿勢の時から、手のひらを顔に向けると、肘が外側に回っていきますね。これを「肘の回外」と言います。だいたい生後7か月~8か月くらいになればできるようになります。

 今度は、「気を付け」の姿勢から腕を胸のところまで上げて、手のひらを自分の体の逆の方へ向けて、両手を左右に振ると「バイバイ」になります。この時の肘を見てみますと、肘が内側に向かって回っていくのが分かります。これを「肘の回内」といいます。これは、例えば物をつまもうとするときには、「肘の回内」が必要ですね。子どもの発達としては、親指と人差し指で「物をつまむ」ことができるようになるのは、だいたい1才頃です。

 さて、裏手であろうが普通のバイバイであろうが、形は違いますがその行為の意味は、子どもが自分の、例えば「行ってらっしゃい」「バイバイ、またね」などの気持ち、心の状態を相手に伝える、ということです。それは、どちらの形だとしても同じです。

 これまで、何度もこのブログでも伝えてまいりましたが、「自閉症の迷信」の一つに「裏手バイバイをする子どもは自閉症である」があります。

 なぜこれが迷信であるか。まずは、自閉症と裏手バイバイを結びつける論証がないということです。誰が言い始めたかは知りませんが、その論証は聞いたことがありません。

 それから、裏手でも普通でも「バイバイ」をするということは、人とのかかわりの中では、自分の気持ちと相手への思いを伝えたいという、至極普通の行為です。それが、「裏手だけは自閉症である」というのはおかしい話ですよね。どんなバイバイであろうが意味は同じですから。

 よくよく冷静に考えると、子どもさんの発達の姿も見えてきます。いままでも、ただ自分の子どもさんが「裏手バイバイ」をしているだけで、「自閉症ではないか」と悶々と苦しんで、楽しい広場に相談をされたお母さんが何人もいらっしゃいました。

 子どもの発達と障害は、「裏手バイバイ」だけで分かるほど単純なものではない、ということをご理解いただければありがたいです。