今回は、感覚過敏といじめの問題について考えてみたいと思います。
★感覚過敏とは?
よく、広汎性発達障害、あるいは自閉症の人に多いと言われますが、もちろん逆に人と一緒にいることが大好きな人にも感覚過敏の方はいます。ですから、感覚過敏イコール広汎性発達障害、あるいは自閉症ではない、ということを、まずご理解いただきたいと思います。
感覚過敏と言われるものは、具体的な例として、次のようなものがあります。
(1)触覚過敏 人に触れられるのを極端に嫌がる。あるいは、人と握手や手をつなぐ時の手の汗ばむ感じが嫌で、握手や手をつなぐことを絶対にしたがらない。
(2)聴覚過敏 ある特定の音、例えば赤ちゃんの泣き声、外を通る車の音、運動会のピストルの音などを極端に嫌がる、あるいは、クラッシック音楽など比較的規則正しい音楽は好きだが、ロックなどの音楽は極端に嫌がる。
(3)臭覚過敏 学校の給食などで、いろいろな料理のにおいが混ざってると、ものが腐っているようなにおいに感じて、給食が食べられない。
(4)知覚過敏 人間には、ものを覚えたり理解していく時の処理の仕方に、2つの方法があると言われている。一つは、本を読みながら物事を順序よく、整理して覚えていくような「継次処理」、もう一つはカメラで写し取るようにして視覚を中心にして覚えていくような「同時処理」である。このうち、「同時処理」の方が極端に強い場合、例えば、冷蔵庫の中の物の位置が一つ違っただけでパニックになってしまうことがある。
★感覚過敏といじめの問題
感覚過敏の中で、例えば手の汗ばむような感じが極端に嫌で、人と握手をしたり、手をつなぐことを嫌がる子どもさんがいた場合、それが小学校や中学校であっても、他の子どもさんは理由が分かりませんから、握手や手をつなぐことを拒否されたと思い、「なんだ、こいつ」と思われてしまい、だんだんいじめの対象になっていく可能性が考えられます。
また、給食の時、いろいろな料理のにおいが混ざると、物が腐ったようなにおいに感じて給食が食べられない、という場合、偏食というより、「わがままな子」と他の子どもさんには写ってしまい、いじめの対象になっていく可能性が考えられます。
感覚過敏の場合、いろいろな感覚過敏を併せ持っている場合が多いようです。そして、これらの場合、先生や大人の方々が、感覚過敏の可能性を理解し、もし感覚過敏であれば、周りの子どもたちや大人の方々に理解をしてもらうような働きかけが、とても重要になってきます。