〔1〕象徴的(前概念的)思考段階(1才半~4才ころ)
○運動感覚的なシェマが内面化され始めてイメージが発生し、それに基づく象徴的行動が開始される。
○コトバ記号の組織的獲得が急激に前進する。
○「見立てて遊ぶ」象徴的遊びが盛んになる。
(意味されるもの) 例えば 「積み木を」
(意味するもの) 例えば 「電車に見立てる」
*ただし、この時期のこどもの「コトバ」や「意味」を支えているものは、子どもの個々のイメージを中心とした「前概念」というべきものである。
*犬の概念に見られるような、分類に属する個との関係の把握は十分ではない。
*前概念に基づく推理は、「特殊から特殊」に結びつく、いわゆる転導的推理が行われやすい。
〔2〕直感的思考段階(4才頃~7・8才ころ)
○概念が進み、事物を分類したり、関連づけたりすることが進歩してくる。
→ その際の判断が、いまだ直感作用に依存している。
*分類や状況の理解の仕方が、そのとき、そのときの知覚的に目立った特徴に左右され、一貫した論理操作は見られない。
*いわゆる、不変量の「保存」がまだ十分成立していない。
*論理的な思考の枠組みができあがりつつも、知覚の束縛から抜けきれずに、両者が葛藤しながらも、知覚が優勢なのが、この段階の特徴である。
〔3〕具体的操作段階(7・8才~11・12才)
○自分が具体的に理解できる範囲のものに関して、「論理的な操作」によって、思考したり推理したりできる。
○類(クラス)と関係(系列)についての思考の枠組みができ、数についての理解が成立する。
○自己の頭の中で、筋道を立て、物事を体系立てて考えることが可能になってくる。 → 現実を論理的に再構成することが可能になる。
*ピアジェはこのような「論理的思考操作の体系」を「群性体」と呼び、その成立が子どもの認識の発達の過程の上において、極めて重要であることを強調している。
〔4〕形式的操作段階(11・12才~)
○青年期に入るとともに開花する段階。
○「仮説演繹的」な形で推理することが可能になる。
→ 結果が現実と矛盾していても、可能性の文脈において、ものを考えることができるようになる。
*思考の対象となるのは現実そのものではなく、「命題」(判断を表したもの)である点が、この段階の特色である。 → 「操作(命題)の操作」、つまり「二次的操作」と呼ばれるのはこのためである。
*この段階で、表象的構造は、一応完成される。
*思考の「内容」から独立した形で、論理の「形式」の通用が可能になってくる。
今年、平成21年(2009年)1月から、9ヶ月間、14回にわたって続けてまいりました、ピアジェの認知発生段階説の重要なポイントの概要についての連載は、一応これで終了いたします。これからも勉強をして、子どもの発達の理解に努めていきたいと思っております。