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「障害」という言葉の理解の温度差

2020/11/16(月) 17:11 | izawa

 療育教室 楽しい広場で「障害」という言葉を使う時は、知的な発達に大きな遅れがある場合の「知的障害」、そして自閉症などを含む「発達障害」のことを考えるときに使います。

 現在、自閉症のことは「自閉症スペクトラム症、あるいは自閉症スペクトラム障害」という正式な診断名がついているようですが、とりあえず、楽しい広場で、いろいろな方々に向かって使う場合は「自閉症」と言っています。その方が分かりやすいですね。

 それから、「発達障害」という言葉も、平成16年に制定された「発達障害者支援法」で、発達障害の定義を決めてからよく使われるようになりましたが、その使い方は「狭義の発達障害」と言われます。広義では、知的障害なども含めたいろいろな発達にかかわる障害を含めて「発達障害」という言葉を使います。楽しい広場では、基本的に「狭義の発達障害」を使っています。

 さて、医療の方々などは「障害」という言葉を、ごく普通に抵抗なく使われることが多いのですが、お子さんをおもちのお母さん、お父さんにしてみると、その言葉が深い混迷の闇に入っていくキーワードになっていきます。

 私も以前、知的障害の養護学校に勤務していましたので、実際に障害をもっている子どもさんのお母さん、お父さんのことは少しは分かってるつもりです。事実としてある「障害」をどう受け入れるか。その受入れ方は、お母さん、お父さんの数だけあります。これは、外部の人間が簡単に分かるようなものではないことも事実です。。

 しかし、今回お話ししたいのは、幼児期の発達に不安がある子どもさんについてで、特に自閉症など「狭義の発達障害」についてです。

 療育教室 楽しい広場で、これまで少なくとも2000件以上、療育相談やことばの指導を行ってきて、「なぜこの子どもさんが障害なの?」と思う子どもさんが半分以上はいました。そして、お父さん、お母さん、特にお母さん方で、「障害」という言葉から、深い闇の中に迷い込んで、その不安で苦しみ続けていた方が本当にたくさんおられました。もちろん、「わが子の障害を認めたがらない親」ではありません。たぶん、まわりから、そのように言われたお母さん、お父さんも多いでしょう。

 「なぜ、医師はこうも簡単に自閉症などの発達障害の診断を出すのだろうか?」

 これにはやはり理由があります。今、もう一度医学からみた発達障害を私・伊澤も見直しています。しっかり見直してから、きちんとこれについては、皆さんに、特に多くのお母さん、お父さんに説明したいと思います。

 一つ言えることは、医師が診断を出す障害と親御さんたちが考える「障害」において、理解に違いがあると思えること、そして、医師と親御さんたちの間にいる教育・福祉の人たちの「障害」の理解が存在すること、これらが「障害」という言葉を複雑にしていると思います。

 ただ、いずれにしても、療育教室 楽しい広場が推し進めるのは、「障害以外から原因を考える、発達療育」です。障害をもっている子どもさんがいることは事実。しかし、「発達の不安=障害ではない」子どもさんがたくさんいることも事実です。そういう立場で、親御さんたちの「障害」という言葉にもつ思いをしっかり考えていきたいと思います。