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3才児健診の功罪~「発達の個人差の遅れ」と障害は違う

2020/05/25(月) 18:22 | izawa

 今、「発達療育」の本を書いていて、つくずく3才児の発達の重要性を痛感しています。重要な発達の節目がたくさんあるのです。

 認知面では「知覚」という「意味が分かる」段階になりますし、言葉では「会話」ができるようになりますし、人とのかかわりではごっこ遊びが始まり、それまでの大人中心のかかわりから、友だち同士のかかわりに変わっていき、それはお互いまだ合わせることをしない、真剣勝負の段階になります。そして、社会性の面では、「自分で行動をコントロールする」自律性が急速に伸びていきます。本当にこれらは大きな節目です。

 さて、市町村の保健センターなどが行う3才児健診についてです。3才児の健康・発達を確認していくことは重要です。これはその通りです。しかし、最近の3才児健診の大きな問題点が一つあります。それは、個人差の発達の遅れを「障害」に結びつけやすい、ということです。

 3才児健診で、言葉が遅いのが心配だと、お子さんと一緒に別室に呼ばれ、児童デイサービス(正式には児童発達支援事業所)を勧められたり、その後何度も保健師さんから電話をもらったりしたお母さんも、たくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

 実はこれには理由があります。平成16年に制定された「発達障害者支援法」という国の法律があります。この第二条の定義のところで次のように決められています。

〇この法律において、「発達障害」とは
  ・自閉症
  ・アスペルガー症候群
  ・その他の広汎性発達障害
  ・学習障害
  ・注意欠陥多動性障害(ADHD)
  ・その他これに類する脳機能の障害
 であって、さらに
  *その症状が通常低年齢に発現するもの、として政令で定めるもの、
 としています。

 

 さて、問題はこの「低年齢」です。これは、具体的に法律には書いてありませんが、医学的には「3才以前」とされています。

 つまり、この法律の中で、市町村は、3才までの子どもで、発達障害の子どもを早期に発見し、保護者に対して、相談、情報の提供、および助言をし、必要に応じて発達障害者支援センターや医療機関などを紹介するものとしています。

 これでお分かりのように、3才児健診健診で、発達に不安のある子どもさんが発達障害ではないかという疑いで、市町村の保健センターの保健師さんたちは、お母さん方に接してくるわけです。

 

★ここで、一番何が言いたいかということです。

 市町村は、何が何でも3才までに発達障害児を見つけたい。しかし、実は子どもの重要な発達は3才から始まるということです。3才児健診で言葉が遅い、友だちと遊べない、特定のおもちゃでしか遊ばないなどの発達の不安が仮にあったとしても、3才からどんどん発達していくことが予想されるということです。それも、これまでの歴史的に、子どもの発達の流れというものが分かっていますから、いちかばちかの予想ではなく、発達的な裏付けがあるものです。確かに、障害をもっている子どもさんがいることは事実です。しかしその他の多くの子どもさんにとって3才で、発達の不安を「発達障害」と断定するのは時期早尚です。

★では、子どもさんの発達の不安が障害でなければ、何が原因なのか、どうしたら発達の不安を改善できるのか。それを、「発達療育」が明らかにしてきました。そして、それを一冊にまとめたのが今作っている本です。早期療育を推し進めているものとして、新しい早期教育を提示して、日本中に広げて、多くの方々のお役にたてればと思っています。今の調子でいきますと、6月中にはできるめどがつくと思います。もう少しお待ちください。