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発達のギアが変わるとき

2019/12/26(木) 13:29 | izawa

 以前、養護学校の教諭をしながらボランティアで、ダウン症のお子さんたちの療育相談を行っていました。まだ歩く前の赤ちゃんの時から相談に来られる場合が多かったのですが、そういう中で、赤ちゃんたちが成長していく過程で、発達のギアが入るという場面を何度も見ることができました。

 一つ目は、ハイハイをしていたお子さんが立って、歩き出すとき。普通は1才前後の時期ですが、ダウン症のお子さんの場合、筋力が弱い場合もありますので、歩きはじめがもう少し遅くなる場合もありますが、歩き出す年齢にかかわらず、歩きはじめると、体に芯が通ったようにしゃきっとしてきて、表情もはっきり、しっかりしてきます。

 二つ目は言葉が出るときです。言葉が出始めますと、表情がどんどん豊かになっていきます。言葉を話すこと、そして言葉を使ってやり取りができることが喜びになっていって、これからコミュニケーションが一挙に豊かになっていきます。

 三つ目は、排せつが自立した時です。おしっこやうんちが自分でトイレでできるようになると、体の神経がしゃきっとなる、しっかりしてくるという感じになっていきます。私(伊澤)が養護学校にいた時分、寝たきりなどではない限り、定時排せつを繰り返すことによって、障害をもっているお子さんでも、ほとんどのお子さんが、自分でトイレへ行き、おしっこをし、うんちをすることができました。今、養護学校や特別支援学級の小学部に入学してくるお子さんで、おむつが取れないまま入学してくるお子さんが多いと聞きます。排せつの自立は、時が来たら自分でできるようになるものではありません。大人が自立させなければ、小学校を卒業して中学生になっても、高校生になっても、おむつをしたままになります。排せつの自立は、親、そして教師の責任です。

 四つ目は、ごっこ遊びをし出すときです。ごっこ遊びというのは、実に高度なことなのです。一つはごっこ遊びをすることにより、遊びの創造性が高まること。二つ目は、ないものをあるとお互いに想定するなど、難しい言葉で言いますと「物事の真偽を棚上げしてコミュニケーションをする」こと。そして三つ目は、このごっこ遊びあたりから、かかわっていく相手が大人から友だち、つまり子ども同士に変わっていくということです。大人は、子どもに合わせてくれますが、子ども同士はお互いに合わせるということをしませんので、真剣勝負です。ここでまた、子どもたちは大きく、豊かに成長していくことになります。

 このあとも、いろいろな段階がありますが、今回の4つは、子どもさんたちが大きく変わっていく段階なのですね。大人は、しっかりこの発達を理解しておきたいものです。