ナビゲーションメニューへ

「障害」以外の原因とは何だ?№13 「お母さんの安心感」は、触ることから始まる。

2019/11/29(金) 16:27 | izawa

 療育教室 楽しい広場が推進しております「発達の不安の原因を障害以外から考える」方法論を考えるとき、基盤になるのが心理学、特に発達心理学、認知心理学です。

 今回は、発達心理学の中の「お母さんの安心感」についてです。

★ここに、発達心理学における、ハーロウという方の
 「サルの乳児に関する一連の実験(Harlow、1968年)」をご紹介します。
〈実験の内容〉
 生後間もないうちから母ザルから子ザルを引き離し、その子ザルを、ミルクを与えてくれる金網でできた代理母(模型)と、ミルクはくれなくても温かい毛布でできた代理母とがいる状況に置き、その様子を観察するという実験を行った。
〈結 果〉
 ミルクを飲むとき以外、子ザルは金網製の母親に近づかず、大半の時間を毛布製の母親にしがみついて過ごし、また時にはそれを活動の拠点「安全基地)として、様々な探索行動を行うというものであった。
〈考 察〉
 子ザルには、栄養を確実に与えてくれる存在よりも、接触による慰めや安心感を与えてくれる存在にくっついていることの方が重要だったのである。

 

人間の「愛着関係」とお母さんの安心感
〇一般的に発達心理学の中で、親子の間で形成されるような、緊密な情緒
 的な結びつきのことを「愛着関係」と呼んでいます。

〇かつて、こういう関係性は、食事や水など基本的な欲求を満足させてく
 れる人が、たまたま親だったから、乳児は親に依存するようになる結
 果、あくまで2次的に生じてくると説明されていました。

〇ところがこういう考え方を一変させたのが、イギリスの児童精神科医の
 ボウルビィ(J.Bowkby)という人です。(Bowlby:1969,1973,1980)

〇ボウルビィは、人の乳児は、特定対象(母親など)との近接関係を確立
 し、維持しようとする「欲求」および、その欲求を充足させるための
 「基本的行動パターン(愛着行動)」(例えば、注視する、後追いする
  泣く、しがみつく、微笑むなど)が、生得的に備わっているのではない
 かと考えたのです。

〇つまり、独立で生き伸びることは無理であろう人の乳児は、母親や父親
 から自らに対し、保護や養育をしてもらえなければ、ほとんど生き延び
 ることはできないはずです。その保護や養育を引き出すために、生得的
 に愛着行動が備わっているとしたのです。

〇そのボウルビィの説を立証する形になったのが、前述のハーロウのサル
 の乳児の実験なのです。つまり、生きるための栄養摂取とは独立して、
 誰かに(多くは母親)くっついていること(愛着行動)自体が重要であ
 り、それが生得的に備わっていて、母親の安心感に結びついているとい
 うことです。

〇ボウルビィはこの「愛着関係」は、子どもが自律性を確立した後でも(だいたい3才以降から)存在するものだと仮定しています。

〇つまり、「くっついている」というのは、文字通り身体的に近接してい
 るということのみならず(物理的な意味で離れていても)、精神的な意
 味で特定対象(母親、父親、将来的には周りの大人、友人など)との間
 に、相互信頼に満ちた関係を築き、そして危急の際はその対象から助け
 てもらえるという、確信や安心感を絶えず抱いていられるということも
 意味するのです。

 

「お母さんの安心感」は、触るところから始まる。
 
「お母さんの安心感」という言葉は、感覚統合理論の考えの方々が言われていたことで、その根源は「触感」であると言われていました。今回説明をしたことがそのベースにあるのではないかと考えます。
 療育教室 楽しい広場の「発達療育」でも重要視しています。「お母さんのアドバンテージ」ということですね。それだけ、子どもさんにとってお母さんは重要なのです。ですから、これからも療育教室 楽しい広場では、お母さん方を精一杯応援いたします。。