ナビゲーションメニューへ

「障害」以外の原因とは何だ? №9 言葉の遅れの原因~個人差の遅れ

2019/11/25(月) 13:22 | izawa

 幼児期の子どもさんの発達の不安の中で、大きなウエイトを占めるのが「言葉の遅れ」です。「言葉の遅れ」と言ってもいろいろあります。発語がない、発語が少ない、聞いたことに答えられない、おおむ返しが多い、会話についていけない、突然違う話題を話し出す、宇宙語を話すなどが、これまで療育教室 楽しい広場に来られたお子さんたちの言葉の遅れの内訳です。

★考えられる言葉の遅れの原因
 「障害」以外に今のところ考えられるのは、次のようなものです。

①個人差の範囲の遅れ  ②同時性処理機能が強い  ③感覚過敏   ④テレビ   ⑤一人遊び   ⑥放任   ⑦過保護
⑧祖父母   ⑨緊張感が強い

 

 この中で今回は①個人差の範囲について、お話しします。

 お子さんに何らかの言葉の遅れがある場合、かつ知的な発達の遅れの可能性がない場合、いろいろ原因を考えてみても、はっきりした原因が見当たらない場合、個人差の範囲の遅れが考えられます。子どもさんたちには、個人差が当然あるのですが、親の立場になると、個人差と言われても不安かもしれません。
 ただ、ここで確認したいのは、知的な発達の遅れや口蓋裂などの口腔内の問題がない限り、どのお子さんも、発語からの言葉の発達の流れは同じだということです。ご自分のお子さんがいつ発語をしたか、それによってお子さんの年令とは別に、今の言葉の発達が見えてきます。
 例えば、今3才児健診を目前にした、2才11か月のお子さんが3人いたとします。一人は発語が1才半、もう一人は2才、三人目のお子さんは2才半とします。今現在の言葉の発達の状態は、間もなく3才を迎えようとしていても、三人三様です。発語が1才半のお子さんは、3語文くらい出ていて、簡単な会話もできているかもしれません。発語が2才の子どもさんは、まだ2語文の段階かもしれません。発語が2才半のお子さんは、単語がどんどん増えて、ようやく2語文を話し出した段階かもしれません。
 もし、このまま3才児健診を受けた場合、発語が2才と2才半のお子さんは、要注意のお子さんとなる可能性が大きいと思います。現在の健診などで要注意になるということは、「障害」の可能性があるとみられる場合がとても多いようですね。これまで、楽しい広場に来られた親御さんたちの多くがそうでした。
 しかし、「障害」以外から考えた場合は、実年令の発達よりも遅れているのは間違いありませんが、それは発語の時期が遅いからです。発語以降の発達は皆さん同じですから、今は言葉の発達は遅くても就学くらいまでには、同じ年令の発達に追いついていきます。

 それでは、言葉が遅いとき、普段の生活でどのように過ごしたらよいかですが、言葉を伸ばすためには、家庭では一日10分~15分くらいで良いので、お母さんと一緒に一対一で、積み木やパズルなどの物を使って遊ぶようにします。そして、その時間や遊びの種類を増やしていくようにします。お母さんと遊ぶ時間が長くなるということは、「相手を見て、人の話を聞く」というコミュニケーションの基本が身に付き、言葉でのやり取りも増え、それが言葉を使った会話にもつながります。また、お母さんが発するいろいろな言葉を理解するようにもなり、ボキャブラリーも増えていきます。このように言葉をつかったやり取りが増えていくこと、言葉で相手に伝えたい、ということが増えてくれば、言葉はどんどん伸びていきます。