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一斉指示が通らない

2019/08/07(水) 12:06 | izawa

 幼稚園で言う年中さんから年長さん、また小学校1年生くらいのお子さんで、集団行動の際、先生の指示が通らず、近くや周りの友だちを見て一緒に行動しているお子さんがおられることと思います。こういう場合、「お子さんは一斉指示が通りません。」と先生から指摘されたお母さんもいらっしゃると思います。我々からすると、「少しのんびりしている子どもさんも中にはいるよね。」で済むのですが、最近の幼稚園、保育園、小学校1年生くらいの現場では、どんどん指摘されるようです。
 こういう場合、指摘した先生方は何を考えているかと言いますと、「障害の可能性」です。この場合、「指示を理解していない」という意味の知的な障害の可能性、そして「人への関心が薄い」、つまり「人への関心が薄いから先生の一斉指示も意識して聞いていない」と考えての、自閉症スペクトラムなどの発達障害の可能性を考えるということでしょう。このようにお子さんが「一斉指示が通りません」と指摘されたという話を、これまでもよく聞きました。たぶん、何かの研修でそのように言われたのかもしれません。

 さて、療育教室 楽しい広場では、「障害」以外から原因を考えます。今回のように「一斉指示が通らない」と言われた子どもさんは、「ことばが遅い」子どもさんが多いです。つまり発語が2才だったり、3才だったりです。そういう子どもさんは、発語が遅かった分、友だちとのやりとり、そしてそのあとの小集団でのやりとり、そしてそのあとの大きい集団でのやりとりが、他のお子さんよりもしっかりできてくるのが少し遅くなる傾向にあります。集団の中でやりとりをするということは、例えば3人、5人、10人の集団でやりとりをするには、ある程度その人数分意識をしなければなりません。そこに先生がいれば、先生も入りますし、先生が集団に対して言葉で指示をするとき、自分一人に対して言うのではなく、自分を含めた集団全体に言ったということを意識できていなければなりません。
 つまり、人とのやりとりの関係性の発達にも順序があるということです。一斉指示が理解できなくても、周りの子どもさんお様子をみながら一緒に行動できているということは、人を意識してしっかり見ていることですし、何をするかも理解しているということも分かっているから、みんなについていけるということです。
 一斉指示が理解できてなくても、周りの子どもさんをみて集団行動についていくといことは、障害でもなんでもなくて、集団での行動の時の他の人への意識の配線がまだ少ないと考えてよいと思います。経験を積み重ねることにより、人への意識の配線の数が増え、そのうち、集団行動でも先生の指示が通るようになります。これまで、そういうお子さんで「障害だった。」というお子さんは聞いたことがありません。