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3歳児はうそをつく

2019/07/23(火) 14:27 | izawa

 ある発達心理学の本の中に、3歳児に関する次のような実験が載っています。
「3歳児に実験室に来てもらい、しばらく待っていてもらう。そして子どもに、あなたの後ろにはびっくりするようなおもちゃが置いてあると実験者は告げ、それを見てはいけないが、実験者が戻ってきたらそのおもちゃで遊べると言っておいて、実験者はしばらく席をはずす。
 その間に子どもの様子を観察すると、子どもはたいていおもちゃを見てしまう。その後実験者は実験室に戻り、子どもに「見たか」と聞く。見たことを認めた子どもは4割で、それ以外の子どもは見なかったと嘘を言ったり(3割)、その質問に答えなかったり(3割)した.禁を犯しているとき、子どもの顔には関心や心配といった表情があったが、実験者が戻ってきてからは、彼らの表情や姿勢は嘘をついていない子どもたちと識別できない、なに食わぬものとなったいた。ここからは、3歳児の実践的な他者理解の巧妙さをうかがい知ることができよう。」
 「嘘をつく」ということは、「自分のために表情を統制している」ということを意味しています。つまり、「自分の感情の表現を操作している」ということです。

 今までは自分のために感情の表現を操作でしたが、3歳・4歳になると「他者のために表情を操作する」ことができるようにもなります。これも実験の中で、3・4歳児の女の子にまず簡単な作業をしてもらい、そのお礼に一度目は本人の好きなおもちゃを送り、次にもう一度作業をしてもらって今度は事前に調査をしておいた本人にとってあまり魅力のないものを贈ります。この2度目の贈り物をもらう時の表情を観察したところ、一人で贈り物を開ける状況では明らかにがっかりした表情を示しましたが、一人ではなく贈り主と一緒の状況では微笑することが多いことが見いだされました。

 この二つのことから、3歳児では、自分のため、そして他者のために感情の操作をすることができる、と言えます。
 つまり、ここで示しておきたいことは、次の二つです。
(1)3歳児は、自他の理解ができる。
(2)3歳児は、基本的な感情の表現を操作することができる。

 3歳はほかにもたくさんの重要な発達の伸びる時期で、発達がいろいろなところで動くダイナミックな時期です。そして、今回の「3才の嘘」は、「自分で自分の行動をコントロール」する「自律性」につながり、そしてそれが、「社会性」へとつながっていくのです。