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ことば伸び伸び教室

 

Ⅰ 目的
 
言葉の遅れやコミュニケーションの弱さ、あるいは、感情がコントロールできない、友だちとうまくかかわれないなどの、言葉や行動面の発達に不安のある子どもさんに対して、発達障害の可能性があるとか、ないとかは関係なく、個々の発達の実態に応じて、絵カードや絵本、パズル、積木、リトミックなどを使っての、継続的な一対一の個別の指導をとおして、「人とかかわる力」を育てることに重点を置き、それを基盤にして、言葉やコミュニケーションの発達を伸ばし、行動面の課題を改善していきます。
 

Ⅱ 具体的な対象となる子どもさんの例
1 認知・言語面

(1)2~3才になっても言葉が出ない、あるいは、極端に少ない。
(2)おとうさん、おかあさんと、うまくコミュニケーションが取れない感じがす
  る。
(3)相手が言っていることを理解できないことが多い。
(4)物事をなかなか覚えられない。
(5)4~5才くらいで、同じ生活年令の子どもさんより、全体的に発達が少し
  遅く、幼い感じがする。
(6)言葉の理解や発語、言葉のコミュニケーションなどの知的な発達に遅れ
  がある。
2 行動面
(1)じっとしていられず、勝手に動き回ることが多い。
(2)みんなが座ったり、整列をしているときに、勝手に離れて行ってしまう。
(3)保育園や幼稚園で、先生の指示を聞かず、勝手に行動してしまう。
(4)大勢の人がいる場所が苦手で、保育園や幼稚園などでひとりで遊んで
  いることが多い。
(5)自分の思う通りにならないとき、かんしゃく起こしたり、大騒ぎをする。
 
(6)相手をたたいたり、けんかをするなど、友だちとトラブルが多い。
(7)自分が好きなことはどんどんやるが、興味のないもの、やりたくないもの
  は全くやろうとしない。
3 全体的な発達
(1)次年度の就学を控え、言葉の理解が遅い、全体への指示を聞いて、集
  団行動を取ることがうまくできない、友だちとトラブルが多いなど、発達の
  遅れや行動面に不安がある。

 

Ⅲ 指導する主な内容
 
指導する内容は、大きく二つあります。一つは「人とかかわる力」、そして二つ目は、「認知面の発達と言葉でのコミュニケーション能力」です。具体的には、次のように考えています。

1 人とかかわる力
 

  ここでは、、特に、「大人との一対一のやりとりをする力」を育てます。それが、その後の、子ども同士、そして、集団活動でのやりとりにつながっていくことになります。
 「人とかかわる力」を育てる上での、具体的に必要な力は、次のようなものです。
(1)「相手を見て、人の話を聞く」という、人とのかかわりの基本を身につけ
   る。楽しい広場では、このことを、「学ぶ態勢を身につける」と位置付け
   ている。
(2)「待つ」「ちょっと我慢する」という、穏やかな制御を身につける。
(3)「相手の気持ちや、心の状態を感じ取る」という、共感性を身につける。  

2 認知面の発達と言葉でのコミュニケーション能力
 
指導の中で、次のような内容を育てていきます。
(1)言葉の理解
(2)発語
(3)会話
(4)ひらがな等の文字や数字の読み書き
(5)数と数量の対応
(6)基本的な足し算、引き算、繰り上がり、繰り下がりなど。

 

 

Ⅳ 指導の特徴

1 一対一の指導  
 
指導者との一対一の指導を基本として、指導を行います。具体的には、例えば、幼児の場合、指導者と小さい机をはさんで座り、個々の子どもさんの発達の実態に応じた、興味のあるもの、例えば、絵カード、積木、絵本、リトミック、パズル、ブロック等々ですが、一緒に取り組みながら、一対一のやりとりを行っていきます。最初は、1分もじっとしていなかった子どもさんが、30分、40分と、席に座りながら、一緒にやりとりができるようになってきます。
 それだけ続くということは、一つは、「相手を見て、人の話を聞く」ようになってきた、ということを意味します。つまり、一方的ではない、コミュニケーションの基本が身についてきた、ということです。そして、同時に、「待つ」「ちょっと我慢する」という、穏やかな「制御」ができるようになってきた、ということを意味し、更に、指導者とのやりとりを通して、「相手の気持ちを感じ取る」という力、つまり、「共感性」も育っている、ということです。

*ここで、一つ申し上げておきたいのは、大人との一対一のかかわりが十分にできていない子どもさんを、集団の中に入れても、「人とかかわる力」は育たない、ということです。大人は子どもさんに合わせることはできますが、子どもさんは、合わせてくれません。大人とのかかわりの中で、「人とかかわる力」を育てた上で、次の段階の、子どもさん同士のかかわり、つまり、真剣勝負の実践の場に、入っていく、ということなのです。

 
 2 正確な発達の実態の把握の重要性
 発達の遅れや、行動面で課題がある場合、生活年令に応じた発達段階にあるか、あるいは遅れがあるか、また、どの発達にどのくらいの遅れがあるか、など、個々の子どもさんの発達の実態を正確に把握する必要があります。楽しい広場では、独自に作成した「子どもの発達概略表」や「臨床的発達チェックリスト」を使い、実態把握を行います。
 それによって、子どもさんの発達の実態に応じた、適切な指導内容を提示し、子どもさんの好奇心を刺激しながら、興味・関心が広がり、それが「考える」ということにつながっていきます。 

3 家庭での取り組みの必要性
 発達の遅れや、行動面で課題をもつなど、発達に不安のある子どもさんを育ていく上で、ご家庭での親御さんを中心とした大人の、かかわり方、働きかけの仕方も重要になります。楽しい広場の、ことば伸び伸び教室では、それに関しまして、親御さんにそのつど、アドバイスをさせていただきます。

 
  

 

Ⅴ 「ことば伸び伸び教室」の基本的な指導の流れ

1 発達の実態の把握
    ・「子どもの発達概略表」や「臨床的発達チェックリスト」を使い、個々 
     の子どもさんの発達段階や特徴を把握する。

2 指導内容、方法の決定
    ・発達の実態把握を基に、具体的な指導内容、方法を決定する。

3 一対一の指導
    *「人とかかわる力」を育てることを、重点内容とする。
    *正確な発達の実態の把握を基に、個々の子どもさんの発達の実態
      に応じた、適切な指導内容、方法で、指導を進める。
    

4 家庭での取り組み
    ・家庭でのかかわり方、働きかけの仕方について、適宜、アドバイスを
     行う。

 

 

Ⅵ 指導について

★利用の時間帯
 平成26年4月1日より、代表の伊澤が、月曜日から金曜日までの平日、「NPO 星槎札幌教育センター」が運営する、放課後等デイサービス「星の音(ね)」に勤務することになり、更に、平成26年11月30日をもって札幌市白石区の楽しい広場の教室を閉鎖いたしました。それに伴い、ご利用の時間帯を、以下のようにいたします。さらに、ことば伸び伸び教室の指導につきましては、療育相談において、指導が必要と考えられる場合に、指導を開始いたします。

   毎月2回(9時~18時まで)行います。
 

   平成29年8月は6日(日),13日(日)です。会場は、「星槎札幌北学習センター」(札幌市北区北11条西4丁目2-3、ラビドールN11、2階)で行います。 
       
   

★料 金

  1回60分、3000円、 

★申し込み
 予約制。メールで療育相談をお申し込みください。

  メールアドレス   mail@tanoshi-ryouiku.com

*なお、「楽しい広場のブログ」で、具体的な指導方法、指導理論、実際の指導事例などを掲載しておりますので、ご覧ください。

 

 

〔発達段階ごとの主な指導内容〕

(2才~4才の発達段階)

・絵カードや絵本を使い、ものの名前や動詞、形容詞を言う。

・簡単な質問に答える。(絵カードをみて、絵本をみて、紙芝居をみて等)

  → 短期記憶、意味の理解

・形や顔、人を描く。

・ひらがな、カタカナをよむ。

・積み木遊び(イメージをもつ、目と手の協応動作を発達させる等)

・パズル遊び(推理力を育てる等)

・リトミック(動作模倣、人とやりとり力を育てる等)

・数字を読む。

・数字と数量の対応(1~3ぐらい)

 

(5才~6才の発達段階)

・簡単な質問に答える。(子ども用の本を2~3行読んで、1ページ読んで)

  → 短期記憶、意味の理解

・簡単な説明をする。(絵本をみて、本を読んで、経験したこと)

  → 意味の理解、イメージの操作、表現力

・絵を描く。

・ひらがなを書く。

・数字を書く。

・数と数量の学習をする。

  → 数列、数の大小、数量の対応、量の多い・少ない、数の合成・分解(1
    ~10)

・トランプやカルタを使って簡単なゲームを行う。

 

(7才~8才:小学校1年~2年の発達段階)

〈国語〉

・言葉や文の書き取り。

・カタカナや漢字を読む。

・カタカナや漢字を書く。

・質問に言葉や文を書いて答える。

・日常生活で身近なものを説明する。

 (例えば)

  病気になったら行くところはどこ? → 病院

  病院は何をするところ?  → 病気を治すところ

・自分がやりたいことを話す。

(算数)

・二桁、三桁の数字を言う。

・一桁の足し算、引き算。

・繰り上がりのある一桁の足し算。

・繰り下がりのある二桁と一桁の引き算。

・二桁、三桁の足し算、引き算。

・お金の種類が分かる。

・金額に合わせたお金を出す。

・時計が読める。(○時○分、11時まであと何分?)

・長さ(Cm、mm)

・かさ(デシリットル、リットル)

・四角形、三角形I 

 

 
Ⅶ 子どもさんの成長事例
【事例1】
「3才5カ月で、発語がほとんどない子どもさんの場合」

 3才5カ月の女のお子さん。1才2カ月から喃語が出始め、その後も「にゃんにゃん」「あっはっは」など、言葉が少しずつ出ていたが、2才3か月頃から急に言葉が出なくなった。公的な相談機関に行ったときは、児童デイサービスを勧められ、次に行った、大学病院の小児科の医師には、「自閉症ではないが、今後どうなるか分からない。」と言われた。言葉は出るのか?発達障害の可能性は、本当にないのか?

《実態と問題の把握》
→ まず、療育教室 楽しい広場で作成した、「臨床的発達チェックリスト」を使い、認知的な発達の遅れはなし。「人との関係性の発達」の遅れである、広汎性発達障害などの発達障害に関しては、リトミックが大好きで、さらに、妹さんに対抗心をもったり、お母さんに関心をもってもらいたくて、わざと駄々をこねたりしていて、十分に、「人を見て、人を意識して行動している」ので、発達障害の可能性は、ない。

→ では、なぜ、一度出ていたにもかかわらず、言葉が出なくなったのか?言葉が急に出なくなった時期、ちょうどお母さんが、妹さんを妊娠していた時期と重なったが、それが大きな原因とは特定できず、その他、はっきりとした原因は確認できなかった。結局、知的な発達の遅れと、発達障害の可能性はなく、また、口蓋裂などの口腔の構造の障害や、口腔機能の遅れも見られなかったので、「発達の条件さえ整えば、言葉は出る。」と考えた。

 

《指導方法と成長の記録》
→ 方法としては、大人とのやりとりを活性化していく、特に、要求行動のとき、例えば、「開けて」「おかし(お菓子)」「ありがとう」など、意識的に言葉で大人に伝えるように、働きかけていくことを重視した。

→ 具体的には、楽しい広場の「ことば伸び伸び教室」での、積み木、絵カード、パズル、リトミックなどを通じての、指導者との一対一のやりとりや、家庭の日常生活の中での、お母さんやお父さんとのやりとりの中で、要求をするとき、言葉を発して伝えることを、繰り返し働きかけた。

→ その結果、4ヶ月後には、お母さんがメモしきれないほど、言葉が出るようになり、更には、おうちで、お子さんが何か拾おうとしたので、思わず、お母さんが「それ何?」と、尋ねたところ、「チョコ」と返事をしたとのこと。これは、最小限の会話であるが、お母さんとお子さんとの間では、初めての会話になり、お母さんは、「とても、うれしかった。」と、述懐されていた。

→ その後、5ヶ月後の頃には、幼稚園で日直の長いセリフを言えるようになり、7ヶ月後には、長い文で会話ができるようになり、また、幼稚園では、友だちとおしゃべりができるようになった。

 

 

 

事例2】
「3才で、「ママやって」と、お母さんに対する依存が強い場合」

 3才に間もなくなる、男のお子さん。自分の思う通りにならなかったり、不安な時、すぐ、「ママやって」「ママ抱っこ」と、執拗にやってもらおうとする。また、幼児の遊びサークルに通っているが、自分の好きな車のおもちゃを、他の子どもさんと取りあうことが多く、押したり、たたいたりすることもある。幼稚園の年少組に入園させたいが、園の集団での生活になじむことができるか、心配である。

《実態と問題の把握》
→ このお子さんは、乳児のころから、音に対する感覚過敏があり、お母さんが寝返りをしたり、ドアがちょっと開く音などで、すぐ目を覚ましたり、怖がったりした。お母さんとしては、音に敏感なお子さんに対して、手をかけて、いろいろしてあげることが多くなったと、考えられる。

→ 今は、過敏は落ち着いていて、日常生活にはほとんど影響はない。このお子さんも成長に伴い、自分でできることも増えてきたが、今までお母さんにやってきてもらったこと、甘えられたことが、なかなかやめられない状況にあり(依存)、自分の思う通りにならなかったり、不安になると、大声を出して騒いだり、「ママやって」「ママだっこ」と、なることが多かったと、考えられた。

→ 家庭での日常生活の中で、「待つ」こと、「我慢すること」はできていない。偏食があり、食事のときは、すぐ立って歩きまわる。人を見て、あるいは、人の様子を伺って行動することはできている。

《指導方法》
→ 週に1回程度、楽しい広場の「ことば伸び伸び教室」において、指導者と小さい椅子をはさんで、一対一のやりとりを30分~40分、続けてできるようにする。そうすることにより、「学ぶ態勢」、つまり、「相手を見て」「人の話を聞く」という、人とのやりとりの基本が身につき、それが、「待つ」「我慢する」につながる。

→ また、一対一のやりとりを続けることにより、相手の気持ちを感じ取れるようになり、それによって、自律性(自分で自分の気持ちや行動をコントロールする力)が育つ基盤ができると、考えられる。

→ お母さんに対する「ママやって」「ママ抱っこ」という、過度の依存をなくするために、楽しい広場の指導の他に、家庭において、次のことを留意してもらうこととした。
    ①自分でできることは、自分でする。
    ②日常生活の中で、「ちょっと待つ」という経験を積み重ねる。
    ③「ママやって」「ママ抱っこ」を、しつこく要求する場合は、時間がない
      ような場合は別として、基本的に、お母さんにとってはエネルギー
      がいるが、「平然として」接してもらい、子どもさんが「あきらめる」ま
      で待つようにする。

 

《成長の記録》
→ 「ことば伸び伸び教室」における、一対一のやりとりの中では、積木、絵カード、絵本、お絵かき(車、電車、交通標識など)、数字の書いてある細長い積木、絵パズルなどで遊んだ。

→ 楽しい広場の指導において、積木や絵カード、お絵かきなど、内容が本人にとって楽しいものが多く、指導を始めて1ヶ月後には、始めから終りまで、約50分間、席についてやりとりすることができた。ただ、このころは、途中でぐずってしまうことも多くあった。しかし、3ヶ月後ぐらいから、指導中、一度ぐずっても、立ち直ることができるようになり、5ヶ月後くらいには、約50分間、椅子に座り、いろいろおしゃべりをしながら、楽しくやりとりをすることが、定着してきた。

→ 家庭の方では、お母さんに注意事項を確認しながら、子育てをしていただき、2ヶ月後には、食事のとき、席について食事をすることが定着した。「ママやって」「ママ抱っこ」に関しては、家から楽しい広場まで地下鉄に乗り、他はあるいて通って来られていたが、当初は、「ママ抱っこ」繰り返しであった。しかし、2ヶ月後くらいには、一人で歩くようになり、4か月後くらいには、「ママ抱っこ」が、ほとんどなくなった。このころから、家庭でも、楽しい広場の指導においても、「ママやって」「ママ抱っこ」は、大きく減少した。5ヶ月後くらいには、お母さんも、本人が自分の思う通りにならないときも、気持ちを切り替えることができるようになった、と感じている。

→ 6ヶ月後、入園予定の幼稚園の体験入園に参加。お母さんから離れ、45人くらいの友だち、15人くらいの先生と、落ち着いて過ごせた。

→ 7ヶ月後、入園式を無事終え、年少組での幼稚園の生活を開始。幼稚園の先生によると、集団行動は一緒にできていて、遊んでいる途中で泣いているときもあるが、切り替えがきちんとできている、とのことであった。

 

 
 
【事例3】
「自閉症に間違われた、言葉が遅かっただけの子どもさんの場合」
 

 3才になったばかりの男のお子さん。保育園に通っている。3才になっても、発語が10個ぐらい(かあちゃん、じじ、アンパンチ、おわった、等)しかない。また、おうちでは、じっとしていない、待つ、我慢するができない。さらに、お母さんと一緒に買い物などに行くと、ひとりで勝手にいなくなる。
 保育園では、多動を指摘され、たまたま保育園に巡回に来ていた、札幌市の自閉症・発達障がいセンターの職員に、「間違いなく自閉症」と言われた。
 親御さんとしては、お子さんが「発達障害なのだろうか?」「言葉は、これから発達していくのか?」「大人の言うことを理解して、落ち着いて行動できるようになるのだろうか?」など、とても心配である。

 

《実態と問題の把握》
→ まず、認知を中心とした、知的な発達に関しては、楽しい広場で作成した、「臨床的発達チェックリスト」を使い、日常の生活の様子を伺った範囲において、大きな遅れはなし。また、お母さんが家に入ると、わざと部屋のドアを閉めて、開けてくれるのを待っているなど、良くも悪くも、人を見て、人の様子を伺いながら、行動しているので、「人に関心がない」「人の気持ちを感じ取れない」などが、基本的な特徴の、自閉症や広汎性発達障害ではないことを確認した。

→ 言葉に関しては、はっきりとした言葉が出てきているので、言葉の発達の流れに乗っていると判断でき、今後、言葉はどんどん出てくると考えられる。

→ 行動に関しては、親御さんによると、日常生活の中で、「待つ」「我慢する」経験が少ないとのことであり、それと同時に、一対一で、相手を見て、話を聞くということができていない、と考えられた。

 

《指導方法》
→ 週一度程度、楽しい広場の「ことば伸び伸び教室」において、指導者と小さい机をはさんで、一対一のやりとりを30分~40分、続けてできるようにする。そうすることにより、「学ぶ態勢」、つまり、「相手を見て」「人の話を聞く」という、人とのやりとりの基本が身につき、それが、「待つ」「我慢する」につながる。

→ また、一対一のやりとりを続けることにより、相手の気持ちを感じ取れるようになり(共感性)、それによって、自律性(自分で自分の気持ちや行動をコントロールする力)が育つ基盤ができると、考えられる。

→ 家庭では、日常生活の中で、一日に何回か、「待つ」「我慢する」経験を積み重ねていくようにお願いした。また、子どもさんの興味のあるものを通して、お母さんとの、一対一のやりとりを増やしてもらうようにした。

 

《成長の記録》
→ 楽しい広場の、「ことば伸び伸び教室」においての、一対一のやりとりの内容として、積木、絵パズル、絵カード、リトミック、絵本、ブロックなどを行った。当初は、ずっと座り続けることは少なかった。ただ、本人が好きな積木やパズルがあり、それらを中心に遊ぶことにより、他の内容のものも取り入れながら、だんだん座っている時間が長くなり、5ヶ月目くらいの頃には、一つの遊びが終わると席を立ち、また違う遊びのときに戻ってくる、というような流れの中で、合計すると、20~30分くらい、席に座って、一緒に遊ぶようになった。そして、7カ月目頃には、40分~50分、ほとんど席を立たず、パズル、絵カード、絵本、リトミックなどで、一緒に遊ぶようになった。

→ 言葉は、予想通り、発語できる数が、どんどん増えた。また、家では、ひらがなカードに興味をもつようになり、2ヶ月目ころには、50音のうち、30音くらい、読んで言えるようになった。また、5ヶ月目では、絵カード100枚のうち、約半分を言えるようになり、会話も、二語文、三語文が出るようになった。そして、9ヶ月目頃には、「きのう、ノンちゃん楽しかった。」と、過去のことを思い出して言えるようになり、生活年令に応じた、言葉の発達段階になってきている。

→ 家庭では、本人が、カード、特に、ひらがなカードが好きで、それを使いながら、お母さんとのやりとりの時間が増えた、とのことであった。そして、お母さんと、買い物などでお出かけしたとき、大好きなガチャポンが欲しくて、少しずつ、待ったり、我慢することができるようになった。現在、家庭では、親御さんの言うことを良くきくようになり、買い物などで外出の時も、お母さんから離れることはなくなった。行動面でも、大きく成長している。