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ことばの基本的な発達の流れ

2019/07/09(火) 18:55 | izawa

 先日、共育型こども施設「にじまある」で講演をさせていただきましたが、その中で、「障害以外の発達の不安の原因を考える」として、ことばの遅れとかんしゃくを取り上げました。
 今回から何回かに分けて、その内容をブログでも説明していきたいと思います。

 まず、「ことばの遅れ」についてです。親御さんたちがお子さんの「ことばの遅れ」という場合、ほとんどは同じ年令の子どもさんに比べた「発語の遅れ」を意味しています。例えば、次のようなものです。

【ことばの遅れの不安の例】
・1才半なのに、2才なのに、3才なのにことばが出ない。
・2才なのに、ことばが5つくらいしか出ていない。
・3才なのに一語文だけである。
・4才になったのににまだ三語文が出ない。友だちと遊べず、いつも一人
 で遊んでいる。
などです。本来は、もっと細かい不安がたくさん出てくると思います。

 今回の講演では、このことばの遅れの障害以外の原因と、ことばの発達を伸ばす働きかけの方法をお話ししました。このブログでもお伝えしようと思いますが、今回は、その基準となる「基本的なことばの発達の流れ」を示していきたいと思います。これは、療育教室 楽しい広場がまとめたものです。
 「ことばの発達の流れ」という場合、「発語の発達の流れ」と「ことばの理解の発達の流れ」の二つを考えます。「ことばの理解の発達」を「認知的な発達」と置き換えても良いと思います。

 

=基本的な「ことばの発達」の流れ=

【6か月~1才頃】
 〇発語器官の機能が発達する。
   ①吸う力  ②飲み込む力  ③噛む力  ④吹く力
 〇喃語(音声的自己活動)の活発化~非常におしゃべりな現象
   → ママ、ダダなど、同じ音をリズミカルに繰り返す。

【1才~2才頃】
 〇直後の模倣の活発化(~1才半)
 (例)①家族の動作や声を意識的に模倣する。
    ②家族が喜んだり笑った自分の動作を何回も繰り返す。
 〇理解語彙の増加。特にものの名前を急速に覚える。
   → これを「命名の爆発」と言います。(1才半~)
 *象徴機能の発達(1才半~)
   → あるものを、別なもので表現する。代表的なのが「イメージ」
    「ことば」
 *延滞模倣(長期記憶)の発達(1才半~)
   → モデルが目の前にいなくても、昨日見たことを今日模倣するこ
     とができる。
   → なぜできるかというと、モデル、例えばお母さんが昨日した動
     作を「イメージ」として置き換え、脳の中で記憶をすることが
     できるようになったからである。(象徴機能の発達)
 〇おおむ返し(反響言語)の出現(1才半~)
   → 会話全体の調子を真似し、連続的な音の流れの中から意味をも
     つ単語だけ選択的に模倣する。
   → おおむ返しが過ぎたころから、新しく覚えたことばをいろいろ
     な場面で使うようになる。この時期から「発語」が始まると考
     えられる。

【2才~3才頃】
 〇発音が正確になり、他人に通じる程度になる。
 〇新しい質問形式「なあに?」「どうして?」「だあれ?」などを使
  う。
 〇基本的なものの分類(種類・用途)ができる。(2才半~)
   →5~6枚の絵カードの中から選ぶ。(言う、指さし)
   (例)「食べるものはどれ?」~ 「バナナ」 
      「雨の時使うのは?」 ~ 「傘」
 〇二語文を話す。
   (例・ご飯好き。パパ来た。)

【3才~4才頃】
 〇ごっこ遊びの出現
   → 高度なコミュニケーション能力
   → 友だちと遊び出す
 〇三語文を話す
   (例:ママとお外行く。ごはん早く食べる)
 〇長期記銘力(同一のイメージを長時間保持する)の発達
 〇時間の概念(過去・現在・未来)の形成(3才半~)
 〇「うそ」をつくことができる。
 〇ことばでの「会話」の成立。
   (例:「パパになにもらったの?」「ゼリーもらった」

【4才~5才頃」
 〇内言(音声を出さなくても頭の中での言語だけで考える)の出現
 〇友だちとの会話の成立
 〇じゃんけんの勝ち負けや、かくれんぼなどのルールが分かる。
 〇数や文字に対する興味が出てくる。
 〇仮面ライダーなどの戦隊ものの「なりきり遊び」をする。

                             以上。

★あくまでも基本的な流れですが、これを見てお母さん方は、「うちの子どもは、3才なのにこれもできない、あれもできない。やっぱり障害ではないか。」というように考えがちです。そういう使い方はしなくても大丈夫です。「発達の順序」を見てください。それがことばの発達の遅れを見ていくとき重要になっていきます。

 まずは、今回はここまでです。