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「教育としての早期療育の確立と推進」をしていきます。

2019/07/03(水) 16:04 | izawa

 今、早期療育の専門機関と位置づけられている、児童発達支援事業所の多くは、「福祉」としての早期療育を行っていると考えられます。
 「それは当たり前のことではないか?」と言われる方も多いと思います。これからお話しするのは、「教育」としての早期療育の必要性についてです。発達に不安のある幼児期の子どもさんの早期療育は、「福祉」ではなく「教育」でなければならない、という話です。

 例えば、4才の男のお子さんの日常の活動の様子を考えてみましょう。活動を支えているのは、一つは、認知とかことばとか、コミュニケーションとか、手指の機能など、いろいろな「能力の発達」です。そしてもう一つは、その発達に応じた能力を基盤とした「生活適応能力」あるいは「生活力」ともいえます。
 今もし、この子どもさんが話し言葉が2語文しか出なく、友だちと遊ぶことがなく、それで同じ年令の子どもさんに比べて、発達が遅れていて心配であると、お母さんが相談に来られたとしましょう。

【福祉としての療育】
 相談機関で相談をされて、発達検査や知能検査を行い、広汎性発達障害(自閉症スペクトラム)の可能性が高いので、市内の早期療育機関である、児童発達支援事業所へ通うのを勧められます。もし通うのであれば、公的補助が使える受給者証を区役所で発行してもらうために、基本的には、医師の診断書、あるいは所見が必要になります。それをもらって、児童発達支援事業所を利用するとします。児童発達支援事業所は、児童福祉法における障害児の通所施設という位置づけになります。
 事業所の多くは、利用者は障害児であるという前提で、「福祉」としての療育を行います。それはどういうことかと言いますと、障害児なのだからこの場合、ことばはこれから大きく発達することはできない、であるならば、将来の生活に適応するためには言葉以外のコミュニケーション手段を身につける必要がある、具体的には、ことばの使用を最小限にして、サインであったり、写真、絵カードなどを利用したコミュニケーション手段を身につけさせようとします。つまり、障害によって制限が加えられるであろう生活の中で、他の手段を使って生活に適応させていこうとするものです。

【教育としての早期療育】
 「福祉」としての早期療育と大きく違うのは、今発達的に遅れている「ことば」と「人とかかわる力」を伸ばすということです。障害があろうとなかろうと、今4才の子どもさんは、これからいろいろな発達が伸びていきます。それが、大人との違いです。他の同じ年令の子どもさん同様発達を伸ばし、いろいろな能力をつけていかなければなりません。
 もし、療育教室 楽しい広場で、定期的に指導を行うとしたら、指導者と一対一で、絵カード、積み木、ブロック、お絵かき、手遊び、粘土など物を使って遊び、その内容を豊富にすると同時に、遊ぶ時間を5分、10分、15分と伸ばし、最後は60分たっぷり遊べるようになると、ことばを使ったやり取りがどんどん伸びてきます。ここまで来ると、「福祉」としての療育との大きな違いがお分かりと思います。
 子どもさんの生活力とか生活適応力を伸ばす前に、大事ないろいろな発達を伸ばす、ということです。それが大きな違いです。そして、発達に不安のある幼児期の子どもさんにとって、それが一番大切なことです。

 

 今日の話は、大変重要なことです。今日の話は、実は、小学校の特別支援教育にもつながっています。それにつきましては、また別稿で説明をしていきたいと思います。