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「お母さんと物を使って遊ぶ」(2) ことばに置き換える

2019/05/08(水) 20:58 | izawa

 「お母さんが物を使って遊ぶ」ことが重要な理由の2つ目が「ことばに置き換える」ということです。

 今回は「絵本の読み聞かせ」を例にとってみましょう。
 絵本も1才代、2才代、3才代、4才代と、それぞれの年代の発達段階にに応じた絵本があります。それを読み聞かせるとき、自分の好きなキャラクターや車、汽車、電車などの乗り物などが出ると絵本をじっと見ていきます。まず、この「じっと見る」(注視)、そして「動きを追って見る」(追視)が重要であることは今までに述べてきました。これを「視知覚経験」あるいは「視知覚学習」といいます。

 この見ることを基盤に、絵本では、いろいろな登場人物、動物、物などが出てきます。そして、「食べる」「やってくる」「隠れる」などの動詞や、「大きい」「早い」「寒い」などの形容詞が出てきます。子どもたちは、それらを読み手のお母さんが発する「ことば」と一致させていきます。「アンパンマン」「ぽっぽー(汽車)」「お母さんとお出かけ」などは、絵本の中の絵を見て一致させていきます。そして、1才半くらいになると延滞模倣が出てきますので、そこで絵本に出てくるものが「イメージ」として、記憶されるようになります。これは、あるもの、例えば動物の「象さん」を実物のまま頭の中に記憶することはできませんが、「イメージ」というものに置き換えて記憶することができるようになります。
 この「あるものを別なもので表現する」ことを、ピアジェの認知論の中で「象徴機能」と言います。考える力が伸びていく上でとても重要な能力です。そして、そのイメージと同じ重要な象徴機能が「ことば」なのですね。

 実物ではなく、ほかのもの、つまりイメージや「ことば」記憶し、考えていくことができるようになり、人間の考える力、そして他のいろいろな力が複雑で、高度なものになっていきます。

 つまり、物を使って遊ぶことにより、「ことばに置き換える」経験がどんどん増えていくということなのです。これは、絵本に限らず、粘土あそび、ぬり絵、パズルなど、他の遊びでも同じことが言えるのです。