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障害以外の原因を考える(5) 目についた物に反応してしまう 

2019/04/19(金) 17:03 | izawa

 この「障害以外の原因を考える」シリーズは、札幌市幼児教育センター作成「アセスメントチェックシート」の平成30年度改訂版から、一部チェック項目を取り出しながら、発達の不安の原因のうち、障害以外の原因を考え、さらにその発達を伸ばすための方法を明らかにしていくものです。

 さて、今回の「目についた物に反応してしまう」です。実際のチェック項目を見てみましょう。

【目についた物に反応してしまう】
(支援有)
 ・興味が移りやすく目に入った物の方に行ってしまう。
 ・気になる物があると遊びや活動をやめてしまうが、教師の言葉がけで
  今していたことに戻ることができる。
(支援無)
 ・目についた物にすぐ反応してしまうことはない。

 

 「ADHD」(注意欠陥・多動性障害)という発達障害があるとされています。それには3つの特徴があるとされます。
 ①多動性  ②注意の転導性  ③衝動性

 このうち、②注意の転導性は、次のように説明されています。

「気が散りやすく、興味がもてない授業だとまったく集中できなかったりします。忘れ物も多いのですが、これは不注意のためと思われます。ただその反面で、自分が好きなことにはものすごい集中を示すことがあります。何かを製作するときや受験などで、それこそ「寝食を忘れて取り組む」子どもたちもいます。このような極端な姿から、注意の範囲の狭いことや、注意を適度に保てないところに問題があるともされています。」
  (月刊 発達教育より  湯汲 英史氏(発達教会)言語聴覚士)

 

 今回の「目についた物に反応してしまう」という内容は、上記の特徴の中の「注意を適度に保てない」というものに該当すると考えます。

 それでは、幼児期の子どもさんで、「目についた物に反応してしまう」子どもさんがいた場合、障害以外の原因は何が考えられるでしょうか?

 それは、(1)「目と目が合わない」の時の原因と同じで、「物をよく見る」こと、つまり「注視」「追視」が十分にできていない、そして、基本的にお母さんのかかわりの中で身につく、「相手を見て、人の話を聞く」というコミュニケーションの基本ができていないと考えられます。

 「物をよく見る」、そして「相手を見て。人の話を聞く」というコミュニケーションの基本を身につけるには、「目と目が合わない」のところで詳しく述べているように、物を使って大人と一対一で遊び、その時間を伸ばしていくというものです。(詳しくは「目と目が合わない」のブログを参照ください。)楽しい広場のことば伸び伸び教室では、伊澤との一対一の遊び、かかわりの時、当初はあっという間にいなくなる子どもさんたちが、だんだんかかわる時間が長くなり、最後は30分、40分と続く子どもさんが数えきれないほどたくさんいました。それは、障害ではないという証ですね。

 今までの療育教室 楽しい広場の実践から、「目についた物に反応してしまう」幼児期の子どもさんでも、適度な大人の働きかけで、しっかり発達し成長した子どもさんがたくさんいる、ということを、たくさんの皆さんに知っていただきたいと思います。