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第6回札幌あおば幼稚園子育てセミナー 講演要旨 「脳の認知処理の方法」

2019/01/07(月) 20:27 | izawa

 昨年12月22日(土)に札幌あおば幼稚園で行われた、第6回子育てセミナーにおいての講演の要旨をお伝えします。

【テーマ】
 「脳の認知処理の方法について」
      -同時処理過程と継次処理過程ー

1 同時処理過程と継次処理過程とは?

 脳の認知処理過程である同時処理過程と継次処理過程とは、一番新しいい知能検査である「K-ABC」において、認知処理能力を把握する上での基本的な考え方です。つまり、人間の脳の認知処理過程には、大きくこの二種類あるとしています。

(継次処理機能)
  ・連続した情報を、聴覚的、言語的な手がかりを使って、一つずつ順
   番に分析し処理していく。短期記憶、情報の系列化の能力などに結
   びつく。
(同時処理過程)
  ・複数の情報をまとめ、視覚的、運動的な手がかりを使って、全体と
   してとらえ処理していく。視覚的記憶力、全体を部分に分解する能
   力、空間認知能力などに結びつく。

 この二つの違いは、「どのように問題を解くか」という、問題を解決するプロセスの違いであるとし、この二つを適度に使いながら、いろいろな問題解決をしている、つまり「考えている」ということができます。

 

2 同時処理機能が強い、幼児期の子どもさんについて

(1)同時処理機能が強い子どもさんとは?
 普通、人間はこの二つの機能のうち、継次処理過程の機能の方が強いといわれています。しかし、中には同時処理過程の機能がものすごく強い子どもさんがいます。
 例えば、一度行った場所の細かいところを覚えている、あるいはその場所までの行く道を正確に覚えている、アニメのキャラクターや車の名前や種類などの膨大な数を覚えている、図鑑が大好き、2~3才でひらがな・カタカナ・数字・アルファベットなどが読める、突然アニメのセリフを言ったり歌を歌い出す、宇宙語を話す、話している途中で突然違う話をし始める、などの子どもさんが当てはまると考えられます。

(2)同時処理機能が強い子どもさんと発達の遅れについて
 これまでの楽しい広場での療育相談の中で、言葉の遅れや会話の遅れ、コミュニケーションのぎこちなさなどの相談で、同時処理機能が強いと思われる子どもさんが多くみえられました。
 この原因をいろいろ考えましたが、一つはDVDのアニメーションや図鑑、絵本などを見たり、ミニカーなどで遊んだりして、一人で遊ぶことが多かったのではないか、つまりお母さんとかかわることが極端に少なかったのではないか、ということです。
 そして、もう一つは、同時処理機能が強く、それに比べて順番に情報を処理していく継次処理機能が十分に発達していなかったのではないか、ということです。この継次処理機能は、会話、あるいは人とのコミュニケーションという、人とかかわっていく上では、とても重要な役割をもっているということです。

(3)発達の遅れの改善の方法について
 まず一つは、お母さんとのかかわりを増やす、ということです。なかなか時間が取れないことも多いと思いますが、一日10分でも15分でも一緒に遊んだり、着替え、お風呂、食事などの日常の生活のそれぞれの場面で、子どもさんに話しかけることを意識する、ということです。
 そして、もう一つは、継次処理機能を高めるということです。それには「ものごとを順番に記憶する」ということが重要ですから、絵本の読み聞かせ、手遊び、リトミック、しりとり、トランプや絵カードを使った神経すいじゃくなどが効果的と考えられます。