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子どもさんの癇癪を直す方法

2017/05/04(木) 15:38 | izawa

 今、自分の思う通りにならないとき、大声を出して泣き叫ぶという、子どもさんの癇癪に悩まれている、あるいは癇癪がパワーアップして疲れ果ててしまっている、そんなお母さんが多いのではないでしょうか。

 子どもさんの癇癪の原因を考えるとき、相談機関などに行くと、発達障害の疑いしか言われないでしょうが、楽しい広場では、その原因を考えるとき、お子さんのそれまでの成育歴を重視します。

 我々大人でも、癇癪を起こす人がいます。それから、癇癪を起こしたい、どなり散らしたい、という経験は、誰にでもあることでしょう。私にも、今でもあります。人間、いつになっても、自分の思う通りにならないとき、癇癪を起こす可能性はあるということです。要は、それをするかしないか、です。

 どうして、多くの人は、癇癪を起さないのか?それは、自分でそれを抑えることができるからです。癇癪を起こしても、自分にも、周りの人にも悪影響を及ぼすだけである、ということを知り、自分で癇癪を抑えていきます。これを、発達心理学では、「自律性」と言います。自律性とは、「自分で、自分の感情や行動をコントロールする力」、言い換えると「自己主張と自己抑制のバランスが取れる」ということを意味します。そして、将来、大人になっても必要になる自律性ですが、3才~4才ころから急速に伸長していきます。

 3才から4才にかけての時期の大きな特徴というのは、相手や周りの状況を見ながら、考えながら行動できるようになり、更に、基本的な良い悪いという意味もわかってきます。そういう時期に、自己主張と自己抑制のバランスが取れるようになるために、重要なことは、「自己抑制の経験」です。

 ここで、しっかり確認しておきたいことは、自律性とは、ただ「我慢する」だけではない、ということです。ただ、我慢するだけでしたら、人間、ストレスがたまるだけです。そうではなくて、「自分は今こうしたい」という自己主張と、「今は我慢しよう」という自己抑制のバランスをしなやかにとって、自分の行動や感情をコントロールする、ということです。

 さて、2才ころからの幼児期の子どもさんで、癇癪が激しい場合、自己主張の経験は当然たくさんしているでしょうが、もうひとつの、自己抑制の経験がない、あるいは少ない、という場合がとても多いのです。

 この自己抑制、誰もが、したいものではありません。できれば、しないで済ませたい。それは、幼児期の子どもさんも同じです。ましてや、幼児期の子どもさんたちは、自己抑制を経験していません。幼児期の子どもさんたちは、普通、いろいろな生活経験の中で、自己抑制を身につけていきます。しかし、そのような中で、2才、3才、4才でその自己抑制の経験、つまり「ちょっと待つ」「ちょっと我慢する」経験をしていない、あるいは少ない、というお子さんがいると思います。楽しい広場にもたくさんおられました。理由は、様々です。子どもを伸び伸び育てたいと思い、子どもさんの思う通りにさせたり、お母さんの体調が良くなく、泣いたりしたときは、どうしても思う通りにさせたり、祖父、祖母に育ててもらう場面が多く、どうしても子どもさんのいう通りにさせてしまうことが多くなる、などなどです。

 しかし、自己抑制の経験は、当然子どもさんたちは、したくはないでしょう。ですから、したくはない経験を積ませるわけですから、大人がそれをさせてあげなければなりません。

 さて、癇癪というのは、相当激しい感情の爆発です。日常生活の中で、「ちょっと待って」や「ちょっと我慢して」では、到底おさまらないと思います。

 

★そこで、必要になってくるのが「あきらめさせる」ということです。

 多分、癇癪を起こす子どもさんたちは、まだ、この人生の中で、「自分の思うとおりにならないことは、ない。」と思っているはずです。「泣けば何とかなる、泣き叫べば自分の思う通りになる」と思っているはずです。そういう子どもさんに対して、「世の中には、自分の思う通りにならないことがあるんだよ」ということを教えてあげる、ということです。つまり、あきらめさせる、ということです。

 例えば、お母さんが夕食を作っているとき、「早く食べたい」と、ご飯ができようができまいが、泣き叫ぶ、自分の欲しい食べ物でなければ泣き叫ぶ、あるいは、ご飯を作るのをやめて、もっと遊んで欲しいと泣き叫ぶ、という場面があったとき、子どもさんに「あきらめさせる」という経験をさせる、ということです。

 

★平然としている。

 子どもさんが癇癪を起こしているとき、大声で怒鳴っても、たたいても、ダメです。本人があきらめなければ、その場はやめても、またあとで出てきます。楽しい広場では、お母さん方に、「お子さんとバトルをしてください。」と言っています。それは、お子さんがいくら大声で泣き叫んでも、「平然としている。」ということです。つまり、「できないものはできません。」「無い物は無いんです。」と、平然としているということです。もちろん、心から平然としている、ということではなく、「平然を装っている。」ということです。できるなら、大声を出して、どなり散らした方が、よっぽど楽だと思います。つまり、お母さんにもエネルギーが必要である、ということです。ですから、「バトル」なんですね。このバトルをして、お子さんが、泣きつかれ、騒ぎ疲れて、「あきらめる」と、お子さんはカラッと変わります。バトルは1回です。この勝負にお母さんもかけてください。

 今までにも、たくさんの子どもさんが、「あきらめる」ことを知り、大きく変わっていきました。今までの最高は2時間半のバトルの後、子どもさんがあきらめて、それ以降、子どもさんが変わっていったというのが、最長時間です。最短時間は、4月に発達相談に来ていただいた、2才8か月の女のお子さんで、お母さんが夕食の支度をしているとき、待ちきれなくて癇癪を起こし、お母さんが平然とバトルを始めて、3分後にパタッとやめて、正座してテレビを見出した、とのご報告をいただきました。お母さんは、娘さんの癇癪がパワーアップして、ほとほと疲れて、楽しい広場に相談に来られたとのことでした。子どもというのは、やはり素直なんですね。あきらめたら、カラッと変わっていきます。

 また、こういうバトルをするとき、お父さん、おじいちゃん、おばあちゃんと必ず共通理解を図ってください。子どもさんたちは、誰かが自分の言う通りになってくれると分かると、必ずそこに行きます。つまり、「あきらめきれなくなる」ということです。

 どうぞ、みなさん、試してみてください。