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子どもの問題行動:Ⅱ問題行動の原因

2007/10/13(土) 13:34 | izawa

 幼児期における問題行動は、幼稚園・保育園・療育施設などにおいての、

日常生活の中でよく見られる行動である。そして、それらの行動が3~6ヶ

月程度の長期にわたって、継続的に現れている場合、根本的原因の究明

と、問題行動の改善に対する対応が必要になる。ここで考える問題行動は、

上記のような、長期にわたって継続的に現れている場合についてである。

 さて、このような幼児期の子どもに問題行動が現れたとき、原因として、

次の3つのケースが考えられる。

1 知的な発達に遅れはないか。

 幼児期の問題行動は、子どもが発達していく中で現れてもおかしくない

行動であるが、それが長期にわたって継続している問題行動として現れ

ている場合は、何らかの原因があると考えられる。

 その中で、はっきりとした原因と考えられるのは、知的な発達に遅れが

ある場合である。知的な発達に遅れがある場合、発達のいろいろな面に

影響してくるので、問題行動として現れてくることは十分に考えられる。幼

稚園や保育園では、まず、知的な発達のうち、基礎となる認知的な発達

の発達段階を把握することが重要になる。この方法については、絵カード

を使った具体的な方法を前述しているので、参照していただきたい。特別

に、知能検査や発達検査をしなくても、臨床的に把握が正確にできるは

ずである。

 もし、ここで認知的な発達に遅れがある場合は、他の言葉やコミュニケ

ーション・自律性などを含めた、知的な発達段階に応じた働きかけを行い、

知的な発達を伸ばしながら、日常生活の中での生活経験を拡大していく

ことが必要である。

 それでは、知的な発達に遅れがない場合はどうか。

2 何らかの原因による、不適応行動ではないか。

 知的な発達に遅れがないと分かった段階で、次に考えられるのは、何

らかの原因による不適応行動である。原因は大きく分けると、次の3つが

考えられる。

(1)生活経験の乏しさ

 問題行動の多くは、人とのかかわりの中で起こるものである。この場合

の生活経験の乏しさの中心となるのは、①家庭内での経験、例えば一人

っ子であること、親や兄弟との接触の機会が少ないなど、②公園での遊び

や他の子どもと一緒にいることの極端な少なさ、③買い物など人の多くい

るところにいることの経験の少なさ、などが考えられる。

(2)不安定になりやすい生活条件の変化

 例えば、本人の視力や聴力が弱くなる、アレルギーなどの特異体質が

顕著になる、兄弟姉妹ができた、親の放任、引っ越しで家が変わる、親の

離婚や再婚などが考えられる。特に、感受性の強い子どもは、チックなど

の症状も伴うことも考えられる。

((3)自律性の未発達

 「自律性」とは、「自分で自分をコントロールしながら行動することができ

る。」ということを意味している。3・4才~6才ぐらいにかけて急速に伸長し

ていく。実は、生活経験が乏しいため、この「自律性」が発達せず、問題行

動となって現れてくるケースが幼稚園や保育園で十分起こりうるのではな

いか、と考えられる。

3 他の発達障害が原因ではないか。

 もし、知的な発達に遅れがなく、何らかの原因による不適応行動ではな

いとしたら、他に考えられるのが、割合的には少ないと思われるが、知的

な発達以外の発達障害が原因ではないか、ということである。その発達障

害として考えられるのが「自閉症」「アスペルガー症候群」「注意欠陥/多動

性障害(ADHD)」「学習障害(LD)」などである。

 ただ、ここで一つだけ強調しておきたいのは、幼稚園・保育園・学校など

において、これらの障害の判断は慎重に行われるべきである、ということで

ある。これらの障害の原因はまだ分からず、医師においての診断も行動面

の特徴からの診断が中心であり、行動だけを見ると、障害をもっていない

子どもでも十分に起こりうる、と考えられる。発達の不十分さからくる一過

性のものなのか、障害が起因するものなのかは、きちんと見極めなければ

ならない。