ことばの遅れの原因 「一人遊びが多い」
2023/05/08(月) 15:18 | izawa
療育教室 楽しい広場のこれまでの発達相談やことば伸び伸び教室を合わせた件数は、16年間で延べ2200件は超えていると思いますが、その中でやはり、今も昔も多いのがことばの遅れです。2才代、3才代で、発語がわずか、あるいは単語の発語はあってもの二語文にならないなどのような内容です。
ことばの遅れの原因は、たくさん考えられます。その中の一つが「一人遊びが多い」です。一人で好きなおもちゃで遊んだり、絵本や図鑑を読んでいたり、テレビやスマホを見続けたり、一日の中で何時間も一人で遊んでいるような場合です。
なぜ、「一人遊びが多い」とことばが遅れるのでしょう?
療育教室 楽しい広場では、子どもさんは小さいときから、お母さんの安心感の中で、お母さんと遊んだり、食べたり、着替えをしたりしたりしてたくさんかかわりを積み重ね、その中で、お母さんの発することばの他に、声や動作、表情、しぐさ、まなざし、ぬくもり、雰囲気などのいろいろなコミュニケーション手段を使って、お互いに気持ちや感情を「伝え合う」ことを経験し、その延長上に「ことばで伝える」という「発語」が出てくると考えています。
そう考えると、一人遊びがとても多いとしたら、その裏返しは「お母さんと伝え合う経験が極端に少ない」ということです。であれば、当然ことばを発するということは、遅くなる可能性が高いと考えます。
例えば、大きいテレビをの前で一日中子どもさんがアニメや子ども向けのテレビ番組を見続け、それが何か月と続いたとします。ことばはそれを見ている子どもさんの周りにあふれていますが、ことばは出てきません。
それはなぜか? それは、お母さんや他の大人がおらず、いろいろな思いや感情を伝え合うことがないからですね。「伝えたい」と思うからこそことばが出るんですね。
子どもさんのことばが遅く、一人遊びが多いと感じたら、テレビやスマホを見るのを一日30分や1時間くらいに大幅に減らし、基本的にお母さんが子どもさんと一日5分あるいは10分でも良いので、一緒に遊びましょう。そのとき無言で遊ぶはずはないはずです。声や表情、動作などで伝え合いをしますから、それを毎日続けていきますと、ことばが出てくると思います。
それからもう一つ、一日の生活の中での着替え、食事、お風呂、トイレなどの場面で、一言でよいので言葉をかけてあげてください。「もうシャツ着た?」「人参たべた?」「お風呂に入るから服脱ぎなさい」など一言でよいです。ひょっとしたらその言葉がけに何らかの反応をしてくれるかもしれません。
子どもさんの「一人遊びが多い」に心当たりのあるお母さん、ぜひやってみてください。
以上です。