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「大事に育てる」の陥りやすい弱点

2022/07/12(火) 11:58 | izawa

 自分の子どもは大事です。特に意識をしなくても親御さんは自分たちの子どもを大事に育てられていることでしょう。

 そして、その上でなお、いろいろな理由で「私は子どもを大事に育てている」と思いながら子育てをされている親御さんもいらっしゃるでしょう。

 それが、もちろん悪いこととは言いませんが、陥りやすい弱点を含んでいることも事実です。

 親御さん、特にお母さんが自分のお子さんを大事に育てようと思うと、日常生活の中で、お子さんに危ないことはなるべく避けよう、お子さんが不快に感じたり笑顔がなくなるようなことはなるべくしないようにしよう、と考えてしまう場合があります。

 それは、どういうことにつながるかと言いますと「お母さんが先回りしてしてあげる」ということにつながりやすくなります。

 さて、このまま順調に幼児期の子どもさんが育ってくれたら申し分ないのですが、実際はそうは簡単にいきません。3才くらいになってきますと大きな問題が出てくる可能性があります。一つは、「言葉が遅れる」、もう一つは「かんしゃく」です。

 その理由です。

 「言葉の遅れ」については、毎日、お母さんがいろいろ先回りをしてやってくれるので、自分は気持ちよく自由に生活できているので、「しゃべる必要性がない」状態であると思われます。しゃべる必要がなければ、ことばは覚えていきません。楽しい広場の発達相談では、最近特に言葉の遅れの場合、お母さんにお話を伺っていくと、この「大事に育てる」場合が多いように感じます。

 「かんしゃく」については、「大事に育てられている」場合、「待つ」ですとか「我慢する」という「自分を抑える経験」をほとんどしていないと思われます。
 3才頃になると、子どもは「自分の行動を自分でコントロールする」力である「自律性」が伸びてきます。ただ、「自律性」を伸ばしていくためには、「自分を抑える経験」がどうしても必要になります。それがないと「自分は○○をしたい」という欲求ばかりが出てきて、場合によっては「我慢をしなけりゃ」ということができなくなり、その結果「かんしゃくが激しくなる」と考えられます。

 

 改善の方法です。「言葉が遅れる」に関しては、一日5分~10分でも良いので、おもちゃなどを使って、お母さんと一緒に遊ぶ時間を作ることです。一緒に遊んでいれば、お互いに無言で遊ぶことはないでしょうから、お互いにやり取りがあり、お互いに感情や気持ちを「伝え合う」ことが多くなります。その延長上に「言葉が出てくる」と考えます。

 「かんしゃく」については、一日の生活の中で「ちょっと待つ」「ちょっと我慢する」「後片付けをする」など、「自分を抑える経験」を積み重ねていくことが必要と考えます。

 今回は以上です。