ナビゲーションメニューへ

「一斉指示が通る」ための改善の方法

2022/06/30(木) 13:06 | izawa

 さて、「一斉指示が通る」ためには、どうしても集団でのかかわる経験が必要です。

 一般的には、3才くらいからごっこ遊びが盛んになって、友だちと2人であるいは3人、4人くらいの小集団で遊ぶようになり、一緒に遊んでいる友だちを意識したり、会話をしたりします。そういう中で会話も飛び交い、その中で誰かの声を聞き分けるという能力も育ってきます。そういう集団活動の規模が少しずつ大きくなり、その経験を通して多い人数の集団においても、先生や友達の声を聞き分けることができるようになってきます。

 そこから考えられることは、「幼い感じ」の子どもさんであれば、まず友だちを意識し、友だちと一緒に遊べるようになること、そしてその次に3人~4人くらいの小集団の中で遊んだり活動できることが必要になります。
 そういう場合、幼稚園や保育園では、最初先生に入っていただいて活動をしてもらい、そこからだんだん一人で活動できるように指導していただけると良いと思います。
 何度も繰り返すようですが、どの子どもさんも最初は一斉指示が通りません。子どもさん個人の発達が向上し、人とかかわる経験を重ねることによって「一斉指示が通る」ようになります。

 それから、「視覚優位」の子どもさんであれば、集団での活動の経験の他に、お母さんや幼稚園・保育園の先生などとの一対一のかかわり、例えば一緒に遊ぶ、あるいは子どもさんに対する言葉がけを増やし、子どもさんのコミュニケーション能力を伸ばしていく必要が考えられます。そのことが、集団での活動のときのコミュニケーションがスムーズにいくことにつながると考えます。

 「一斉指示が通らない」子どもさんがいた場合、まず子どもさんの発達の実態を把握し、それを踏まえた上で、幼稚園や保育園などで人とかかわる経験を重ねながら、集団の中で周りの人たちを意識し、コミュニケーションを取りながら一緒に活動するという、「集団活動に適応できる力」を育てる指導が必要であると考えます。その「集団活動に適応できる力」の中に、「一斉指示が通る」ということが含まれるということです。

 「一斉指示が通らない」に関しては、今回で終了です。