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2011/09/06(火) 16:06 | izawa

5 人とのやりとりの弱さや、ぎこちなさを改善するために
 感覚過敏が落ち着いたあとも、人とのやりとりや、ぎこちなさがある場合、それを改善するための対応として、ここでは2つのことを挙げる。

(1)家庭では自分の母親や、何人かの友だちやその母親と、また、保育園
 や幼稚園などでは、担当の保育者と何人かの友だちとで、本人にとって落 
 ち着いた刺激の環境の中で、例えば、紙芝居を見たり、ビーズや折り紙で
 遊んだり、小さいトランポリンで遊ぶなど、少人数で、しかも楽しい活動の 
  経験が必要と考えられる。

(2)上の(1)に並行する形で、費用はかかるが、それが許されるのであれ
 ば、療育教室、幼児教室、リトミック教室などで、母親以外の大人との一対
 一、あるいは少人数での活動を楽しく経験できることが、重要と考えられ
 る。特に、ここでの活動が、子どもにとって、楽しく、心地よいものであれ
 ば、大人との一対一のコミュニケーションが活性化し、子どものコミュニケ
 ーションの力がついてくる。ここでは、大人が子どもに合わせることにより、
 子どものコミュニケーションの力を伸ばすことができる。この段階で、力が
 つけば、次には、他の子どもの中でのやりとりの経験につなげていくことが
 できる。

(3)保育園や幼稚園などで、大人が把握しやすい、5~10人くらいの集団
 で、大人が中に入りながら、言葉や動きがはっきり現れるような、「うんどう
 遊び」や「リズム・うた遊び」などを継続的に行い、楽しい雰囲気の中での
 かかわりを多く経験し、大人がそのかかわりを見守りながら、その中で子
 どさんが、言葉だけではなく、言葉以外の声や動作、表情、しぐさなどで他 
 の子どもさんたちと、コミュニケーションをしていけるように、働きかけていく
 ことが重要であると考えられる。つまり、相手のことを理解し、気持ちを感じ
 とり、かつ自分の意思や感情を相手に伝える手段をたくさんもち、そして、
 それらを十分に使って、コミュニケーションをする経験を積み重ねていくこと
 が必要である、ということである。
 
  ただ、この場合、途中で子どもさんが嫌がったり、気持ち的に落ち込んで
 しまう、ということも考えられるので、そういう場合は、一人、大人がそういう
 子どもさんに対応できるような態勢をとることが、必要と考えられる。

2011/09/06(火) 13:03 | izawa

4 感覚過敏による影響
 
感覚過敏は、人によってその程度は違う。日常の生活に大きく支障が出る場合もあれば、生活にそれほど支障が出ない場合もある。しかし、基本的には、だいたい、就学時期ごろまでには過敏が落ちついて、日常生活にはほとんど支障がなくなると考えられる。
 前にも述べたが、幼児期に感覚過敏があり、そのため言葉や認知的発達が遅れたため、広汎性発達障害や精神遅滞と診断された子どもさんが、3~4才ころから過敏が落ち着き、言葉が出始めると、急速に言葉や認知面が発達し、それにつれて、人とのかかわりも落ち着いてきて、知的な発達や人との関係性の発達が生活年令に応じた発達になった、という子どもさんが、楽しい広場の療育相談にこれまで何人も来られた。
 ただ、その場合、他の子どもさんとのかかわり方が少し消極的であったり、下手であったりして集団の中に入っていけなかったり、集団の中に入って遊んだりするが、友だちとトラブルになることが多い等、コミュニケーションに関して、ぎこちなさが残る場合がある。
 この大きな原因としては、「共感性」の発達が遅れる、ということが考えられる。幼児期の共感性の定義については、木村 順氏が示したものを参考にする。

★幼児期のおける「共感性の発達(木村 順氏)
 ・共感性とは、「△△を共有する心のはたらき」
   ①表情やまなざしを共有する。
    → 笑顔を見せると微笑み返す、目と目が合う。
   ②動作、しぐさを共有する。
    → 物まねの始まり、赤ちゃん芸。
   ③物(おもちゃ等)を共有する。
    → 手渡すと受け取る、「ちょうだい」で差し出す。
   ④興味の対象を共有する。
    → ジョイント・アテンション
 さらに、木村氏は、この共感性が十分発達しないことにより、対人関係の愛着行動の発達も不十分になり、それらを含めた意味での、本来、子どもがもっているはずの、「安心感」(アタッチメント)が未発達、あるいは偏る、と指摘してる。

 このことから考えると、感覚過敏によって、母親や他の人とかかわっていく経験が少なくなり、それによって、相手のことは十分意識しているのだけれど、「相手の心や気持ちを感じ取りながら、△△を共有する」という、共感性を育てる経験が少なくなり、さらに、それに伴って「対人関係の愛着行動」の発達も不十分となることが考えられる。それが、感覚過敏は落ち着いても、人とのかかわりが苦手であったり、下手であったり、偏ったりすることにつなっているのではないか、と考えられる。

 

 

 

 

 

 

2011/09/01(木) 17:12 | izawa

3 感覚過敏に対する対応

 基本的に、感覚過敏ということが分かれば、日常生活の中で、できるだけ刺激を落ち着いて受容できるよう、工夫することが必要と考えられる。
 

(1)触角過敏の場合

 ①ぬいぐるみをなでる。
 ②暖かい物を手に持つ、あるいは着る。
 ③枕を膝の上にのせて座る、あるいは枕を周囲において座る。
 ④毛布にくるまる。
等の、やわらかい、穏やかな感触の刺激を受容させる、ということと、
 ⑤子どもの肩に手を置く。
 ⑥子どもの背中をリズミカルになでたり、軽くたたく。
 ⑦もし、子どもが受け入れるならば抱きしめる。
等の、身体的、そして精神的な、人の暖かい感触の刺激を受容させることによって、日常生活の中で、落ち着いた刺激の受容を積み重ねていくことができる、と考えられる。
 

(2)聴覚過敏の場合

 子どもさんが嫌がる音を無理に慣れさせようとするのではなく、嫌がる音を避けて活動する配慮が必要である。幼児期では、例えば、家庭では落ち着いた音の環境の中で、お母さんや友だちと遊ぶ機会を増やし、安心感の中での楽しい活動を積み重ねることにより、感覚過敏が落ち着いてくることが考えられる。また、家庭以外の保育園や幼稚園などでも、できる限り、落ち着いた音の環境を整える配慮があることが望ましい。その際、他の子どもたちや親御さんに理解してもらう配慮も、必要になると考えられる。


(3)嗅覚過敏の場合

 できるだけ、激しい臭いの刺激を避ける、という配慮が必要と考えられる。幼児の場合は、そのほかに、口腔の感覚過敏ということも考えられる。固めの食べ物、あるいは刺激の強い味の食べ物を口から出してしまう場合、単なる好き嫌いではなく、口腔内の感覚の過敏の可能性も考えられる。そのような場合の対応としては、刺激の少ない物を食べさせる、ということのほかに、ストローを使って飲み物を飲んだり、シャボン玉を吹くなどして、口の中で圧力の強弱による刺激の反応を経験したり、バンゲード法などの方法で、指を使い、口の中のほおの裏側の表面や歯ぐきを押して刺激し、過敏を取っていく、ということが考えられる。
 また、過敏がある程度落ち着いてきても、偏食が続く場合がある。その場合は、食べ物の種類の経験の少なさ、つまり、基本的には「食べず嫌い」ではないかと考えられる。そのようなときは、一口ずつでも、あるいは他の食べ物と混ぜて、わずかずつでも口に入れ、粘り強く味を覚えさせていくことが、必要と考えられる。

 

 

 

 

 

 

2011/08/30(火) 17:11 | izawa

 今回からは、発達に不安のある幼児期の子どもさんの中で、実は多く見受けられる、「感覚過敏」について、述べていきたいと思います。

1 感覚過敏とは?
 基本的に、感覚過敏とは、人間がもつ感覚に対する、外部からの刺激に対して、拒否的、感情的に反応する傾向をさす。感覚過敏については、「感覚統合理論」では、「触角防衛」という言い方をしている。ここでは、同じ意味として考え、主となる3つの過敏について取り上げる。

(1)触角過敏
①身体に触れられるのを極端に嫌がる。
 〈例〉 ・抱っこを嫌がる。
     ・肩を抱かれるのを嫌がる。
     ・鬼ごっこをして触られると痛がる。
②手をつないだり、手を握られるのを嫌がる。
③指先にのりをつけるのを嫌がる。
④やわらかい粘土を触るのを嫌がる。
⑤芝生や砂の上、ジュータンなどの上を歩くのを嫌がる。
⑥着替えをするのを嫌がり、逃げ回る。
⑦お風呂で誰かに体を洗ってもらったり、水しぶきを受けることを嫌がる。
 等々。
(2)聴覚過敏
①普通は気にならない、小さい音が気になる。
   → 例えば、乳幼児が寝ているとき、部屋のドアが開くような音ですぐ目
     が覚めて、夜泣きが多かったり、昼寝をなかなかしない、など。
②ある特定の高さの音を嫌がる。
   → 例えば、赤ちゃんの泣き声を極端に嫌がる。
③大きな音を嫌がる。
   → 例えば、工事の音が気になる、運動会の時のピストルの音や花火、
     クラッカー、ピアノの音、人が大勢いるときの話し声などの音を怖が
     る。
④不規則な音を嫌がる。
   → 例えば、クラシック音楽など比較的規則正しい音楽、あるいはメトロ
     ノームのような規則的な音が好きで、ロックのような音楽を極端に嫌
     がる。
(3)嗅覚過敏
 水や飲み物を飲むときに必ず臭いを嗅ぐ、食べ物のにおいを必ず嗅ぐ、人のにおいを嗅ぐ、など。幼児期に激しい偏食がある場合、口の中の感覚過敏とともに、この嗅覚過敏の可能性が考えられる。また、幼稚園や保育園、学校などの給食などで、いろいろな料理の臭いが混ざっていると、物が腐っているような臭いに感じて、給食が食べられない、ということもある。

 

2 感覚過敏によっておこる行動特徴
 乳幼児期、母親と一緒にいるとき、母親に抱っこされるのを嫌がる、手をつなぐのを嫌がる、名前を呼んでも振り向かない、外に出ると、すぐひとりでどこかに行ってしまう、などの子どもさんがいる場合、また、保育園や幼稚園などでは、友だちの中に入って一緒に遊べない、友だちとトラブルを起こしやすい、なかなか昼寝をしない、特定の先生の言うことは聞くけれど、他の先生の言うことは聞かない、などのような子どもさんがいる場合、こういう子どもさんの中で、実は感覚過敏の子どもさんが多い。よく、「育てにくい子ども」と言われる子どもさんがいるが、そういう子どもさんの中にも、感覚過敏の子どもさんは多い。
 よく、感覚過敏がある子どもさんは、自閉症や広汎性発達障害と似たような行動特徴があるので、自閉症や広汎性発達障害と間違われやすい。ここで確認しておきたいことは、自閉症や広汎性発達障害ではない人で、感覚過敏の症状や行動特徴をもっている人はたくさんいる、つまりは、感覚過敏はイコール、発達障害ではない、ということである。
 また、それと並行して、感覚過敏である場合、言葉の発達や、認知的な発達が遅れることがある。
 しかし、3~4才ごろから、感覚過敏がだんだん落ち着き、それと反比例して言葉が出るようになって、会話ができるようになると、認知的な発達が急速に伸びて、生活年令に応じた発達段階になり、それとともに、母親や他の人とのコミュニケーションが豊かになり、コミュニケーションがスムーズになるという子どもさんが、実際に、楽しい広場の療育相談に何人も来られた。基本的には、感覚過敏は、就学時期くらいまでには、落ち着いてくると考えられる。
 そして、これらのような子どもさんが、自閉症や広汎性発達障害にまちがわれないためにも、感覚過敏のチェックはとても重要である。

 

 

2011/08/24(水) 17:35 | izawa

 8月の旭川の療育セミナーは、28日(日)です。テーマは、札幌の療育セミナーと同じで「育てにくいと感じられる子どもたち~感覚過敏と発達の遅れ」です。たくさんの皆さんのご参加をお待ちしています。

○会場  旭川市勤労者福祉総合センター(ときわ市民ホールに隣接:旭川市
      5条通4丁目) 1階研修室(定員40名)

○会費  お一人2000円(資料あります)

○申し込み  締切8月27日(土)
    (楽しい広場) 
       電話・ファックス   011-811-1757
       メールアドレス    mail@tanoshi-ryouiku.com  

2011/08/19(金) 16:35 | izawa

 楽しい広場では、4月から、毎月の療育セミナーに合わせて、旭川での個別の療育相談を行っています。主に、幼児期から小学生の子どもさんの、多動、パニック、他害行為、友だちと遊べない、発語が遅い、などの問題行動や、来年度の就学などでのお悩みについて、ご相談ください。

○日時  8月28日(日)、時間は、午前10時から午後1時までの間です。

○会場  旭川市勤労者福祉総合センター、1階研修室です。(ときわ市民ホー
      ルに隣接しています。)

○費用  1時間2500円。

○申し込み
   電話・ファックス・メールのいずれかで、楽しい広場までお申し込みくださ
   い。
 (楽しい広場)
    電話・ファックス   011-811-1757
    メールアドレス    mail@tanosyi-ryouiku.com

  

2011/08/19(金) 14:20 | izawa

 そろそろ、北海道の夏休みは、終わりを迎えますが、8月の札幌療育セミナーは、下記の通り行います。皆さんの、ご参加をお待ちいたしております。

 

〈第5回 札幌療育セミナー〉
○日時   平成23年8月21日(日)、午後2時~4時(1時45分~受付)

○テーマ  「育てにくいと感じられる子どもたち~感覚過敏と発達の遅れ」

○会場  札幌市社会福祉総合センター(札幌市中央区大通西19丁目1-1)
      第2会議室(40名定員)  ℡011-614-2948

○会費  お一人2000円(資料あります)

○申し込み方法
  電話・ファックス・メールのいずれかで、楽しい広場までお申し込みくださ
 い。締切は、8月20日(土」までです。
(楽しい広場)
  電話・ファックス   011-811-1757
  メールアドレス    mail@tanoshi-ryouiku.com

 


 

2011/08/19(金) 13:23 | izawa

 今年度の4月から開催いたしてきました、「発達療育専門講座」につきまして、誠に勝手ながら、主催の楽しい広場の事情により、7月をもちまして、中止をさせていただくことになりました。これまでに、参加していただいた皆様には、大変申し訳ございませんが、ご了承いただきたく、ここにお知らせ申し上げる次第です。なお、療育セミナーにつきましては、これまで通り、実施いたします。よろしくお願いいたします。

2011/07/19(火) 18:30 | izawa

 療育教室 楽しい広場では、言葉の遅れや発達の遅れをもつ、幼児から小学生を対象に、言葉や数の指導を、一対一の学習スタイルを基本にして行う、「ことば伸び伸び教室」の説明会を、実際の指導をおさめたDVDを交えて、開催いたします。

1 日時  7月31日(日) 午前10時~12時

2 会場  札幌市社会福祉総合センター 第2会議室(40名定員)
       (札幌市中央区大通西19丁目1-1)
       (電話:011-614-2948)

3 会費  無料

4 申し込み
    電話・ファックス・メールのいずれかで、楽しい広場の方へ、お申し込みく
    ださい。締切は、7月30日(土)です。
     《療育教室 楽しい広場》
       電話・ファックス   011-811-1757
       メールアドレス    mail@ranoshi-ryouiku.com   

*当日、個別のご相談も、お受けいたします。

2011/07/19(火) 15:35 | izawa

 療育教室 楽しい広場で、開催します、第4回旭川療育セミナーのご案内です。
 今回の内容は、2つです。
(1)「発達に遅れのある子どもさんの言葉や数の指導の実際」
      -DVDで指導の実際を紹介ー
  → 楽しい広場で行っております、「ことば伸び伸び教室」の実際の指導
   の様子をDVDにまとめましたので、それを見ていただいて、発達に遅れ
   のある子どもさんの、言葉や数の指導の実際について説明をいたしま
   す。見ていただくお子さんは、いずれも小学校の特別支援学級に在籍
   する4年生2名、2年生1名です。

(2)「日常生活のこだわりと、自閉症のこだわり」
  → よく、子どもさんに、何かのこだわりがあると、自閉症ではないか、と
    心配される親御さんがおられます。こだわりがあると、本当に自閉症
    なのか?そのあたりを、説明いたします。

(日時) 7月24日(日)、午後2時~4時(1時45分~受付)
(会場) 旭川市ときわ市民ホール(旭川市5条通4丁目)
      101研修室(50名定員)  電話:0166-23-5577
(会費) お一人 2000円(資料あります)
(申し込み)
   電話・ファックス・メールのいずれかで、氏名、電話番号を明示の上、楽
   しい広場まで、お申し込みください。締切は、7月23日(土)です。

  《療育教室 楽しい広場》
    電話・ファックス   011-811-1757
    メールアドレス    mail@tanoshi-ryouiku.com