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2010/08/27(金) 18:10 | izawa

7月25日(日)、札幌市社会福祉総合センターにおきまして、第4回札幌療育セミナーを開催いたしました。当日は、幼稚園教諭、保育士、子ども塾講師、親御さんなど、8名の方々に参加いただきました。内容は、次の二つです。

(1)子どものコミュニケーションの発達

(2)広汎性発達障害と診断された子どもの成長と、その後の医師の診断について

(1)については、7月11日(日)に行われた、第4回旭川療育セミナーと同様の内容でした。(2)については、7月4日(日)に行われた、第3回親子発達サークルと同様の内容でした。詳しくは、それぞれの報告の方をお読み下さい。

 

★医師による広汎性発達障害の診断の取り消しの可能性について

今回の札幌療育セミナーの折、参加された、ある子ども塾の講師の方から伺ったことですが、その講師の方が担当されている子どもさんで、広汎性発達障害の診断が出ている子どもさんがいるのですが、最近のその子どもさんの成長を見て、診断を出された、札幌でも有名なその医師が、その子どもさんのお母さんに、「診断を取り消してもいいかもしれない。」と、言われたそうです。これがもし本当であれば、朗報ですね。2才や3才ころ、広汎性発達障害、あるいは自閉症などと診断された子どもさんが、その後成長して、どう見ても発達障害と思われないケースの場合、医師にきちんと診断を取り消す、あるいは変更していただけると、その後の子どもさんの進路、特に就学の時に適切な判断がなされると思います。

2010/08/25(水) 17:58 | izawa

8月29日(土)、午後1時30分から、札幌市社会福祉総合センター(札幌市中央区大通西19丁目1-1)第3会議室で、第5回札幌療育セミナーを開催いたします。内容は次のとおりです。

1 「子どもの発達を考える(4)、自律性、社会性の発達」

 -3才頃から、自分で自分をコントロールする能力が発達します。-

2 「広汎性発達障害に間違われやすいケース~触覚過敏」

 -なぜ、触覚過敏が広汎性発達障害に間違われやすいのか?-

 

費用はお一人2000円。締め切りは8月28日(土)です。参加ご希望の方は、療育教室 楽しい広場まで、ご連絡下さい。

(電話・FAX) 011-811-1757

(メールアドレス)   mail@tanoshi-ryouiku.com

2010/08/04(水) 10:30 | izawa

 7月18日(日)、今年度、第1回釧路療育セミナーを、釧路市生涯学習センター「まなぼっと」で開催いたしました。テーマは「多動やパニックなどの子どもの問題行動の原因は、広汎性発達障害だけではない。」で、2名の保育士の方々に参加いただきました。今回参加された保育士の方々は、市内と管内の保育園にそれぞれ勤務され、昨年度も何度もセミナーに参加された方々で、今回は人数は少なかったtのですが、じっくり協議をすることができました。

 今回は、札幌での第2回親子発達サークルで最初に話をし、その後札幌や旭川の療育セミナーでも話をいたしました、「子どもは皆、いろいろな条件の影響を受けながら発達し、成長していく。」、言い換えると「これらの条件において、何らかのマイナスの影響を受けた時に、子どもの発達の遅れや、問題行動が生じてくる可能性が考えられる。」ということについて、伊澤が説明をし、お二人の保育士の方々の現場に当てはめて、実際のケースについて協議をいたしました。

 ここで強調したのは、確かに子どもさんにパニックや多動などの問題行動や言葉や集団での行動に発達の遅れがあったとしても、その原因は、広汎性発達障害という「発達障害」という医学的な原因だけではなく、実はそれよりももっといろいろな原因が考えられるということです。そして具体的に考えられるものを実際に説明いたしました。詳しくは、このブログの「第2回親子発達サークル」を参照ください。

 そして、もう一つお二人の保育士の方々と協議したのは、発達に不安のある子どもたちの小学校就学時におけるトラブルの事例についてでした。今年度2件、就学した後のトラブルについて相談を受けました。2件とも、子どもさんは、大人との一対一のやりとりは十分できる、しかし、20人、30人という多い人数の中で、先生の指示を聞いてみんなと一緒に行動する、ということがまだ十分にできていなかった、という実態です。そして、そのような子どもさんが、幼稚園の時と同じような感覚で、例えば教室から勝手に出てフリースペースやトイレに行ったり、集団行動しているときに、教師の指示を聞かず、整列したり座っているところから勝手に離れてしまうなどを繰り返すと、学級の他の子どもたちに影響すると言うことで、要注意の子どもになってしまいました。そして、2件とも、特別支援学級への転入の可能性が話題になりました。もちろん、2人とも、知的にも、人との関係性の発達の面からも、特別支援学級の対象の子どもさんではありません。にもかかわらず、このようなトラブルが出てくるのが、現在の大きな問題点です。

 就学時のトラブルについては、改めてじっくり述べていきたいと思います。

 釧路では、10月に2回目の療育セミナーを行う予定です。

2010/08/04(水) 09:50 | izawa

 7月11日(日)、旭川市ときわ市民センターにおきまして、第4回旭川療育セミナーを開催いたしました。テーマは「子どもの発達を考える(3) コミュニケーションの発達」で、保育士、幼稚園教諭の方々7名に参加いただきました。内容の要点は、次のとおりです。

1 コミュニケーションとは?

 人と意図(考えや心の状態)や感情を伝え合うこと。

 

2 人のコミュニケーションの要素

(1)言語理解 

(2)表現能力(どうやって言葉を使っていくか)

(3)コミュニケーションの手段(言葉、声、表情、動作、しぐさなど)

(4)*人の意図を推測する能力

 

3 人のコミュニケーションの特徴

 3才の発達が、人のコミュニケーションを見ていく上で、一つの目安になる。

(1)言葉によるコミュニケーション

→ 「会話」の成立。・・・言葉を使って理解し、考え、言葉を使って表現する。

(2)人の意図(考えや心の状態など)を推測してのコミュニケーション

→ 「人を見て行動する」

    A 人を見て(人によって)行動を変える。~人見知り

    B 相手の様子を見て行動を変える。

    C 周りの状況を見て行動を変える。

(3)複雑で高度なコミュニケーション

→ 「ごっこ遊び」~ものごとの真偽を棚上げしながら、やりとりを進めていく。

*まとめると、人の意図を推測し、TPO(時、場所、状況)に応じて、言葉を中心とした手段を使い分けながら、意図や感情を伝えあっていく、という高度で複雑なコミュニケーションが、人のコミュニケーションの特徴である、と言える。

*上記の(1)~(3)の人のコミュニケーションの特徴のうち、(2)と(3)が、身体的要因が影響してかけているのが、自閉症であり、広汎性発達障害と考えられる。

     

2010/07/13(火) 09:27 | izawa

 7月4日(日)、札幌市社会福祉総合センターにおきまして、第3回親子発達サークルを行い、前回参加していただいたご家族(お父さん、お母さん、5才の女の子、3才の妹さん)の4名の方々に参加いただきました。

 今回は、「子どものパニック」についてがテーマでした。

 

〔1〕問題行動の原因

 パニックなどの問題行動の原因を考えるとき、その可能性として、次の5つを挙げました。

1 知的な発達の大きな遅れ

2 広汎性発達障害(自閉症、アスペルガー障害などを含む)

3 広汎性発達障害以外の身体的、医学的な要因。例えば、以前の病名で言う「微細脳損傷」、あるいは、周囲の大人が気づきにくい程度の視力や聴力の弱さ。

4 医学的な発達障害や疾患ではない、身体感覚の反応の大きな偏り、遅れ。具体的には、感覚過敏、あるいは発達の個人差の範囲以内と考えられる発達の遅れ、幼さ。

5 不適応行動

子どもは、発達段階に応じて、いろいろなことを学習し、経験し、適応していく。その過程の中で、病気や広汎性発達障害など医学的に診断される発達障害ではなく、あくまでも発達の個人差の範囲以内で、子どもに何らかの発達の不十分さが生じたり、あるいは学習や経験の仕方が適切でないことによる、適応がうまくできていない状態としての不適応行動。原因としては、今のところ次の5つが考えられる。

(1)子どもの何らかの発達の未成熟。(例えば:言葉の発達、自律性、コミュニケーション能力など)

(2)発達の未成熟による経験の少なさ。(例えば、コミュニケーションの能力の未発達による、他の子や大人に対する言葉での表現の経験の少なさ、等)

(3)子どものそれまでの生活経験の仕方(例えば、家ではほとんど怒られた経験がない、母親とのコミュニケーションの時間が少ない、等)

(4)育てる側の働きかけの仕方(例えば、親がとてもスパルタ的に厳しく育てる、あるいは、ほとんど親が叱ることがなく育てる、等)

(5)生活する上での環境の影響(例えば、何らかの理由で一日の多くを祖父母のところで過ごす、父母の勤務の時間帯のづれで、父母と一緒に過ごす時間が極端に少ない、等)

 

〔2〕パニックの原因

 パニックの原因が上記のうち、不適応行動と考えられる場合、具体的な原因が少なくとも2つ考えられる。

(1)自律性の未発達

  3才ぐらいから発達していく「自律性」、つまり「自分で自分をコントロールして行動する能力、言い換えると「自己主張と自己抑制のバランスをうまくとれる能力」がまだ、十分に発達していない場合。自律性を伸ばしていくためには、一日の生活の中で、時間は短くて良いので、自分を抑制する場面と、自己主張する場面を意図的に設定し、その代わり毎日それを継続して行っていく。例えば、幼稚園や保育園で、午前中遊んだ後の後かたづけを毎日必ず行い、その代わり、昼食後大好きな絵本を読んでもらう。(この場合、他の子が一緒でもかまわない。)などである。

(2)情緒性の未発達

  楽しい、うれしい、悔しい、悲しい、嫌だ、などの感情表現の仕方が未熟な場合。ボキャブラリーが少ない、相手や場面に応じた感情表現がうまくできない、と言うことを意味している。特に母親とのコミュニケーションを多くして、コミュニケーションの量を多く経験していくことが必要と考えられる。

 

〔3〕子どもの成長と医師の診断

 今回参加された5才の女のお子さんは、前回の報告にも書いてありますが、言葉を話すようになったのが4才ぐらいからで、3才ころ、医師から広汎性発達障害の診断を受けました。しかし、現在は言葉の発達、人とのコミュニケーション、認知的発達など、大きく成長し、同じ生活年齢の発達段階の範囲にあります。前回、伊澤がお父さん、お母さんに、このお子さんは広汎性発達障害の可能性はないと言うことを申し上げましたが、その後、診断をされた医師による定期的な検診があったそうです。その折、ご両親が「現在の自分たちの子どもの発達の状態を考えても、やはり発達障害ですか?」と医師にたずねたそうです。そうしたところ、その医師は、「私はそう見ます。」と答えられ、現在においても、この女のお子さんが広汎性発達障害である、という診断です。

 「発達障害」というのは、身体的に発達を阻害するなんらかの要因があって、それが3才、5才、10才、15才、18才とその発達の過程において常にその影響を与え、発達に大きな遅れが出てくることを意味します。この女のお子さんの場合、もし発達障害の一つである広汎性発達障害であるとしたら、今でも大きな発達の遅れがなければいけませんが、実際は4才頃言葉が出だしてから、認知面を始め、全体的に急速に、大きく発達を示し、現在では同じ生活年令の発達段階の範囲に入っています。広汎性発達障害という発達障害であるということは、同じ生活年令の発達から、コミュニケーションの発達や自律性や社会性の発達の面で、現在も大きく遅れていなければなりません。

 このように、言葉が出だしてから急速に認知的発達を中心に全体的な発達が大きく伸びたこと、そして、現在、全体的な発達の実態が同じ生活年令の発達段階にいる、という2つの点から、以前の発達の遅れの原因は、広汎性発達障害ではなく、別の原因であったと考えられます。この、女のお子さんの場合は、感覚過敏による、認知や言葉の遅れがあったのが、4才ころ感覚過敏が収まってきて、それを契機にするかのように言葉が出だし、他の発達も大きく伸びてきた、と推察できます。

 医師の診断で、親御さんは大きな不安をもつことになります。少なくとも、発達障害を診断した子どもさんが、急速に発達をし、現在、同じ生活年令の発達段階にある場合は、発達障害と診断する上での重要な基準である、「生活する上で大きな不適応を生じる発達の遅れ」は、当然ないと考えられますので、現在の段階では発達障害の可能性はない、と説明し、適切なフォローをしていただきたいと、思います。血液検査などでの明確な診断の手段がないのですから、そのような親御さんに対する対応は、当然、必要と考えます。

2010/07/08(木) 10:21 | izawa

 先日、7月4日(日)に親子発達サークルを行いました。その後のスケジュールです。

○7月11日(日)   第4回旭川療育セミナー(旭川市ときわ市民ホール)

 テーマ「子どもの発達を考える(3)  コミュニケーションの発達」

  -キーワードは「人を見て行動してますか?」-

 

○7月18日(日)   第1回釧路療育セミナー(釧路市生涯学習センター「まな

            ぼっと」)  → 年3回の内の第1回目です。

 テーマ「広汎性発達障害だけが子どもの問題行動の原因ではない」

 

○7月25日(日)   第4回札幌療育セミナー(札幌市社会福祉総合センター)

  テーマ「子どもの発達を考える(3)  コミュニケーションの発達」

  -キーワードは、「人を見て行動してますか?」-

 

詳しくは、「療育セミナー」のコーナーをご覧ください。

   

2010/07/06(火) 11:10 | izawa

 6月27日(日)、札幌市社会福祉総合センターにおきまして、第3回札幌療育セミナーを開催いたしました。テーマは、20日に行われました、第3回旭川療育セミナーと同じ「子どもの発達を考える(3) 言葉の発達」 -言葉の遅れは、発語の遅れ。そしてその原因は?、で行い、8名の方々に参加いただきました。内容につきましては、第3回旭川療育セミナーの報告をお読みください。

2010/07/06(火) 09:27 | izawa

 6月20日(日)、旭川ときわ市民センターにおきまして、第3回旭川療育セミナーを開催いたしました。「子どもの発達を考える(2) 言葉の発達」-言葉の遅れは、発語の遅れ。そしてその原因は?-をテーマに行い、10名の方々に参加いただきました。

 内容は、大きく2つに分かれました。

〔1〕子どもの問題行動の原因を明らかにする上での、「前提」となる認識(理解)について   

→ 「子どもはみな、いろいろな条件の影響を受けながら発達し、成長していく」

〔2〕言葉の発達と遅れについて

  このうち〔1〕については、6月6日(日)に行いました、第2回親子発達サークルの内容と同じです。別途、参照ください。

 

 さて、〔2〕の「言葉の発達と遅れ」についてです。その要点を、書き記します。

1、「言葉が発達する」とは?

 通常、子どもは3才頃から言葉によるやりとり、つまり「会話」が成立する。そのときの「言葉が発達する」ということには、次の3つの要素が考えられる。

(1)言葉を理解する。

  →認知的な発達が十分なレベルまで発達することが必要である。

(2)言葉を発声する。

  → それまでの日常生活の中で声が出ていること、更に、食べるときに良く咀嚼をして、発語をするための筋肉や機能を高めることが必要である。

(3)言葉を使う。

  → 言葉に加え、「自分の意図を伝える」「人の意図を読みとる」という、コミュニケーション能力の発達を合わせて、「言葉を使ったコミュニケーションをする」能力の発達が必要である。

 

2 言葉の発達が遅れると言うことは、どういうことか?

 幼児期において、「言葉の遅れ」を心配するとき、ポイントとなるのは「発語」である。「発語がない」「発語が遅い」「発語が少ない」「おおむ返しが多い」などである。しかし、言葉の発達を見ていく場合、基本的に「認知的な発達」「コミュニケーション能力の発達」、そして、「発語」の3つを考えなくてはならない。

 言葉の発達を見ていくときに、一つの目安になるのが、3才の発達段階である。つまり、「会話が成立する」「言葉の世界に入る」と言うことである。この3才の発達段階になるためには、認知的発達、コミュニケーション能力の発達、そして発語の3つの発達がそろわなければならない。つまり、言葉の発達の遅れがあるかどうか把握するとき、ポイントとなるのは「発語」であるが、言葉の発達の実態を把握するためには、あくまでも「発語」の他に、「認知的発達」と「コミュニケーション能力の発達」を把握しなければならない、ということである。言い換えると、「発語」が遅れているということは、基本的に「認知的発達」と「コミュニケーション能力の発達」も遅れている、考えられるのである。

 

4 認知的な発達と言葉の発達の関連

 言葉の発達の、特に重要な基盤となるのが「認知的発達」である。その中でも、前回の認知の発達の中のポイントであった、「象徴機能」とそれを使った「表象作用の発達が、言葉の発達に欠かすことができない。ここでは、そのポイントを、もう一度まとめてみる。

(1)乳児期の感覚運動動作(シェマや循環反応などによって起こる動作)が、「内面化」(目の前になくても、頭の中で思い浮かべる)されることによって、思考活動につながっていく。  → 重要となるのが「延滞模倣」(1才半ころ)の出現

(2)「内面化」に始まる、「あるものを他のもので表現する」という、「象徴機能」の発達こそが、それまでの感覚運動的なこうどうに代わって、子どもの精神機能を質的に転換させるものである。そして、その象徴機能の代表的なものが「言葉」である。

(3)言葉に代表される象徴機能を使い、実物を離れ、頭の中でいろいろ描いたり、筋道を立てたり、分類したり、関係を操作したりするようになる。これを「表象作用」といい、認知的な発達の重要な機能であり、理解したり、考えたりすることにつながっていく。つまり、言葉が発達するためには、象徴機能の発達と、その象徴機能を使っての「表象作用」の発達が不可欠なのである。

(4)言い換えると、「言葉の発達が遅れる」ということは、これらの象徴機能を使っての表象作用の発達が遅れていることに、基本的な影響を受けている、と考えられる。

 

5 言葉の発達の遅れの範囲

言葉の発達の遅れには、大きな発達の遅れ(1才半以上)と発達の個人差の範囲の遅れ(1才以内:つまり、同じ生活年令の発達の範囲以内と考えられる)の2つが考えられる。それを判断するためには、発語だけではなく、認知的発達、コミュニケーション能力の発達など、知的な発達全体の実態を把握する必要がある。

  

2010/07/02(金) 07:26 | izawa

 療育教室 楽しい広場では、7月の1ヶ月間、サービス月間として、初回の療育相談を無料で行います。お子さんの発達に不安をお持ちの方、どうぞ、一度おいでください。お子さんの発達の不安の原因、これからの育て方について、具体的にお子さんの発達をチェックした上で、それを基に説明をいたします。お問い合わせは、

  〈電話・FAX〉  011-811-1757

  〈メールアドレス〉  mail@tanoshi-ryouiku.com

でお寄せください。専任相談員の伊澤がお話を伺います。たくさんの皆様のお役に立ちたいと願っております。

2010/06/18(金) 10:35 | izawa

 6月11日(金)、札幌市豊平区にあります、発達支援センター「悠悠クラブ」におきまして講演をさせていただきました。テーマは「言葉の遅れと親子のコミュニケーション」でした。以下、主な内容を書き記します。

 

1 「言葉が発達する」とは?

 通常、子どもは3才頃から、言葉によるやりとり、つまり「会話」が成立する。そのときの「言葉が発達する」ということには、次の3つの要素が考えられる。

(1)言葉を理解する。

  → 認知的な発達が十分なレベルまで発達することが必要である。

(2)言葉を発する。

  → それまでの日常生活の中で、「声」が出ていること、更に、食べるときによく咀嚼をして、発語をするための筋肉や機能を高めることが必要である。

(3)言葉を使う。

  → 言葉に加え、「自分の意図を伝える」「人の意図を読みとる」という、コミュニケーションの能力の発達を合わせて、「言葉を使ってコミュニケーションをする」能力の発達が必要である。

 

2 子どものコミュニケーションと言葉の発達の流れ

〈6ヶ月〉     ・意図的な身振りコミュニケーションの出現 →何かを伝えたい

〈10ヶ月〉    ・「指さし」の出現 → 3つの意味を含んでいる。(言葉、コミュ

           二ケーション、他者との注意の共有)

〈1才~〉     ・有意味な「言葉」を発するようになる。

           → 「マンマ」と言ったり、「アイ」と言って、お母さんにおもちゃ  

              を渡すなど。

〈1才6ヶ月~〉  ・ものの名前(名詞)を急速に覚えていく。(命名の爆発)

           ・おおむ返し(反響言語)の出現

           → 連続的な音の流れの中から、意味をもつ単語だけを選択

              に模倣する。

              (例)おやつを食べるとき

                 母親「どうぞ」   →   子ども「ドウゾ」

                    「おいしい」  →      「おいしい」

                    「ありがとう」  →     「アリガトウ」

          ・「心の理論」の発達

             『田中さんは、【天気予報は雨だ】と思い、【濡れたくない】  

              と望んだので、傘をもってきた。』

                        ↓

             人の心の状態を推定し、それに基づき人の行動を解釈し 

             予測する能力。(目に見えない心の状態を推測し、行動を 

             予測するので、「理論」と呼ばれている。)

                        ↓

           他の人の行動から、意図(考え、心の状態など)

           を推測する能力の発達

  

〈2才~〉      ・発語器官の機能はほとんど成人並になる。

           ・構音(一つ一つの発音)が正確になり、他人に通じる程度に

            なる。

           ・よくしゃべる、絶えずしゃべる。

           ・身体の名称の理解ができる。

 

〈3才~〉     ・一般的なものの名前をほとんど言える。

    ・「言葉での会話」が成立する。「言葉の世界」になっていく。

             → 動詞、形容詞が分かる。

               二語文、三語文で話す。

          ・「ごっこ遊び」の出現

             → 人や周りの状況を見ながら、物事の真偽の判断を棚

               上げしつつ、想像的な活動をして遊ぶ。

 

〈4才~〉     ・「内言」の出現

             → 音声を出さなくても、頭の中野言語だけで考える。

           ・一文を正しく言える。

           ・発音がほとんど間違わない。

           ・頭の中で考えていることや、知ろうと思っていること、経験し

            たことを話す。

 

3 「言葉の発達が遅れる」とは、どういうことか?

 幼児期において、「言葉の遅れ」を心配するとき、ポイントとなるのは「発語」である。「発語がない」「発語が遅い」「発語が少ない」「おおむ返しが多い」などである。しかし、言葉の発達を見ていく場合、「認知的な発達」「コミュニケーション能力の発達」、そして「発語」の3つの要素を考えなくてはならない。

 言葉の発達の一つの目安になるのが、3才の発達段階である。つまり、「会話が成立する」「言葉の世界に入る」と言うことである。この、3才の発達段階になるためには、「認知的な発達」「コミュニケーション能力の発達」、そして、「発語」の3つの発達がそろわなくてはならない。つまり、言葉の発達の遅れがあるかどうか、把握をするとき、ポイントになるのは、「発語」であるが、言葉の発達の実態を把握するためには、あくまでも、「発語」のほかに、「認知的発達」と「コミュニケーション能力の発達」を把握しなければならない、ということである。言い換えると、「発語」が遅れている、ということは、基本的に「認知的発達」と「コミュニケーション能力の発達」も遅れている、と考えられるのである。

 言葉の発達の遅れには、大きな発達の遅れ(1才半以上)と、発達の個人差の範囲の遅れ(1才以内:つまり、同じ生活年令の発達の範囲以内と考えられる)の、2つが考えられる。それを判断するためには、「発語」だけではなく、「認知的な発達」「コミュニケーション能力の発達」などの、知的な発達全体の実態を把握する必要があるのである。

 

このほかに、「親子のコミュニケーション」につきましては、5月に行った、愛育保育園での講演の内容を話しました。