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2007/09/21(金) 09:48 | izawa

 このたび、楽しい広場では、10月21日(日)、9時30分~12時00分、第2回 楽しい広場 療育セミナーを開催いたします。今回のテーマは、「3才を目安とした言葉の遅れと発達の見方」です。場所は、札幌市社会福祉総合センターで行います。詳しくは、このホームページの、「事業の内容」の中に載ってありますのでご覧ください。たくさんの方々のご参加をお待ちしております。

2007/09/15(土) 02:23 | izawa

子どもの自律性の発達の把握について

○自律性の萌芽の時期(0才~3才)

 この時期に関しては、親や療育者などの外部からの命令や禁止を、「内在化」するプロセスを経ているか、ということ、それを別の面から見ると、自分と他人を区別することができるかどうか、というjことを判断する必要がある。意味が分からないけれど、親や療育者が言う「○○をしてはいけない」、ということが分かって行動していれば、自分以外の相手を意識して行動」するという意味から、自分と他人を区別することができている、と判断できる。

 

○自律性の形成と伸長の時期(3才~6才)

この段階については、子どもが相手の人、周りの人、場面の状況に応じて行動を変えることができるのであれば、自律性がある程度身に付いていると判断している。更に、成長をするにしたがって、いろいろな人間としての一般的な物事の善悪や是非を理解していくことにより、社会性が身に付いてくるのである;

2007/09/14(金) 09:15 | izawa

2 自律性の形成と伸長(3才~6才)の時期

 この時期については、発達心理学の立場をもとに自律性の形成と伸長を考えてみる。

 子どもが3才ぐらいまでに、外的な命令や禁止を自分のものとして「内在化」していくことにより、子どもは自分と他人とを区別する心理的プロセスを経ることになる。この「自分と他人を区別する」ということが、自律性、更には社会性を形成し伸長していくうえで、とても重要な要素になってくる。そして、本来、自律性の発達の前提となるのが、生後1才ころから初歩的な形で芽生えていく「心の理論」の発達である。つまり、「人の心の状態を推定し、それに基づき人の行動を解釈し、予測する能力」の発達である。

 更に、3~4才ぐらいから、認知面の発達においては、イメージをもつことによって言葉の世界に入り、自分と他人とのいろいろな面での違いを理解したうえで自己主張・自己実現と自己抑制のバランスをとりながら、自分の行動をコントロールすること、つまり自律性が急速に伸長してくるのである

 

★次回は、自律性の発達の把握について、述べます。

2007/09/13(木) 05:51 | izawa

今回は、「知的な発達」の4つ目の要素である、「自律性」の発達について述べます。 

 子どもが人間として生きていくうえで重要な「社会性」の基盤になるのが、「自律性」の発達である。自律性とは「自分で自分をコントロールして行動する能力」である。

1 自律性の萌芽「0才~3才)の時期

 この時期の自律性については、エリクソンの発達理論をもとに考えていきたい。

 子どもは、生まれてから乳児の段階までは、親の保護のもとに、自分の欲求を満たされ、安心感の中で過ごしている。しかし、ハイハイをしたり、座位をとったり、その後歩いたりすることにより、生活の活動の範囲がだんだん広がっていく。そして、その活動の範囲が広がっていくにつれ、子どもが危険な場所や状態のところへ近づいたり、他の人に迷惑をかけるような場面も増えてくる。そういうとき、親が言うべきことになる、「外からの命令や禁止」が生じてくる。そして、それを繰り返すうちに、子どもは、親が言う、外からの命令や禁止の意味は分からないが、「○○はしてはいけない」ということが分かってくる。

 このことをエリクソンは、親が言う外からの命令や禁止を、幼児が自分のものとして「内在化」していくプロセスであり、そして、それは「自律性形成のプロセスである。」と位置づけ、これを「躾(しつけ)」と呼んでいる。

 しかし、幼児にとって、外的な命令や禁止を自分のものとし「内在化」していくプロセスは複雑であり、それほど容易なものではない。幼児にとっては躾という、外からのコントロールは、それまでの親の保護のもとに、自分の欲求に従ってすべてが満たされていた「万能感」を深く傷つけるものである。

 つまり、「躾」とは、、幼児の万能感に根ざした欲求を遮断し、成人側、つまり外部からの圧力によって幼児の行動をコントロールし、外部に従わせるものである。従って、外部からコントロールは、不安や恐怖ではなく、安心感を与えるようなものとなっている必要がある。

 また、この躾において重要なことは、躾とは「自分と他人とを区別する心理的プロセス」でもある、ということである。

★ 次回は、自律性の形成と伸長(3才~6才)の時期について述べたいと思います。

 

2007/09/10(月) 12:32 | izawa

1 コミュニケーションとは

 サイン(記号)かシンボル(象徴)が介在することによって、内容が相手に伝えられ、結果として相手の態度や行動に影響を与える作用、またはプロセス(過程)。

2 コミュニケーションに必要な要素

(1)人への意識 → 前回の「人とのかかわりの発達」を参照。

(2)認知的な枠組みの獲得

                《認知的な枠組み》

                    刺 激

       【Xさん】   → → →   受 容   【Yさん】

               ← ← ←   反 応

                    応 答

            (外界に働きかける、外界を操作する)

3 コミュニケーションの手段

   言葉、動作、文字、表情、声、音、視線など。

4 コミュニケーションに関する行動の偏り(人や物などの環境との関係行動において

 幼児期における外界からの刺激に対する反応が弱かったり、反応が少なかったりすると、感覚運動の統合不全(感覚のネットワークが十分に広がらない)を生じ、それにより、周りの環境からの刺激を十分に理解できず、対処方法が分からず、不安や緊張が生じ、それが感覚や知覚の過敏を引き起こすのではないか、と考えられる。そして、それらの過敏が「頭を振る」「嘔吐をする」「2才頃のかんしゃく」「パニック」など、人や物など周りの環境との関係行動の偏りを生じさせたのではないか、と考えられる。  

★次回は、「知的な発達」の4つ目の要素である、「自律性」の発達について述べる予定です。                     

2007/09/10(月) 01:43 | izawa

 今回は、「知的な発達」の3つ目の要素である「人とのかかわり・コミュニケーション」のうち、人とのかかわり(人への意識)の発達について、ポイントとなる発達年令における内容を述べていきます。

(発達年令)         (発達の内容)

● 5才4ヶ月~  「指さしの出現」

            ①注意の共有

              ・他者は注意を共有できる、心の状態を共有できる存在

               →  相手とコミュニケーションを取りたいという意味が

                  含まれている。

            ②適切なタイミングでその人の顔を見る。

              ・手に届かないところにあるおもちゃを取りたいとき、そ

               の方向を指さしたりしながら、子どもの視線はおもちゃ 

               と養育者を行ったり来たりし、養育者が自分の意図し

               たものをとらえているかどうか、確かめているかのよう 

               にする。

 ●1才0ヶ月~  『心の理論』の発達(ウタ・フリス)

          「田中さんは、〈天気予報は雨だ〉と思い、〈濡れたくない〉と望ん

           だので、傘をもってきた。」

                ↓

        *人の心の状態を推定し、それに基づき人の行動を解釈し、予測

         する能力。(目に見えない心の状態を推測し、行動を予測するの

         で、「理論」と呼ばれる。)

           → 通常は、生後2年目に入ってから、初歩的な形で姿を現し

             次第に洗練された成人の心の理論まで発達していく。

●1才6ヶ月~  SHOWING(他の人に物を持って行って見せる。)の出現。

●2才6ヶ月~  傍観あそび

           → 他児に関する関心が高まり、あそびを傍観したり口を出

             す。

●3才0ヶ月~  ごっこあそび

           連合あそび

           → お互いにおもちゃのやりとりをして、同じようなあそびをす

             る。仲間の行動や存在そのものに直接的な関心を寄せる

             段階。

●4才0ヶ月~  協同あそび

           → 共通の目的のために、役割を分担した組織的なあそび。

             簡単なルールのある鬼ごっこや、ゲーム形式の運動あそ

             びが上手にできる。

●5才0ヶ月~  集団での活発な運動あそび

 

★次回は、コミュニケーションの発達の把握について述べる予定です。    

2007/09/09(日) 01:38 | izawa

 ここで、再度確認しておきたいのですが、「知的な発達」を考えていくとき、4つの要素が考えられます。

1 年令相応の認知的な発達をしているか。

2 年令相応の言葉が出ているか。

3 年令相応の人とのかかわり、コミュニケーションができているか。

4 年令相応の自律性が育っているか。

前回は、そのうちの認知的な発達の把握について述べました。今回は、言葉の把握について述べます。

 

 3~4歳児において、知的な発達の面で遅れがあるとき、一番その影響が出るのは「言葉」です。

 「言葉が出る」ということは、認知的な発達が十分なレベルまで到達していなければできません。言葉と認知的な発達とが密接な関係にあることは、これまでに述べたとおりです。 逆に言うと、認知的な発達が不十分なのに、言葉があふれ出るということはあり得ません。つまりは、認知的な発達、発声する力、人とかかわる力などいろいろなものが結びついて「言葉が出る」と考えられるのです。

 そして、言葉という面から言うと、次の内容が獲得できていることで正常な発達をしていると考えられます。

《3歳児》 ・一般的なものの名前がほとんど言える。

      ・筋のある話ができる。

      ・基本的な動詞、形容詞が分かる。

      ・短期記銘力が伸び、文章の表現力が飛躍的に伸び、会話が続くよう  

       になる。 

 

《4歳児》 ・「内言」が出現する。~音声を出さなくても、頭の中の言語だけで考          える。

       ・一文を正しく言える。

       ・構音発達がほぼ完全で、発音がほとんど間違わない。

       ・頭の中で考えていることや、知ろうと思っていること、経験したこと    

        を話す。

★次回は、「知的な発達」の3つ目の要素である、「人とのかかわり・コミュニケーション」の発達の把握について述べたいと思います。 

 

2007/09/08(土) 01:04 | izawa

《目的》

 幼稚園の入園前の母子面接(10分程度)をとおして、入園後の保育・指導が適切に行われるために、知的な発達に遅れをもつ、あるいは他の発達障害をもつ可能性の高い子どもを把握する。

→ 短時間の面接では細かくは見られないので、明らかに知的な発達に遅れがあると思われる子どもを把握する。(割合的には100人に1~2人程度)

→ 二次的なものとして、知的な発達の面では遅れはないが、年令相応の適応行動(場面に応じた行動:特に、言葉がけを聞いて行動する、簡単な受け答えをするなど)に問題がある可能性をもつ子どもを把握する。

 

《方法》

Ⅰ 3歳児

1 具体的方法

 日常的に身近なものの絵カードを8枚用意し、「絵カード遊び」をしながら子どもに絵カードの名前を言わせる。遊び感覚で進める。

2 準 備

 絵カード8枚

  (1)鉛筆      (2)靴   (3)犬(動物)   (4)信号

  (5)飛行機(乗り物)   (6)りんご(食べ物)  (7)傘   (8)はさみ

3 評価の基準

   ・言葉が明瞭に出ている。

   ・ものの名前を正しく言うことができる。

4 留意点

(1)言葉を言わせる、つまり言葉(表出言語)を確認することが第一である。

(2)言葉が少ない場合は「○○はどれ?」と、子どもが絵カードを指差すように 質問を変える。それでも正しくできない場合は、注意を要する。

(3)子どもが落ち着きのない場合、上の(1)(2)ができていれば、適応行動の面で問題がある可能性はあるが、知的な発達の面では問題はないと思われる。

 

Ⅱ 4歳児

1 具体的方法

 日常的に身近な動作の絵カード(文カード)を6種類用意し、「絵カード遊び」をしながら、子どもにその動作を言わせる。

2 準 備

  動作の絵カード6枚。

(1)ボールを投げる。    (2)水を飲む。   (3)自転車に乗る。

(4)ゴミを捨てる    (5)手を洗う    (6)ご飯を食べる

3 評価の基準

  ・言葉が明瞭に出ている。

  ・動作の様子を正しく言うことができる。

4 留意点

(1)言葉を言わせる、つまり言葉(表出言語)を確認することが第一である。

(2)言葉が少ない場合は、「○○をしているのはどれ?」と、子どもが動作の絵 カードを指差すように質問を変える。それでも正しくできない場合は、3歳児と同様の絵カード遊び(絵カードの名前を言わせる)を行う。評価の基準は、3歳児と同じである。3歳児の絵カード遊び(絵カードの名前を言う。)もできない場合は、知的な発達の面で注意を要する。

(3)子どもが落ち着きのない場合、上の(1)(2)ができていれば、適応行動の面で問題がある可能性はあるが、知的な発達の面では問題はないと思われる。

 

★次回は、知的な発達を把握していく上での、言葉の発達の把握について述べたいと思います。

2007/09/06(木) 01:00 | izawa

前回、示した具体的な認知的発達段階の中で、幼児期において中心となる「弁別」の段階(1才6ヶ月~3才)と「知覚」の段階(3才~4才)については、絵カードを使って学習しながら、認知的な発達段階を把握していく。絵カードは、市販されている、日常生活で身近な物を取り上げているものを使用する。

1 「弁別」の段階(1才6ヶ月~3才)

 「弁別」の段階の学習を行うとき、「弁別」の段階を更に細分化し、4つの段階に分け、それに沿って絵カードを使い学習していく。なお、この細分化については、アメリカのワシントン大学プログラムを参考にしている。

(1)弁別の段階

① マッチング(同じものを合わせる)

②ポインティング(指さし)

③分類(種類や用途によって分ける)

④命名(名前を言う)

 

(2)各段階ごとの具体的な学習の進め方

①マッチング(同じものを合わせる)

 子どもと机をはさんで向かい合わせに座り、子どもの前に絵カードを2~6枚程度並べ、それらと同じ絵カードをカラーコピーなどを使ってもう一組用意する。そして、並べた絵カードの中の1枚と同じ絵カードを指導者が子どもに示し、それと同じ絵カードを子どもに選ばせる。

②ポインティング(指さし)

 絵カードを2~6枚程度を机の上に並べておく。そして、子どもは、指導者が「○○はどれ?」と名前を言ったものと同じ絵カードを指さす、あるいは絵カードを取る。

③分類(種類や用途で分ける)

 絵カードを5~6枚机の上に並べ、「食べ物はどれ?」「動物はどれ?」「乗り物はどれ?」「雨が降ったときに使うものはどれ?」「紙を切るときに使うものはどれ?」など、種類や用途について指導者が子どもに質問し、該当する絵カードを子どもが指さしたり、取ったりする。

④命名(名前を言う)

 日常生活で身近なものの絵カードを子どもに示し、「これは何?」と質問し、それに対して子どもは「○○」と答える。分類はクリアできたが表出言語がない子どもについては、ポインティングのカードの種類を増やし、ここの段階はとばして次の「知覚」の段階に進む。

 

(2)「知覚」の段階(3才~4才)

 この段階になると、市販の文カード(絵も入っている)を使い、「赤いかさ」「大きい木」「硬い石」などの形容詞や、「手を洗う」「自転車に乗る」「ご飯を食べる」などの動詞を言わせたり、言うことができない子どもにはカード選ばせたりして、その実態を把握していく。また、表出言語がある子どもについては、動詞や形容詞が理解できていれば、二語文が話せる可能性が高い、と考えられる。

 

*次回は、具体的な事例として、幼稚園の入園前の母子面接における、絵カードを使った、認知的な発達を中心とした、知的な発達を把握する具体的な方法を紹介する予定です。

2007/09/01(土) 00:19 | izawa

 認知的な発達を判断するために、ピアジェの認知発達論を基本に置きながら、具体的には、マクドナルドとチャンス(Mcdnald.T.and Chance.B)の言語発達の基盤に関する理論を具体的な基礎理論と位置づけ、それを基に、認知的な発達段階を次のように分ける。なお、ここでは、参考文献として柚木馥・白崎研司著「ことばを育てる3:思考力を育てる」コレール社(1994年)を用いている。

1 認知的な発達段階(0才~6才)

(1)感覚・運動(0~1才半)

 自分の手で触れたり、見たり、聞くということにより、周りからの刺激に気付く。 

(2)弁別(1才半~3才)

 周りの対象を手で触れたり、振ったり、たたいたり、投げたりする経験を繰り返すことで、対象間の差異(違い)を発見することである。AとA´は似ているが、AとBは違う、ということである。

(3)知覚(3才~4才)・・・・・この段階から「言葉の世界」になっていく。

 感じたことに意味が与えられることを「知覚」という。対象間の違いが言葉で定義づけられることで、「概念」として形成され、発達していく。言葉での概念ができてくると、それを使って判断したり、推理するようになる。

(4)言語概念(4才~6才)

 感じたことに意味が与えられる、という知覚の経験によって、それらが言語での概念として統合され、思考やコミュニケーションの道具として使われる。

 

※この言語概念形成までのプロセスを、具体的に「犬」という概念で説明すると、

1)子どもがいろいろな犬に何度も出くわし(感覚・運動)

2)その経験の中から、色・大きさ・耳の形・脚の形・鳴き声という特徴を認識し、        それぞれの犬を弁別し、表象する。

3)「犬」という全体に共通した特性を抽出し、表象する。これが「概念化」であり、思考の重要な作用である。この「概念化」が言葉による思考を可能にさせている。

★次回は、絵カードを使った、具体的な認知的発達段階の把握の方法について述べたいと思います。