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ブログ

2019/12/10(火) 13:04 | izawa

 12月22日(日)、12月2回目の個別療育相談、ことば伸び伸び教室の日です。

 言葉が遅い、多動、落ち着きがない、聞いたことを理解していない、自分の世界に入る、思い通りにならないとすぐ手が出るなどのお子さんの発達の不安に関して、障害以外から原因を考え、その原因に応じた適切な働き掛けを行って、発達の不安を改善していきます。

 発達の不安に関しては、障害以外にたくさんの原因があるんです。そして、その改善の方法ももちろんあります。お子さんの発達の不安をきちんと改善していきましょう。

 当日の会場は、札幌市社会福祉総合センター(札幌市中央区大通西19丁目)第1会議室、時間は9:00~16:00、料金は1時間3000円です。電話あるいはメールで、お問い合わせください。

 (療育教室 楽しい広場:代表 伊澤)

  電話  011-896-3204

  メールアドレス  tanoshi:ryouiku@gmail:com 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019/12/09(月) 13:24 | izawa

 お子さんによっては、幼児期から初めて会う人に対する不安感、緊張感がとても強いお子さんがいます。発達的には、ハイハイをし出す6か月くらいから2才・3才くらいの間に、お母さんやお父さん、更には家族の人たちとの愛着関係(緊密かつ情緒的な結びつき)が深くなるにつれ、家族などの見慣れた対象以外の見知らぬ人の働きかけには、かたくなに応じなかったり、恐れとか逃避の反応を示すようなことも生じてきます。

 しかし、3才過ぎるころから、愛着関係の対象が家庭外の人物や仲間などに幅広くなるにつれ、不安感や緊張感は薄らいでいきます。しかし、3才を過ぎ4才、あるいは5才くらいになっても、人見知りや人に会う時の緊張感が強いお子さんがいます。
 では、このようなお子さんたちの障害以外の原因を考えてみましょう。まず一つは、上記の6か月から2才・3才くらいの間の時期の、家族などの見慣れた人以外の人に対するかたくなさや不安を、それ以降も何らかの理由で引きずっているのではないかということ、そしてもう一つは、発達心理学でいう「気質」が影響しているのではないか、ということです。「気質」とは、子どもさんが持っている「生得的な個性」という意味で、具体的には、ストレス耐性、苦痛の感じやすさ、泣きやすい、恐がりやすい、ぐずりやすい、などです。
 幼児期、4才、5才、6才になっても人見知りが強かったり、緊張感が強かったりするお子さんは、上記の理由、あるいはその二つが重なり合って、そのような状態になるのではないかと考えます。
 そして、人見知りが強かったり、緊張感が強い子どもさんは、コミュニケーションの経験がどうしても少なくなるので言葉が遅くなると考えられます。

 改善の方法としては、大人が不安や緊張感を取ってあげて、接していくことを積み重ねることだと考えます。これまでに、療育教室 楽しい広場にも何人か来られましたが、大人が不安感や緊張感をなくして、安心した状態で接し、コミュニケーションをすることによって、人見知りや緊張感はなくなっていきました。つまり、障害ではなかったということですね。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019/12/08(日) 11:48 | izawa

 ご家庭の事情で、お子さんが一日の多くの時間を、祖父母のご家庭で過ごす場合があると思います。その場合も、言葉が遅くなることがあります。それは、前回の「のびのび育てる」と同じ原因です。つまり、「子どもの嫌がることをしないようにする」ためです。その場合、二つのケースが考えられます。
(1)おじいちゃん、おばあちゃんが孫のエネルギーについていけず、好
  きなようにさせている場合。
(2)孫がかわいくて、孫がやりたいようにさせている場合。
 どちらにしても、こういう場合、お孫さんは毎日やりたいように遊び、
 過ごすわけですが、ここでの問題点は、「のびのび育てる」の時と同じ
 で二つあります。ひとつは「自分を抑える経験」をほとんどしていない
 ので、幼稚園や保育園などでの集団生活でトラブルが起きる可能性が高
 いということ。そしてもう一つは、毎日の生活で自分の思い通り行動し
 ているので、しゃべる必要がないということです。しゃべる必要がなけ
 れば、当然言葉は遅れてきます。

 改善の方法としては、日常生活の中で「できないこと」「ダメなこと」などの場面で「我慢する」「待つ」などの「自分を抑える経験」をさせ、そういう時はお孫さんもしゃべる必要がありますので、会話をする経験になります。もう一つは、積み木やブロックなど物を使って、お孫さんと遊ぶことです。ここでも、遊んでいればしゃべる機会も増えてきます。
 ただ、これらのことについては、お母さん、お父さんと祖父母とで、話し合って確認をすることが必要ですね。

 

 

 

 

2019/12/05(木) 11:33 | izawa

 お子さんをのびのび育てよう、あるいは現在育てているという親御さんもたくさんいらっしゃることと思います。「のびのび育てる」ことのどこが問題なのでしょう?

 「のびのび育てよう」とするとき、陥りやすい問題点があります。「のびのび育てる」ことを、「子どもの要求や意図に添って育てる」ことと考えてしまう場合です。

 例えば、子どもが毎日、気持ちよく、元気に、喜びがたくさんあるように過ごしてほしいと、親御さんが願い、育てようとしたとき、「子どもが嫌がることをしない」ように育てようと考えるかもしれません。いつも、子どもの笑顔を見ていたいのでしょう。しかし、普通子どもが成長し、生活の範囲が広くなると、お母さんの意図や考えと子どもの考えが一致しない場面が当然出てきます。

 例えば公園で遊んでいて、お母さんはもう時間だから帰らなくてはならないと子どもに伝え、でも子どもはもっと遊んでいたいという時、お母さんの考えと、子どもの考えが不一致になります。これは、特別なことではなく、どのお子さんにもあてはまることです。ただ、もしここで、お母さんが「子どもをのびのび育てよう」として、「子どもの嫌がることをしないようにする」と考えたら、子どものことを最優先に考え、子どもが飽きるまでそのまま遊ばせるかもしれません。実際、今までそういうお母さんが何人かおられました。

 普通は、他にも例えば買い物に行かなければいけないなど、事情がある場合が多いので、子どもが我慢をすること、つまり自分を抑えて、自分の方を変更することが多くなります。
 もし、このような自分を抑えて我慢をすることをしないように、親御さんが先回りをして対応していれば、子どもは嫌がるような不快な気持ちにならず、のびのびと毎日を過ごせるかもしれません。

 しかし、これが続くと問題が二つ起きてきます。一つは、「自分を抑える」経験をしないので、幼稚園や保育園に入ったら、他の子どもさんたちと当然トラブルが起きる可能性が高いということ。そして、もう一つは、言葉が遅くなるということです。」なぜ、言葉が遅くなるかと言いますと、自分が嫌なことをしない、ということは、毎日の生活の中で自分を遮るものがない、ということですから、あまり、しゃべる必要がないということなのですね。しゃべらなければ、当然、言葉は遅れる可能性が高いということになります。

 いずれにしても、子どもにとって、「自分を抑える」という経験は必要なことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019/12/04(水) 19:24 | izawa

 今はスマホでのやり取りが、大人だけではなく学生でも多くなりました。特にメールやラインなど文字でのやり取りが、簡単にすぐできるようになり、たくさんの人がその恩恵を受けていることと思います。

 さて、コミュニケーションという面から見て、スマホの欠点があります。以前に「空気を読む」というテーマでブログを書きましたが、「空気を読む」「人との距離感を保つ」という高度なコミュニケーション能力を身に付けるためには、言葉以外に、声、表情、動作、しぐさ、雰囲気、視線などのいろいろなコミュニケーション手段を使って、相手の、あるいは周囲の人たちの感情、考え、意図などを瞬時に読み取ることが必要になります。スマホには、言葉以外に、基本的にコミュニケーション手段はありません。ですから、事務的な連絡、親しい人との連絡などでは良いかもしれませんが、相談や交渉などでは、とても危なっかしい手段になります。子どもたちが、トラブルを起こすのは、多分こういう場合だと思います。また、スマホなどの文字だけのコミュニケーションに慣れてくると、大人でも、いちいちいろいろな手段を使って、「空気を読む」というのは面倒に思われてくるかもれません。

 スマホの文字通信は、便利でもあり、しかし、それへの頼りすぎは。人間の高度な能力の衰退にもつながる、ということです。

 

 

2019/12/01(日) 20:44 | izawa

 療育教室 楽しい広場では、令和元年12月より、小学生、中学生の不登校について、昨年度までの5年間の通信制高校の講師や放課後等デイサービスの児童発達管理責任者としての経験を基に、現在の対応や将来の進路に関してご相談をお受けいたします。どうぞお問い合わせください。

 12月の療育教室の相談の日は、22日(日)です。

2019/12/01(日) 18:58 | izawa

 幼児期の2才・3才くらいで、例えば、プラレールやアンパンマンの積み木やパズルなどで、いつも一人遊びをしているお子さんがおられるかと思います。お子さんが一人遊びをいつもしていて、手もかからないし、まあいいかと毎日が過ぎ、3才が近くなって、そういえば言葉が遅いな、と気になる場合が典型的なところでしょうか。

 一人遊びが多いということは、人と特にお母さんとかかわることが少なくなり、当然しゃべる必要がないのですから、発語は遅くなる可能性は高くなります。また発語があったとしても、お母さんと一緒にあそんだりかかわることが少ないと、ボキャブラリーが増えたり、相手の気持ちを感じ取り、更に次の行動を予測し、それに応じて対応していくという「心の理論」の発達が遅れますから、会話や人とのコミュニケーションが苦手になる場合が多いと考えられます。同じ年令の子どもさんよりも幼く感じることがあるかもしれません。

 この場合の改善の方法は、お母さんや幼稚園・保育園などの先生と一対一で物を使って遊ぶこと、そしてその時間や遊びの種類を増やしていくことが重要です。合わせてくれる大人と、まずじっくりかかわる経験をして、コミュニケーションの経験を積み、そのあと、真剣勝負の友だちとのかかわりに進んで行くことだと思います。

 

 

 

 

 

2019/11/29(金) 16:27 | izawa

 療育教室 楽しい広場が推進しております「発達の不安の原因を障害以外から考える」方法論を考えるとき、基盤になるのが心理学、特に発達心理学、認知心理学です。

 今回は、発達心理学の中の「お母さんの安心感」についてです。

★ここに、発達心理学における、ハーロウという方の
 「サルの乳児に関する一連の実験(Harlow、1968年)」をご紹介します。
〈実験の内容〉
 生後間もないうちから母ザルから子ザルを引き離し、その子ザルを、ミルクを与えてくれる金網でできた代理母(模型)と、ミルクはくれなくても温かい毛布でできた代理母とがいる状況に置き、その様子を観察するという実験を行った。
〈結 果〉
 ミルクを飲むとき以外、子ザルは金網製の母親に近づかず、大半の時間を毛布製の母親にしがみついて過ごし、また時にはそれを活動の拠点「安全基地)として、様々な探索行動を行うというものであった。
〈考 察〉
 子ザルには、栄養を確実に与えてくれる存在よりも、接触による慰めや安心感を与えてくれる存在にくっついていることの方が重要だったのである。

 

人間の「愛着関係」とお母さんの安心感
〇一般的に発達心理学の中で、親子の間で形成されるような、緊密な情緒
 的な結びつきのことを「愛着関係」と呼んでいます。

〇かつて、こういう関係性は、食事や水など基本的な欲求を満足させてく
 れる人が、たまたま親だったから、乳児は親に依存するようになる結
 果、あくまで2次的に生じてくると説明されていました。

〇ところがこういう考え方を一変させたのが、イギリスの児童精神科医の
 ボウルビィ(J.Bowkby)という人です。(Bowlby:1969,1973,1980)

〇ボウルビィは、人の乳児は、特定対象(母親など)との近接関係を確立
 し、維持しようとする「欲求」および、その欲求を充足させるための
 「基本的行動パターン(愛着行動)」(例えば、注視する、後追いする
  泣く、しがみつく、微笑むなど)が、生得的に備わっているのではない
 かと考えたのです。

〇つまり、独立で生き伸びることは無理であろう人の乳児は、母親や父親
 から自らに対し、保護や養育をしてもらえなければ、ほとんど生き延び
 ることはできないはずです。その保護や養育を引き出すために、生得的
 に愛着行動が備わっているとしたのです。

〇そのボウルビィの説を立証する形になったのが、前述のハーロウのサル
 の乳児の実験なのです。つまり、生きるための栄養摂取とは独立して、
 誰かに(多くは母親)くっついていること(愛着行動)自体が重要であ
 り、それが生得的に備わっていて、母親の安心感に結びついているとい
 うことです。

〇ボウルビィはこの「愛着関係」は、子どもが自律性を確立した後でも(だいたい3才以降から)存在するものだと仮定しています。

〇つまり、「くっついている」というのは、文字通り身体的に近接してい
 るということのみならず(物理的な意味で離れていても)、精神的な意
 味で特定対象(母親、父親、将来的には周りの大人、友人など)との間
 に、相互信頼に満ちた関係を築き、そして危急の際はその対象から助け
 てもらえるという、確信や安心感を絶えず抱いていられるということも
 意味するのです。

 

「お母さんの安心感」は、触るところから始まる。
 
「お母さんの安心感」という言葉は、感覚統合理論の考えの方々が言われていたことで、その根源は「触感」であると言われていました。今回説明をしたことがそのベースにあるのではないかと考えます。
 療育教室 楽しい広場の「発達療育」でも重要視しています。「お母さんのアドバンテージ」ということですね。それだけ、子どもさんにとってお母さんは重要なのです。ですから、これからも療育教室 楽しい広場では、お母さん方を精一杯応援いたします。。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019/11/28(木) 12:40 | izawa

 これまで、療育教室 楽しい広場に「言葉の遅れ」の不安で来られたお子さん、あるいは電話やメールでの相談のお子さんで、一日テレビを5~6時間、それを3か月とか半年などの長期にわたって見続けていたというお子さんもたくさんおられました。理由は、お母さんの体調が悪かった、下にすぐ弟や妹が生まれた、子どもさんが見ていて楽しそうだったので、まあいいかと思ってそのままにしていたなど、いろいろでした。

 言葉が飛び交っているテレビなので、言葉を覚えられそうに思いますがそうではありません。幼児期のお子さんは、日常生活のいろいろな場面やおもちゃなどでお母さんと一緒に遊んだりかかわって、コミュニケーションの能力を伸ばしていきます。まだ言葉が出なくても、表情、声、動作、しぐさ、まなざし、雰囲気、体感などいろいろな手段でコミュニケーションをします。そして、そのコミュニケーションの延長上に、発語でのコミュニケーションがあります。お母さんに何かを伝えたいとき、言葉で伝えるようになるのが発語ということです。
 一方テレビは、発信するだけです。子どもさんが、面白かったり、楽しかったりしても、その気持ちに応えてくれる人がいません。つまり、やり取りがないんですね、テレビには。言葉以外の表情や声、動作など言葉以外のコミュニケーション手段を使ってのやり取りがなく、子どもさんが誰かに何かを伝えたい、という場面がないので発語は遅くなることは十分に考えられます。
 この「何かを伝えたい」という思いが、発語、そしてその後の言葉の発達にとても重要なのです。

 改善の方法としては、もちろんテレビの見せっぱなしをやめるということ、そしてその時間をお母さんと遊んだり、たの日常の生活の場面でかかわることに使うことです。そうすれば、発語やその後の言葉の発達につながります。

 それから、最近はテレビではなく、スマホやタブレットをもたせっぱなしというお母さんもいらっしゃるかもしれません。これは、言葉に関しては、テレビの見せっぱなしと同じです。お子さんと一緒に遊んだり、かかわる時間を増やしていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

2019/11/27(水) 14:13 | izawa

 

 これまでに療育教室 楽しい広場に「言葉の遅れ」の不安で来られたお子さんの中で、お母さんから聞き取りをして、感覚過敏であったお子さんも、前回のブログの同時処理機能と同様、たくさんおられました。だいたい3才から4才ぐらいにかけて、楽しい広場に来られるのですが、ほとんどのお母さんが、ご自分のお子さんが感覚過敏とは気がついておられませんでした。

 では、まず、感覚過敏について、簡単に説明をいたします。

 

★感覚過敏とは?
 
基本的に感覚過敏とは、人間のもつ感覚に対する外部からの刺激に対して拒否的、感情的に反応する傾向をさします。感覚過敏については、「感覚統合理論」では「触覚防衛」という言い方をしていますが、ここでは、同じ意味として考えます。今回は、代表的な2つの過敏について取り上げます。

1 触覚過敏
(1)身体に触られるのを極端に嫌がる。
  (例)・抱っこを嫌がる。
     ・肩を抱かれるのを嫌がる。
     ・鬼ごっこをして触られると痛がる。
(2)手をつないだり、手を握られるのを嫌がる。
(3)指先にのりをつけるのを嫌がる。
(4)柔らかい粘土を触るのを嫌がる。
(5)芝生や砂の上、ジュータンの上をはだしで歩くのを嫌がる。
(6)着替えをするのを嫌がり、逃げ回る。
(7)お風呂で誰かに身体を洗ってもらったり、水しぶきを受けるのを嫌
   がる。等々。

2 聴覚過敏
(1)普通は気にならない音、あるいは小さい音が気になる。
   → 例えば、赤ちゃんが寝ているとき、部屋のドアが開くような音
     ですぐ目が覚めて、夜泣きが多かったり、昼寝をなかなかしな
     い、など。
(2)ある特定の高さの音を嫌がる。
   → 例えば、赤ちゃんの泣き声、工事の音などを嫌がる。
(3)大きな音や突然の音を嫌がる。
   → 運動会の時のピストルの音や花火、クラッカー、ピアノの音、
     人が大勢で歌う音などを嫌がる。
(4)不規則な音を嫌がる。
   → クラシック音楽など比較的規則正しい音楽、あるいはメトロノ
     ームのような規則的な音が好きで、ロックのような音楽は極端
     に嫌がる。

 

★ 感覚過敏に対する対応
 基本的に、感覚過敏ということが分かれば、日常生活の中で、できるだけ刺激を落ち着いて受容できるよう、工夫することが必要と考えられます。
1 触覚過敏
(1)ぬいぐるみをなでる。
(2)暖かいものを手に持つ、あるいは着る。
(3)枕を膝に乗せて座る、あるいは枕を周囲において座る。
(4)毛布にくるまるなど、柔らかい、穏やかな感触の刺激を受容させ
   る。
(5)子どもの肩に手を置く。
(6)子どもの背中をリズミカルになでたり、軽くたたく。
(7)もし、子どもが受け入れられるようであれば抱きしめる。

 これらのように、身体的、そして精神的な、人の柔らかく暖かい感触の刺激を受容させることによって、日常生活の中で、落ち着いた刺激の受容を積み重ねていくことができると考えられます。

2 聴覚過敏
 聴覚過敏の場合は、子どもが嫌がる音を無理に慣れさせようとするのではなく、嫌がる音を避けて活動する配慮が必要です。幼児期では、例えば家庭では、落ち着いた音の環境の中で、お母さんや友だちと一緒に遊ぶ機会を増やし、安心感の中での楽しい活動を積み重ねることにより、聴覚過敏が落ち着いてくることが考えられます。また、家庭以外の幼稚園や保育園、児童デイサービスなどでも、できる限り、落ち着いた音の刺激の環境を整える配慮があることが望ましいと思われます。その際、他の子どもたちや親御さんたちに理解をしてもらう配慮も必要になると思われます。

感覚過敏はいつ頃落ち着くのか?
 これまで、療育教室 楽しい広場に来られた感覚過敏のお子さんたちは、そのほとんどが3才以上で、「言葉の遅れ」の不安で来られたのですが、その時のお子さんたちの感覚過敏は、ほとんどのお子さんについてはなくなってはいませんでしたが、生活に支障が出るような過敏はなく、落ち着いていました。
 つまり、そこから言えることは、3才頃までには多くの感覚過敏は、なくなりはしませんが落ち着くだろう、ということです。

感覚過敏のお子さんはなぜ「言葉が遅くなる」ことがあるのか?
 まず、ここで確認しておきたいのは、感覚過敏のお子さんが全て「言葉が遅くなる」ということではない、ということです。何らかの理由で、感覚過敏の一部のお子さんが「言葉が遅れる」と考えられるということです。
 では、遅くなる理由ですが、感覚過敏のお子さんは、その程度もありますが、感覚過敏の影響で、お母さんとかかわる時間がどうしても過敏ではないお子さんに比べて少なくなると思われます。そしてさらに、感覚過敏のお子さんは、いつ触られるか、あるいは、いつ嫌な音が聞こえてくるかと、常に不安感があると考えられます。かかわる時間が少なく、更にその時間の中でも不安感を抱えているとしたら、お母さんとのかかわりは弱いものになっている可能性があると考えられます。お子さんたちは、基本的にお母さんとのかかわりの中で言葉を発し、覚えていくのですから、当然、そこに「言葉の遅れ」が出ても不思議ではありません。

「言葉の遅れ」の改善の方法
 だいたい、3才を過ぎると感覚過敏が落ち着いてくると思われますので、まず、家庭ではお母さん、あるいは幼稚園・保育園・児童デイサービスの先生と、一対一でおもちゃなどの物を使ってどんどん遊びます。最初は短い時間でも、その時間を伸ばし、遊びの種類も増やしていきます。ここでは、大人との一対一での楽しいかかわりの中で、「相手を見て、人の話しを聞く」というコミュニケーションの基本が身に付き、大人との言葉でのやり取りの中でボキャブラリーを増やし、自分の会話もだんだん豊かになってきます。そして、そのやりとりを通して、相手の気持ちや考えを感じ取り、次に相手がどのような行動をするのかを予測する「心の理論」も発達していきます。「心の理論」は、コミュニケーションをとる上で、とても重要な発達です。
 そして、大人とのかかわりが増えてきたら、遊びの中で、最初は大人を介して、友だち数人と遊ぶ機会を増やしていきます。大人は合わせてくれますが、お互い相手に合わせる経験が少ない、ある意味真剣勝負の友だちとのかかわりの場面を少しずつ増やしていきます。感覚過敏のお子さんたちは、このかかわる経験が少ない上に、不安感を抱えながらのかかわりが多かったので、子の友だちとのかかわる場面では、最初は大人も配慮をしてあげた方が良いと思います。

(参考文献)
 ・「でこぼこした発達の子どもたち」(キャロル・ストック・クラノヴ
  ィッツ著/土田玲子監訳/高松綾子訳:すばる舎、2011年)