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2019/04/25(木) 11:02 | izawa

 4月の療育教室のご案内です。

 ことがが遅い、興味や遊びが特定のものに偏っている、集団行動についていけず先生から問題視されている、友だちと遊べずいつも一人で遊んでいる、意味がよくわからない宇宙語のようなものを話している等々、発達に不安をおもちのお子さん、そして親御さん、ぜひ一度、療育教室 楽しい広場にいらしてください。発達という視点から不安の原因を明らかにし、適切な働きかけをアドバイスし、指導いたします。

 

 4月も下旬を過ぎましたが、楽しい広場の療育教室を以下の通り2回行います。

〇4月28日(日)13:00~16:00
  (場所)札幌市社会福祉総合センター 第1会議室
         札幌市中央区大通西19丁目1番1号

〇4月29日(月:祝日)9:00~1600
  (場所)札幌市教育文化会館 304研修室
         札幌市中央区北1条西13丁目

 料金は50分3000円です。メールでお問い合わせ、お申し込みください。

  メールアドレス   mail@tanoshi-ryouiku.com

 お待ちしています。

 

 

 

2019/04/24(水) 13:31 | izawa

 まず、札幌市幼児教育センターの「アセスメントチェックシート」からチェック項目を見てみます。

【興味が狭く特定の物や事柄にこだわる】
(支援有)
 ・自分なりの手順や日課などがあり、変更や変化を嫌がる。
 ・文字、数字、マークなど特定の好きなものにこだわり、興味関心が狭
  く、なかなか広がらない。
 ・いつも同じ遊びを繰り返し、新しい経験を嫌がる。
(支援無)
 ・興味関心が狭く特定のものであるなどの様子は見られない。

1 原因
(1)視覚が強い子どもさん
 商標やマーク、文字や数字など、特定のものにだけ興味を持つ子どもさんは、以前から、少なくとも私が養護学校の教諭をしてた30年位前からもいました。
 そして、このような子どもさんは、次のような特徴をもつ場合が多くあります。

 ・一度行った所のとても細かい所を正確に覚えている。
 ・一度行った所へ行く道を正確に覚えている。
 ・アニメのキャラクターや車の車種など、膨大な数のものを正確に覚え
  ている。
 ・2才、3才くらいで、ひらがな、カタカナ、数字、アルファベットな
  どが読める。
 ・突然、アニメのセリフを言ったり、アニメの歌を歌い出したりする。
 ・周りはよくわからない、宇宙語のような独り言をいう。

 このような子どもさんは、最近、「視覚が強い子どもさん」という言い方をされる場合もあります。それはどうしてでしょう?

(2)同時性処理機能
 1983年にアメリカのカウフマン夫妻が作った「K-ABC」という知能検査があります。日本では、1993年に日本版が標準化され、さらに2013年には改訂版である「K-ABC-Ⅱ」の日本版が刊行されました。
 この知能検査は、認知能力だけではなく、習得度(基礎学力)を個別に測定し、さらに支援、指導といった教育的な働きかけに直結する検査と言われ、日本でも使われている知能検査の一つです。
 さて、この「K-ABC」の理論的モデルをカウフマンモデルと呼ばれています。その中で、人間が皆もっている脳の認知処理過程の類型として「同時処理機能」と「継次処理機能」が挙げられています。

(同時処理機能)
 ・複数の情報をまとめ、視覚的、運動的な手がかりを使って、全体とし
  てとらえ、処理していく。視覚的な記憶力、全体を部分に分解する能
  力、空間認知能力などに結びついていると考えられます。
(継次処理機能)
 ・連続した刺激を聴覚的、言語的な手がかりを使って、一つずつ順番に
  分析し、処理していく。短期記憶、情報の系列化の能力などに結びつ
  いていると考えられます。

 具体的な例で考えてみますと、例えば、「8459316」という7ケタの数字を覚えるとすると、「はち、よん、ご、きゅう・・・」と口で言いながら、順番に覚えていくのが「継次処理機能」、一方、数字を見て、写真を撮るように全体を一括して記憶するのが「同時処理機能」と考えられます。
 そして、この二つの違いは、「どのように問題を解くか」という、問題を解決するプロセスの違いであるとし、この二つの機能を適度に使いながら、いろいろな問題解決をしている、つまり「考えている」ということができます。

 さて、人間はこの二つの機能のうち、継次処理機能の方が強いと言われています。ところが中には、同時処理機能がものすごく強い人がいます。当然、子どもさんにのいます。今回挙げられた「視覚が強い」と言われる子どもさんたちは、この同時処理機能が、ものすごく強い子どもさんではないかと、療育教室 楽しい広場では考えています。

(3)具体的な発達の不安
 では、今回のような視覚が強いと言われている子どもさんは、どのような発達の不安に結びついているかと言いますと、アセスメントチェックシートのチェック項目にもありましたが、「特定のものしか興味をもたない。」「興味が広がらない。」など、そして「友だちと遊ばない」なども挙げられます。
 それから、療育教室 楽しい広場には、これまでたくさんの子どもさんが来られましたが、その中で、「言葉が出ない」あるいは「言葉が遅い」という子どもさんがとても多いのです。そして、そういう子どもさんの成育歴や現在の行動の様子を伺うと、実はこの「視覚が強い」と言われる子どもさん、同時処理機能が強いと思われる子どもさんが、とても多いのです。

 次回は、発達の不安に対する具体的な働きかけの方法について考えます。

 

 

 

 

 

2019/04/22(月) 16:38 | izawa

 障害以外の原因を考えるの7回目です。このシリーズでは、札幌市幼児教育センターが作成した「アセスメントチェックシート」(平成30年度改訂版)の中の項目の一部を取り上げ、考察をしています。

 今回は「時々情緒が不安定になる」です。チェック項目を見てみます。
(支援有)
 ・怒ったり、泣いたり、感情の起伏が激しい。
 ・友だちに対し、攻撃的な言葉を使うなどトラブルが起きやすい。
 ・不安をもちやすく教師がそばにいる必要がある。教師のそばを離れな
  い。
(支援無)
 ・安定した気持ちで生活している。

 

 さて、今回も基本的には3歳以上であれば、「自分で自分の行動をコントロールする力」である「自律性」の発達が不十分ではないか、と考えられます。2才代の子どもさんの場合は、まだ、あまり該当する子どもさんはいないのではないかと思われます。強いて挙げれば、不安をもちやすく、教師のそばを離れないという、2才代のお子さんはいるかもしれません。その場合の考えられる原因は、まず不安や緊張が強い子どもさんの場合。それから、何らかの理由でおかあさんとかかわる時間が極端に少なく、子どもさん行動の基盤である「お母さんの安心感」が足りないのではないか、ということです。

 3才以上の子どもさんの場合、「自律性」の発達が不十分なのではないかと述べました。その場合、考えられるのが、前回もお話ししましたが、かんしゃくが激しくなる、ということです。自分の思うとおりにならない時、一時間でも二時間でも泣きわめき、最後はお父さん、お母さんが根負けしてしまう、という場合です。
 もう一つ考えられるのが「依存」です。「ママやって」「パパやって」と親にしつこくやってもらおうとすることです。例えば「抱っこ」「ベビーカーに乗る」「おやつ買って」「もっと遊びたい」などです。「抱っこ」や「ベビーカー」など、親がやめなければ、年長さんになってもやってほしがります。親がやめなければやめません。
 これらのようなお子さんの場合、気持ちが不安定になりやすいと考えられます。
 それからもう一つ、2才代のところでもお話ししましたが、子どもさんの行動の基盤である「お母さんの安心感」が少ないのではないか、というとき、気持ちが不安定になりやすい、と考えられます。

 

 では、それに対する対応ですが、「自律性」の発達がまだ不十分と考えられる場合は、前回、説明をしましたように、日常生活の中で「少し待つ」とか「少し我慢する」などの「自分を抑える」経験を積み、自律性を伸ばすことが必要と考えます。
 それから、「お母さんの安心感」が少ないのではないかと考えられる場合、まずお母さんからお話をきいて、おうちでの様子を伺い、もし、「お母さんの安心感」が少ないようでしたら、短い時間でもよいので、お母さんとのかかわりを増やすこととを心掛けていただくようにしたらよいと思います。これについては、2019年3月24日付のブログの第7回札幌あおば幼稚園子育てセミナー講演資料で説明をしておりますのでご覧ください。

 

 

 

 

2019/04/20(土) 21:00 | izawa

 私は25年間、知的障害の養護学校で教諭をしていました。そこのお母さんたちは、わが子の障害を受け止め、必死に子育てをされていました。

 養護学校の教諭をやめ、療育教室 楽しい広場を始めて、今年度で13年目になります。その間の相談や指導の延べ件数は4000件は下らないと思います。その中で、お会いしたお母さん方はたぶん600人くらいはいらっしゃると思います・

 今、療育教室 楽しい広場の大きな役目は、発達に不安のある幼児期の子どもさんの、その発達の不安の、「障害」以外の原因を明らかにし、発達段階に応じた適切な働きかけを行い、子どもさんの発達を伸ばし、問題のある行動を改善し、発達の不安を解消することです。

 実際に、障害をもっている子どもさんは、今でもいます。それはわかります。しかし、その他に、発達に不安をもっている子どもさんもたくさんいます。療育教室 楽しい広場に来られたお子さんで、確かに言葉やコミュニケーションの遅れ、かんしゃくがひどいなどの問題行動をもっている子どさんがたくさんいました。しかし、その中で、その発達の遅れや問題行動の原因が、障害以外にあると思われた子どもさんが、たくさんおりました。そして、楽しい広場のアドバイスや指導で、どんどん成長された子どもさんもたくさんおりました。

 しかし、そういう中で、障害とは思われない原因で、発達に不安のある子どもさんのお母さんで、周囲のいろいろなところから聞こえてくる「障害」という言葉に、不安に陥り、苦しみ、怒り、病み、苦悩の中に身を置かれていたお母さんをたくさん見てきました。

 お子さんが障害をもっていられるようであれば、当然きちんとお話しします。しかし、お子さんの発達の不安の原因が障害と思われないお子さんが、とても多いのです。そういうお子さんをもつお母さんは、お子さんが障害をもっている、あるいはその可能性があると聞かされているでしょう。自分の子どもに発達の不安があって、まわりから「障害」という言葉を聞かされたら、親であれば当然頭から離れません。苦しみます。悩みます。
 そして、一番つらいことは、原因が障害でなければ、何が原因で、どういう働きかけをしたら、子どもさんの発達が伸び、問題行動が改善するかを、はっきり言える人、示す人があまりにも少ない、ということです。

 療育教室 楽しい広場は、それができる人を日本中にたくさん増やしたい。そのために、今、本当に残念ながら微力ですが、全力を尽くしたいと思っています。そういう人たちがたくさん増えて、子どもたちがどんどん成長していけば、お母さん方の苦悩がなくなっていくと思います。お母さん方には、頑張ってほしい。しかし、それには受け皿が必要です。指導者、指導機関が必要です。

 志ある皆さん、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

 

2019/04/20(土) 18:14 | izawa

 今回は、「すぐに手が出る」です。アセスメントチェックシートのチェック項目は次の通りです。

【すぐに手が出る】
(支援有)
 ・突然友達をたたく、ける、髪を引っ張るなどし、行動が早く予測しに
  くい。
(支援無)
 ・友だちに対し乱暴な行動をとる様子は見られない。

 

 まず、何も理由がわからなく、すぐに手や足が出るとしたら、これは教師が一人ついて行動するしかありません。私は、以前知的障害の養護学校に25年間勤務していましたが、中学生で2人そういう子どもさんがいました。

 幼児期の子どもさんで、友だちに対して手や足が出るというのは、ほとんどの場合、自分の思うとおりにならない場合と考えられます。原因は、「自分を抑える』ということが身についていない、ということです。

 子どもは、3才から4才にかけて、「自分で自分の行動をコントロールする力」である「自律性」が急速に伸長してきます。「自律性」というのは、ただ我慢するのではなく、場面や状況に応じて、自己主張をしたり自己抑制をしたり、バランスがとれている、ということです。
 3才以上の子どもさんであれば、この自律性が身についていないと思います。こういうときは、お母さんに「家庭で我慢ができているか?」を聞いてみます。駄々をこねたとき、お母さんやお父さんが根負けして最後は子どもさん要求を通してしまっているのではないかと思います。

 そういう場合は、まず日常生活の中で「ちょっと待つ」とか「ちょっと我慢する」という、「自分を抑える経験」を積み重ねることが必要です。

  そして更に、駄々をこねたり、かんしゃくが激しい場合は、子どもさんとのバトルに勝つことです。駄々をこねたり、かんしゃくの時、怒ったり、怒鳴ったり、手を上げたりするのではなく、「平然」としていてください。もちろん、「平然を装う」ということです。「ダメなものはダメ」「できないものはできません」ということです。無視ではありません。ですから、エネルギーを必要とします。
 目的は、子どもさんに「諦めさせる」ということです。諦めがついたら、子どもさんはガラッと変わります。これまでの楽しい広場に来られた子どもさんもたくさん変わりました。今まで、あとでお母さんから連絡をいただいた中で、お母さんと子どもさんのバトルで、一番短かったのが3分、一番長かったのは2時間半でした。

 それから、2才代の子どもさんであれば、場面に応じた自律性というのはまだ早いと思われます。そういう場合は、やはり、日常生活の中で「ちょっと待つ」「ちょっと我慢する」などの「自分を抑える」経験が足りないと思われますので、それを積み重ねていくことが必要と思われます。

 

 

 

 

 

 

 

2019/04/19(金) 17:03 | izawa

 この「障害以外の原因を考える」シリーズは、札幌市幼児教育センター作成「アセスメントチェックシート」の平成30年度改訂版から、一部チェック項目を取り出しながら、発達の不安の原因のうち、障害以外の原因を考え、さらにその発達を伸ばすための方法を明らかにしていくものです。

 さて、今回の「目についた物に反応してしまう」です。実際のチェック項目を見てみましょう。

【目についた物に反応してしまう】
(支援有)
 ・興味が移りやすく目に入った物の方に行ってしまう。
 ・気になる物があると遊びや活動をやめてしまうが、教師の言葉がけで
  今していたことに戻ることができる。
(支援無)
 ・目についた物にすぐ反応してしまうことはない。

 

 「ADHD」(注意欠陥・多動性障害)という発達障害があるとされています。それには3つの特徴があるとされます。
 ①多動性  ②注意の転導性  ③衝動性

 このうち、②注意の転導性は、次のように説明されています。

「気が散りやすく、興味がもてない授業だとまったく集中できなかったりします。忘れ物も多いのですが、これは不注意のためと思われます。ただその反面で、自分が好きなことにはものすごい集中を示すことがあります。何かを製作するときや受験などで、それこそ「寝食を忘れて取り組む」子どもたちもいます。このような極端な姿から、注意の範囲の狭いことや、注意を適度に保てないところに問題があるともされています。」
  (月刊 発達教育より  湯汲 英史氏(発達教会)言語聴覚士)

 

 今回の「目についた物に反応してしまう」という内容は、上記の特徴の中の「注意を適度に保てない」というものに該当すると考えます。

 それでは、幼児期の子どもさんで、「目についた物に反応してしまう」子どもさんがいた場合、障害以外の原因は何が考えられるでしょうか?

 それは、(1)「目と目が合わない」の時の原因と同じで、「物をよく見る」こと、つまり「注視」「追視」が十分にできていない、そして、基本的にお母さんのかかわりの中で身につく、「相手を見て、人の話を聞く」というコミュニケーションの基本ができていないと考えられます。

 「物をよく見る」、そして「相手を見て。人の話を聞く」というコミュニケーションの基本を身につけるには、「目と目が合わない」のところで詳しく述べているように、物を使って大人と一対一で遊び、その時間を伸ばしていくというものです。(詳しくは「目と目が合わない」のブログを参照ください。)楽しい広場のことば伸び伸び教室では、伊澤との一対一の遊び、かかわりの時、当初はあっという間にいなくなる子どもさんたちが、だんだんかかわる時間が長くなり、最後は30分、40分と続く子どもさんが数えきれないほどたくさんいました。それは、障害ではないという証ですね。

 今までの療育教室 楽しい広場の実践から、「目についた物に反応してしまう」幼児期の子どもさんでも、適度な大人の働きかけで、しっかり発達し成長した子どもさんがたくさんいる、ということを、たくさんの皆さんに知っていただきたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019/04/19(金) 13:45 | izawa

【「あげる」と「もらう」を混同する】

(支援有)
 ・「行く」「来る」「あげる」「もらう」などの相手に立った言葉がう
  まく使えない。
(支援無)
 ・「あげる」と「もらう」の違いが理解できる。

 

 この内容は、札幌市幼児教育センターの「アセスメントチェックシート」に実際載っているいるものですが、なぜこの内容をわざわざ発達の遅れを把握するために入れたのかが、よくわかりません。強いて言えば、「相手に立った言葉」ということでしょうか。

 子どもは、個人差はありますが、2才くらいから話だし、2語文、3語文、そしてだんだん言葉を使った複雑な会話をしていきます。発語の時期はいろいろですが、ことばの発達の流れは同じです。
 その中で、「行く」と「来る」、「あげる」と「もらう」を間違って使うことは、昔からあったでしょう。でも、使い方を大人に直してもらううちに、正しく使えるようになるでしょう。ただ単に、ことばを間違って覚えてしまったということです。直すには、間違ったときにその都度大人に直してもらい、正しく使う経験を重ねていくことです。これは、普通のことです。いくら直しても直らないというのは、これら以外にも、いろいろな間違いや遅れがあると思います。つまり、認知と言葉の発達全体に遅れがあると考えられるでしょう。

 「あげる」「もらう」、「行く」「来る」の使い方が間違っているだけで、「障害か?」と悩む必要はないということです。

 

 

 

 

 

 

 

 

2019/04/19(金) 11:30 | izawa

 「スケジュールの変更を嫌がる」について、まず、アセスメントチェックシートのチェックの段階を見てみましょう。

【スケジュールの変更を嫌がる】
(支援有)
 ・予定変更などに対する緊張感や不安が強く、個別にかかわって参加を
  支えることが必要である。
 ・予定の変更を受け入れるまで時間を要し、教師がそばについて個別に
  対応することが必要である。
(支援無)
 ・初めての行動に期待をもって参加する。

 「スケジュールの変更を嫌がる」も、前回の「初めての活動や行動が苦手」と同様、大人でも当然あり得ることです。大人の場合、生活経験がそれなりにあるにもかかわらず、上記の「支援有」の状態であれば、障害や病気を疑ってもおかしくありません。それは、通常よりも強い緊張感、不安感をもっていること、それから、こだわりが強すぎるのではないか、ということです。

 ところが、これをそのまま幼児に当てはめると、その子どもさんの状態を把握し、判断する場合、大変な間違いを起こす可能性が大きくなります。まだ、生活経験の少ない幼児期の子どもさんで、初めての活動や予定変更に期待をもつ子どもさんもいるでしょうが、逆に緊張や不安をもったり、嫌がる子どもさんがいてもおかしくありません。子どもは好奇心をもってどんどんいろいろなものに取り組んでいきますが、経験が少ない分、緊張や不安もあります。前回もお話ししましたが、子どもさんによっては緊張や不安が強い子どもさんもいます。

 では、そういう子どもさんが障害かというとそうではありませんね。なぜか。強い緊張感や不安感は、これから生活経験を重ねていくことで、いろいろなことを学習し、日常生活に支障がなくなっていきます。その時の配慮として必要なのが「安心感」です。それは、先生が個別に対応してあげることかもしれませんし、時間をゆっくりとってあげることかもしれません。そういう安心感の中での経験、学習が子どもさんを成長させ、スケジュールに変更があっても、問題なく過ごせるようになるということです。

 大人と子どもの大きな違いが、「経験し、学習する」ということです。発達が成熟している大人と違って、子どもは、発達が成熟途上なのです。つまり、子どもさんに個人差で遅れがあったとしても、「経験し、学習する」ことで発達し、成長していきます。

 今回の「スケジュールの変更を嫌がる」子どもさんがいた場合、「安心感」をもたせながら、そういう場面での経験をさせること、そして、日常の生活の中での遊びや活動の経験の中で、体を動かして遊び、考える力を伸ばし、コミュニケーション能力を伸ばすなどの全体的な発達を伸ばすことによって、「スケジュールの変更を嫌がる」ことも少なくなるでしょう。

 今、子どもさんが「スケジュールの変更」を支援が必要なほど嫌がったとしても、それが即「障害」に結びつくことではないこと、子どもはこれからまだまだ成長段階であること、子どもに「安心感」をもたせて経験させること、そして日常生活の中での全体的な発達の向上が、「スケジュールの変更を嫌がる」ことへの解消につながっていくのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019/04/18(木) 13:50 | izawa

 2回目は「初めての活動や行動が苦手」です。

 今回の「障害以外の原因を考える」のシリーズで使わせていただいている,札幌市幼児教育センターの平成30年度改訂版の「アセスメントチェックシート」のうち、使わせてただく項目は、前回の「目と目が合わない」を含めて10項目です。それは、すべて「アセスセメントチェックシート」の5つの領域に中の「その他(配慮事項)」のものです。それはなぜかと言いますと、それらは、以前から、つまり、今の自閉症スペクトラムが自閉症と言っていたときから、自閉症を疑う時の要素と考えられる内容なのです。たぶん、発達相談などで同じようなことを聞かれた方々もたくさんいらっしゃるのではないでしょうか。

 今回の「障害以外の原因を考える」シリーズの大きな意味は、お子さんの発達に不安をおもちのお父さん、お母さん、特にお母さんに対して、その発達の不安が、いろいろなところから聞こえてくる「障害」以外に、原因がたくさんあること、そしてその発達を伸ばしていく方法を知っていただくことです。もちろん、幼稚園や保育園の先生、児童発達支援事業所の職員の方々にも、ぜひ知っていただきたいと思っています。

 

 さて、本日の項目の「初めての活動や行動が苦手」についてです。チェックシートでは、次のようなチェック項目になっています。

(支援有)
 ・初めての活動や行動などに対する、緊張感や不安が強く、個別にかか
  わって参加を支えることが必要である。
 ・初めてのことに慣れるまで時間を要し、教師がぞばについて個別に対
  応することが必要である。
 ・事前に知らせる、経験させるなどの機会をもつと、教師とともに参加
  する。
(支援無)
 ・初めての活動や行動に期待をもって参加する。

 本来、大人を含めて「初めての活動や行動が苦手、緊張する」という人がいても全然不思議ではありません。それがあっても何もおかしくありません。むしろ、初めての活動や行動に「期待をもって」参加するほうが少ないでしょう。

 ではなぜ、自閉症スペクトラムを含めた発達障害を疑う項目に、この「初めての活動や行動が苦手」が入ったのかと言いますと、チェック項目にあります「緊張」と「不安」です。
 子どもさんの中に、人に対してとても緊張する子どもさん、それから人見知りが強い子どもさんがいます。そういうお子さんは、発達相談や病院での診察で自閉症スペクトラムを疑われたり、診断を受けたりします。
 それはなぜかと言いますと、対人関係、対人相互のやり取りができていない、人とかかわることがうまくできない、と考えているようです。

 さて、これまで、療育教室 楽しい広場の個別療育相談にもそのような子どもさんが来られました。人見知りや緊張感が強いということは、相手を人を強く意識しすぎている、ということです。自閉症、あるいは自閉症スペクトラムというのは、人に関心がない、人との距離感がわからない、人の気持ちを感じ取ることが苦手である、などというものです。つまり、人見知りや緊張感があるというのは、自閉症スペクトラムの対極にあるということです。表面の行動だけをみて、その内面を見ていないということだと思います。

 楽しい広場に来られたお子さんで、一人はとても人見知りの強い小学生低学年の男のお子さんが来られました。最初の30分くらいは、お母さんと私が話をしている間、背中を向けて一人で遊んでいましたが、次第に慣れてきてからは、普通に伊澤と一対一で一緒に遊びました。お母さんと私のやり取りを見て、聞いて、不安がなくなり、安心したのでしょう。
 もう一人は、とても緊張感が強い保育園の年少の女のお子さんで、初めての人はもちろん、保育園でも緊張感が強く、先生やお友だちと話したり遊ぶことがほとんどなく、朝、保育園に来て先生とあいさつをすることもなかなかできないとのことでした。保育園では、朝、先生が本人があいさつをするまで待つ、という対応をされていたようで、本人は一層緊張していたとのことでした。この時、お父さん、お母さんにお話ししたことは、生活の中で本人が安心することが、一番大切であるということです。本人が緊張しているようであれば、時間をかけてでも安心感をもつようにしてあげる、ということです。保育園での本人があいさつするまで先生が待つというのは、本人が緊張を増すだけなので、少し待って挨拶ができないようであれば、先生の方からあいさつをして、本人に言わせるようにしてあげて、言えなくても待ったり責めたりしないというように保育園の先生に対応をお願いしてはどうかとお話ししました。
 一見過保護のようにも見えがちですが、経験を積み、学習することにより子どもは変わっていきます。このお子さんは、その後小学校の通常学級に入学し、元気に過ごしていますと、お父さんお母さんから連絡をいただきました。

 

 本日の結論は、お子さんが緊張や不安が強ければ、まず安心感をもたせるということ。それに対して過保護である、甘い、というご意見もあるかもしれませんが、安心感の中で経験を積み、学習を重ねていけば、強い緊張感や不安感も取れていきます。小さいお子さんに障害と決めつけるのではなく、その不安を解消する働きかけをきちんとしてあげること、それが、子どもさんの成長を信じるということではないでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2019/04/18(木) 12:01 | izawa

 4月から、代表の伊澤が専任に戻りましたので、個別療育相談やことば伸び伸び教室を行う、療育教室の回数が増えています。

 4月は、23日(火),28日(日),29(月:祝日)の3回、

 5月は、3日(金:祝日)、4日(土:祝日)、6日(月:祝日)
     14日(火)、22日(水)、25日(土)の6回です。

 詳しくは、個別療育相談やことば伸び伸び教室のコーナーをご覧ください。子どもさんの発達に不安をおもちのお父さん、おかあさん、ぜひ一度いらしてみてください。