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2020/03/18(水) 15:25 | izawa

 今度の日曜日、3月22日(日)午前中、療育教室 楽しい広場の個別療育相談を行います。会場は、札幌市社会福祉総合センター 第1会議室、料金は1時間3000円です。
 お子さんの発達に不安をおもちのお母さん、お父さん、どうぞお問い合わせください。

 申し込み先です。
  電話  011-896-3204
  メール  tanoshii:ryouiku:@gmail:com 

 

 

 

 

 

2020/03/18(水) 13:19 | izawa

 幼児期の子どもさんが、発語をするために、つまり言葉をしゃべるためにはは、どういう要素が必要でしょうか?

1 発声
 まず必要なのが、発声、つまり声を出すことですね。声が出なければ、言葉は当然のことですが、音として出てきません。これは、赤ちゃんの時から、お母さんやお父さんなどと、きゃっきゃ言いながら自然に出てきます。

2 聞く
 しゃべられなくても、周りの大人がしゃべる言葉を聞くことで、だんだんそれを真似をしようとします。聴覚に不自由がある場合、この「聞く」ということができないので、しゃべるべき言葉が分からないので、言葉をしゃべることが難しくなります。

3 口腔機能
 唇、舌、頬などを機能させることは、幼児期の場合、食べる、飲むという経験で、少しずつ向上してきます。しゃべることと食べることはつながっているのですね。

4 認知
 言葉を発する場合に、認知面の発達は重要になります。だいたい言葉を発する時期にあたる、1才半くらいは、ものの名前をどんどん憶えていく時期です。認知面の発達に大きな遅れがある場合は、発語も遅れてきます。ただ、ここで、注意をしなければならないことが、一つあります。それは、例えば、2才半、3才になっても発語がない、あるいは、発語がほんの少ししかない場合、認知面の発達に大きな遅れがなくてもある、ということです。理由は、後で説明いたしますが、人とのかかわり、特にお母さんとのかかわりが極端に少ない場合、認知面に大きな遅れがなくても、発語は遅れることがあります。
 療育教室 楽しい広場では、例えば3才で発語が10個もないという場合は、まずは、絵カードを使い、言葉の理解で、子どもさんの認知面の発達を見ていきます。3才であれば、言葉が出なくても、絵カードをみて、「食べる」とか「泳ぐ」などの基本的な動詞を指さしたり取ったりできれば、3才の認知レベルにあると判断し、知的な大きな遅れはない、と判断します。

5 人とかかわる
 発語をする場合、とても重要な要素です。お母さんを中心とした大人と食べたり、お風呂に入ったり、遊んだりしながら、たくさんかかわることにより、だんだん相手に自分の気持ちや、考えなどを「伝えたく」なります。その延長上に、いろいろな能力が結びつきながら、言葉で相手に伝えたくなって「発語」、つまり言葉が出てくると考えられます。
 これまでの経験から、子どもさんの言葉が遅れる場合、大人、特にお母さんとのかかわりが何らかの理由で極端に少ない場合が非常に多かったです。つまり、お母さんとのかかわりが極端に少ないと、「相手に何かを伝えたい」という機会も極端に少なくなりますから、言葉でしゃべらなくても、一日の生活は進んでいくということですね。ほかにも、もちろん言葉が遅れる理由がありますが、この人とのかかわり、特にお母さんとのかかわりは、非常に重要と考えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020/03/13(金) 16:12 | izawa

 それでは、「自閉症児は指さしをしないは本当か?」ということについてです。
 これまでの療育教室 楽しい広場の相談の中で、子どもさんが2才・3才くらいになっても、「自分の子どもが指さしをしたことを見たことがない」「今まで指さしをしたとしても覚えているのは1回か2回くらい」「最近になって初めて指さしをした」というご相談がたくさんありました。では、「その子どもさんたちは自閉症か?」と言われるとそうではありません。

 ここで重要になってくるのが、前回のブログで説明をいたしました、指さしの意味の中の「注意の共有」です。「注意の共有」は、「人の心を伝え合う」言い換えると「共感性」につながります。
 感情や考え、意思などを感じ取り、伝え合うという意味での「共感性」は、人とかかわる上で重要な基盤となるものです。そして実は「共感性」につながるものは、「指さし」だけではありません。

 東京の作業療法士の木村 順氏は、乳幼児期の子どもが、次の「〇〇を共有する、心の働き」によって、子どもの「共感性」が発達する、としています。具体的には、次の通りです。

〈作業療法士:木村 順氏より〉
(1)「表情やまなざし」を共有する
      ~笑顔を見せると微笑み返す。目と目が合う。
(2)「動作・しぐさ」を共有する
      ~物まねの始まり。赤ちゃん芸。
       (注:伊澤):イナイイナイバー、指さし。
(3)「物(おもちゃ等)」を共有する 
      ~手渡すと受け取る。「ちょうだい」で差し出す。
       (注:伊澤):「ママ見て」と言って物を見せに行く。
               (showing)
(4)「興味の対象」を共有する
      ~ジョイント・アテンション
       (注:伊澤)例えば幼児番組やアニメのキャラクター
  *(注:伊澤)は、伊澤が追加したもの。

 

 さて、指さしに戻ります。
 例えば、明治時代の札幌農学校教頭であったクラーク博士の銅像のようなはっきりとした指さしをしなかった、あるいはお母さん、お父さんがはっきりと見なかった、ということは当然考えられます。ましてや言葉が出てくれば、指さしをする前に言葉で言うと考えられます。「指さししなかったから自閉症である」とは言えません。
 ここで重要になるのは、「注意の共有」、そしてそこからつながる「共感性」が発達しているか、ということです。それは、今回の「自閉症の迷信のシリーズ」に共通する「人の心の状態を分かり合っているか」ということです。
 つまり、「指さし」をしなくても、「共感性を発達させる他の共有」があるのならば、自閉症とは言えない、ということです。
 言い換えると、これらの「〇〇を共有する」ということが「心の状態を感じ取り、伝え合う」という「共感性」につながること、そしてこの「共感性の発達の有無」が自閉症を判断する上での、一つの重要な基準になると考えられます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020/03/13(金) 13:30 | izawa

 指さしは、だいたい10か月ころから行われます。その意味はいくつかあります。
(1)前言語的役割,つまり言葉と同じ働きがある。(言語)
(2)模倣を通じて獲得された「象徴的活動」(あるものを別なもので表
   現する)である。
(3)「他の人は自分と注意を共有できる」という意味の「注意の共有」
   を表すものである。(人とのかかわり)

 今回は、「自閉症児は指さしをしないは本当か?」についてです。今回は(3)の「注意の共有」がポイントとなります。
 ここで、生後10か月くらいの、まだ発語が出ていない子どもさんとお母さんとのやり取りを考えてみます。

 お母さんが子どもさんと一緒に絵本を読んでいた時、絵の中にいるアンパンマンを見つけてアンパンマンを指さしたとします。ここで、お母さんが「アンパンマンどーれだ?」と子どもさんに聞いて、子どもさんがアンパンマンを指さししたとしたら、それは名前が分かったという認知面と、名前を言う代わりに指さしをしたという言語面の意味があります。
 しかし、何も言わずに子どもさんが自分からアンパンマンを指さししたとしたら、(3)の「注意の共有」という意味が考えられます。
 ここで、お母さんが「そうね、〇〇ちゃんのもっているアンパンマンと一緒だね。」と言ったとします。これは、子どもさんがアンパンマンを指さすことで、あたかもそう言いたかったように、お母さんが言ってあげたことになります。
 つまり、子どもさんはただ単に指さしをしただけではなく、指さしの中に、「絵の中のアンパンマンを見つけてうれしい」という気持ちを込めていたということであり、お母さんは子どもさんの心の状態を指さしから理解できた、ということになります。
 つまり、この場合の指さしでは、「注意の共有」が「心の状態を伝え合う」言い換えると「共感性」につながっている、ということを意味しています。 →次回につづく。  

 

 

 

 

 

 

 

 

2020/03/04(水) 15:59 | izawa

 それでは、自閉症の迷信「視線が合わない」についてまとめます。

〇「自閉症児は視線が合わない」ことは、ない。
〇しかし、自閉症児は「人の心の状態の認識」がうまくできないため、 
 「目による言語表現」がうまくできない。
〇それは、「視線がコミュニケーションとして使われていない」というこ
 と、つまり、外すべき時に視線を外さず、合わせるべき時に視線を合わ
 せない、ということである。
〇結論としては、「自閉症児は視線を合わせるが、視線をコミュニケーシ
 ョンとしてうまく使えない。」ということである。
〇視線が合う回数、時期は問題ではなく、「目でコミュニケーションがで
 きているか」がポイントである。
〇ただし、幼児期の子どもは、この「目による言語表現」である「まなざ
 し」を含め、声・動作・しぐさ・雰囲気・表情などの「非言語的コミュ
 ニケーション手段」を使ってコミュニケーションすることにより、人の
 心を読み取り、場の空気を読むことができるようになっていくが、それ
 が大きく伸びるのが3才から4才頃である。2才・3才頃に人とのかか
 わりで不安があっても、人とのかかわりに関する能力は3才過ぎてから
 経験を積みながら大きく伸びていくので、軽々に障害と決めつけないこ
 とが重要である。改善の方法としては、大人とのかかわり、そして子ど
 も同士のかかわりの経験を積んでいくことが重要である。

 

 

 

 

 

 

2020/03/04(水) 14:03 | izawa

 「自閉症児は視線が合わない」というのは、以前から言われていることです。以前というのは、1943年にカナーが、1944年にアスペルガーがそれぞれ別々に、のちに「自閉症」と命名される子どもたちに関する論文を発表して以来ということです。
 平成30年度の札幌市幼児教育センター作成の「アセスメントチェックシート」の中にも、「主な困り」というチェック項目の中に「目が合わない」が入っています。
 これまで楽しい広場での相談でも「視線が合わない」ことに関する不安が多くありました。具体的には、
「前は視線が合ったが今は合わなくなった。」
「今まで数回しか視線が合った記憶がない。」
「母親とは視線が合うが、幼稚園の担任の先生とは視線が合わない。」
などです。これは、「自閉症は視線が合わない」と言われてきたことへの心配からだと思われます。

 療育教室 楽しい広場では、自閉症を考える上で、「心の理論」を基本に置いています。
 「心の理論」とは、例えば、外は晴れているのに、職場に田中さんが傘を持ってきたとします。それを見た同僚の山本さんは、
「田中さんはたぶん、〈天気予報が雨だ〉と思い、〈濡れたくない〉と望んだので、傘を持ってきたのだ。」と考えたとします。
 このように、人の心の状態を「推定」し、それに基づき、人の行動を「解釈」し、行動を「予測」する能力を「心の理論」と言います。目に見えない心の状態を推測し、解釈し、行動を予測するので「理論」と呼ばれています。
 この「心の理論」は、1990年代、イギリスのウタ・フリスが中心となって、認知心理学の立場から提唱されました。ウタ・フリスたちは、この「心の理論」が自閉症児には何らかの原因で欠けていると考えます。

 さて、「自閉症児は視線が合わない」というのは本当でしょうか?

「心の理論」を提唱したウタ・フリスの著書の中に、箱を使い、人の顔を見て視線を合わせる実験研究の報告があり、この中で、グループごとに分かれた、同じ精神年齢の自閉症児や健常児、精神発達遅滞児は皆、同じように視線を合わせたと報告されています。楽しい広場の伊澤もこれまで、多分自閉症だと思われる中学生2人に会ったとき、視線は合いました。では、それなのにどうして「自閉症児は視線は合わない」という迷信が生まれたのでしょうか?

 「目は心の窓」と言われます。我々は、視線を交わすことで、誰が何を考え、何を望んでいるかを読み取ろうとします。そして、視線の動きは複雑ですがほとんど無意識の「目による表現」として、我々がコミュニケーションをする上で、非常に重要な社会的能力の一つとなっています。
 例えば、「人に哀願する目」「勝ち誇った目」「悲しそうな目」など、これらの目の動きの種類は、対人関係が多様なだけその数も増えていきます。これらの「目の表現」、言い換えると「まなざし」が意味するのは、「人の心の状態の分かり合い」があるからこそできるということです。

 実は、自閉症児はこの「目による言語表現ができない」と考えられます。それはなぜか?
 それは、自閉症児が「人は意識する。しかし、人の心の状態を認識することができない。」と考えられるからです。人は、人の心の状態が分かって初めて「目による言語表現」を行い、相手の「目による表現」を感じ取ることができるのです。
 では、次回、このまとめを説明いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020/03/02(月) 12:00 | izawa

 新型コロナウイルス拡大防止のため、緊急非常事態宣言の中の北海道ですが、この二日間、比較的落ち着いて過ごしたように思います。感染者の数が日本で一番多く、「ここはしっかり対応しなければならない」と覚悟を決めなければならなかったからかもしれません。

 そういう中での、3月の療育教室 楽しい広場の活動ですが、療育セミナーはお休みします。個別療育相談とことば伸び伸び教室は、22日(日)に行う予定です。そのころには、少人数の活動は大丈夫であろうと予想しています。

〇3月22日(日)9:00~16:00

(会場)札幌市社会福祉総合センター 第1会議室
 (札幌市中央区大通西19丁目1番1号、地下鉄東西線「西18丁目」
   駅から徒歩5分)

(料金)1時間3000円

(申し込み)電話かメールで、療育教室 楽しい広場(担当:伊澤)まで
      お申込みください。

  電話  011-896-3204

  メール  tanoshi:ryouiku@gmail:com

  お待ちしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2020/02/21(金) 12:40 | izawa

 クレーン行動とは、「自分がほしい物があるとき、そこまで大人を連れて行き、大人の手を持って欲しい物の方へクレーンのように動かす」というものです。
 クレーン行動は、自閉症の特徴だと言われてきました。それは、大人がどういう人か、今どのようなことを考えているかなど関係なく、ただ「物を取ってほしい」という要望だけをクレーン行動で伝えるということです。自閉症児にこういう行動があるというのは事実です。

 しかし、自閉症児以外にも、このクレーン行動をする子どもさんがいるのも事実です。では、自閉症児とどこが違うのでしょう?
 大きな違いは、クレーン行動と一緒に他の行動がついてくる、ということです。一番分かりやすいのは、「適切なタイミングで大人の顔を見る」ということです。顔を見ながら、声や表情、あるいは言葉で「お願い」をしたり、喜んだり、怒ったり、がっかりしたりします。それは、クレーン行動と一緒に自分の心の状態を伝えるということです。
 自閉症児の場合、相手の大人の人の心の状態に関係なく、ただ「取ってほしい」という要望が動作に表れたのがクレーン行動だと考えられます。これが一番違うところです。
 言い換えると、自閉症児は、人を意識することはできますが、他の人の心の状態を認識することが難しい、と言えます。

 まとめますと、
  ・クレーン行動は、自閉症児だけの特徴ではない。
  ・クレーン行動をして、適切なタイミングで大人の顔を見たり、それ
   と一緒に言葉や声、表情などで心の状態を伝えていれば、自閉症と
   は考えられない。
ということになります。 

 

 

 

2020/02/21(金) 11:57 | izawa

 あさって、2月23日(日)個別療育相談とことば伸び伸び教室を行います。会場は、札幌市社会福祉総合センター 第1会議室です。料金は1時間3000円です。

 子どもさんの発達の不安の原因を「障害」以外から考えます。そして、具体的な療育方法をお伝えします。

 どうぞ、お問い合わせください。

(電話)011-896-3204

(メール)tanoshi:ryouiku@gmail:com 

 

2020/02/20(木) 12:15 | izawa

 先週の日曜日、2月16日10:00~12:00、札幌市社会福祉総合センター 第3会議室におきまして、第2回発達研究セミナーを開催いたしました。

 テーマは、「自閉症の迷信を考える~クレーン行動、視線が合わない、指さしをしない」で、当日5名の幼稚園の先生方に参加いただき、とても熱気に満ちたセミナーになりました。

 内容については、この後別にブログで説明をしてまいります。今回、特に参加された方々にお話をしたのは、自閉症を見ていく視点です。

 多くの相談機関、医師、早期療育機関では医学的な見方から自閉症を見ていきますが、療育教室 楽しい広場は、発達心理学、認知心理学などの心理学から自閉症を考えていきます。

 そうすると、いつも一人で遊んでいる子どもさんや、うまく周りとコミュニケーションが取れないなど、自閉症を心配されるような子どもさんの発達の不安の原因が障害以外の視点から見ていくことができます。

 今回お話ししたのは、1990年代にイギリスのウタ・フリスが、認知心理学の立場から提唱した「心の理論」です。

 「心の理論」は、人の心の状態を「推定」し、それに基づき、人の行動を「解釈」し、「予想」する能力のことで、目に見えない心の状態を推測し、解釈し、行動を「予測」するので「理論と呼ばれています。

 1970年ころから、ロンドンを中心に自閉症の研究が盛んに行われ、「心の理論」もそこから生まれた考え方で、ウタ・フリスは、自閉症児には何らかの原因でこの「心の理論」が欠けていると考え、社会的認知の基礎となる、ある種の認知的機構の欠陥を示唆する「認知障害説」の一つです。

 療育教室 楽しい広場は、子どもさんたちの発達の不安の原因を、障害以外から考えていく「発達療育」を行っていますが、「心の理論」はその基盤の一つでもあります。

 具体的な自閉症の迷信については、別稿のブログで説明をしてまいります。