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izawaさんのブログ

2007/12/13(木) 10:09 | izawa

 今回から、何回かに分けて、「どういう」子どもさんの発達を、「どのように」親御さんに説明をするかについて、述べていきたいと思います。今回は、その前に、発達を説明する上で、重要な基準となる「3才の発達」について述べていきたいと思います。

☆3才の発達のポイントとなる特徴

(身体の動き、運動)

・歩く、走る、跳ぶといった基礎的な運動能力がほぼ完成する。

(手指、腕の動き)

・ボタンかけができる。→両手操作であり左と右は別の要素で構成されている。

(認 知)

・「知覚する力」の向上 → ものの違いだけではなく、意味や用途などが分かる。

・「ごっこ遊び」の出現 → 人や周りの状況を見ながら、物事の真偽の判断を棚上げしつつ、想像的な活動をして遊ぶ。 

・時間の観念(過去・現在・未来)の形成。

(言 語)

・言葉によるコミュニケーションの完成。

・筋のある話ができる。 

・基本的な動詞、形容詞が分かる。

(情 緒)

・3才の反抗期(自我の芽生え) → その子らしさを形作っていく。

(人とのかかわり・社会性)

・「連合遊び」の出現 → お互いにおもちゃのやりとりをして遊ぶ。仲間の行動や存在に関心を寄せる。

・「自律性」の伸長 → 人や周りの状況を見ながら、自分をコントロールして行動することができる。

☆3才の発達の特徴

1 言葉を使ってコミュニケーションをし、思考する、という「言葉の世界」になっていく。

2 いろいろな発達の面で、大きな変化が表れる。

3 「3才の壁」「3才の危機」と言われるように、とても、複雑な様相の発達の段階に入っていく。

☆3才の発達の持つ意味

 知的な発達に遅れをもっている場合、3才の頃からその遅れはどんどん大きくなっていく場合が多いと考えられます。また、自閉症など発達障害をもっている場合、人とのかかわり方が、はっきりとした形で表れてくる3才の時期に、明確にその障害を確認することができやすいと、考えられます。実際に知的な遅れがあって、その子どもさんがどのくらいの知的な発達の段階なのか、を把握する上で、3才の発達は重要な基準となります。また、子どもさんが、実際に知的な発達に遅れがあるのか、自閉症などの発達障害があるのか、それとも正常な範囲の中での発達の遅れなのか、の判断が微妙な子どもさんについては、3才の時期が子どもの発達上の大きな節目であることから、適切な時期と考えられます。

 最近、1才半健診後、言葉が遅い、行動が遅いなどの理由でチェックが入り、その後、医師から子どもさんが自閉症や知的な発達の遅れといった診断を受けているケースが、楽しい広場の療育相談の中にあります。結論的に言いますと、それは非常に危険なことだと思います。つまり、確かに発達の遅れがあったとしても、正常な発達の範囲における個人差と、見間違う可能性が十分にあると考えられます。その場合は、3才まで待ち、その段階であれば、発達上の大きな節目の時期なので、知的な発達の遅れの有無、自閉症などの発達障害の有無がある程度はっきりしてきますので、的確な判断を下すことができると考えます。

 子どもさんの知的な発達の遅れや、自閉症などの発達障害の診断・判断は、3才を基準にして、行うべきであると考えます。

 みなさん、いかがでしょうか? 

2007/11/19(月) 01:55 | izawa

 確か昨年だったと思いますが、テレビのドキュメンタリーで、ダウン症である1才の男の子どもさんの、若いお父さんとお母さんをテレビクルーが取材をする番組がありました。男の子どもさんは、鎖肛(肛門が開かれていない)の合併症があり、大学病院で手術をすることになりました。若いお母さんが1才の息子を手術室に見送るときの様子は、見ている我々も胸が締め付けられるようでした。

 前の日、このお母さんは、日記に「このまま私が泣いていてはだめなんだ。この子の母親は、私なんだ。」と書き記しました。このときが、実は、若いお母さんが母親になった瞬間、つまり母親を自覚した瞬間、更に言えば、「私がこの子を守っていくんだ。」と、覚悟をした瞬間だったように思います。感動的な瞬間でした。

 さて、よく考えてみると、日本でも世界でも、これまでたくさんのお母さんがこの瞬間を経てきているんですね。若いお母さんだけではなく、今、いろいろな親の会などの役員をされて、たくさんの親御さんたちを引っ張っておられるお母さん方も、実はこの瞬間を経ているんですね。障害をもって生まれた子どもさんのお母さん方は、健常と言われる子どもさんたちのお母さんよりも、「自分がこの子の母親なんだ。」と、自覚するときが、非常に早い時期に、そして明確にやってくることが多いのでしょうね。

 しかし、「この子を守らなくちゃ。」と覚悟をしたお母さん、そしてお父さんは次の瞬間、「これから、どうしよう。どう育てよう。」と思うのではないでしょうか。私はこれまで、療育相談のボランティアを20年間、知的障害の養護学校教諭を25年間行ってきましたが、脚を棒にしていろいろなところへ行き、相談をしても、なかなかその答えが分からず、大変苦労されたお母さん、お父さんをたくさん見てきました。

 今年の4月に「NPO法人 療育教室 楽しい広場」を立ち上げ、活動を行っていますが、その最大の目的は、知的な発達に遅れをもつ子どもの親御さんに対して、その子育てについて、適切なアドバイスをしたい、落ち着いて、前向きに子育てをしてほしい、というものでした。それは今も変わりません。そのための理論、方法論を生み出し、実践していくのが「療育教室 楽しい広場」の重要な役割だと信じています。

 楽しい広場の重要な具体的な目的は、次の2つです。

(1)子どもさんの知的な発達の実態をつかみ、親御さんに説明する。

(2)子どもさんの「考える力」を伸ばすために、療育(意図的な働きかけを行う)

  を行う。

たくさんの子どもさんを「育てる」ために、親御さんの子育てを応援するために、楽しい広場は、役立ちたいと願っています。 

2007/11/11(日) 17:17 | izawa

 先日、就学前の自閉症と診断された子どもさんに、行動療法を基本にした療育を行っているセラピストとお話をする機会がありました。まだ、20代の若い方でしたが、ビデオも見せていただき、なかなか小気味の良い療育の様子でした。

 考え方として、環境の構造化を行い、強化刺激を使い、ときには追加刺激(プロンプト)を入れ、望ましい行動を生起させ、最後は刺激を消去し、構造化した環境をもとの環境に戻していく、というものでした。オーソドックスな行動療法という印象でした。子どもの発達課題を見いだしていくとき、私の場合は、子どもの知的な発達段階やその実態をまず把握して、それに応じた「考える力」に関する内容を中心に働きかけていく、というやり方ですが、その方の場合は、だぶん100項目はあると思われますが、いろいろな「生活課題」という視点から、その子どもさんの発達課題を見い出していくというやり方で、その違いがはっきりと分かり、とても参考になりました。

 行動療法(行動変容法とも言います)、あるいは行動分析を使った技法という言い方をする場合もあるかと思いますが、それらは日常の生活や指導場面でも意識する、しないにかかわらず、よく使われていると思います。私も、机をはさんで子どもさんと一対一で指導をしているとき、正解をした場合はそのつど、拍手をしたり、握手をしたり、ほめたりを必ずしています。これは、強化刺激として使っている訳で、行動療法の技法です。

 ただ、時々、行動療法で子どもさんの療育・教育をすべて網羅できる、という方が見受けられます。人間というのは、行動療法ですべてを語れるほど単純なものではないと、私は思っています。行動療法を、いかに有効的に使っていくかが大事と思います。そういう意味でも、今回、私がお会いしたセラピストのように行動療法をきちんとした形で使い、効果を出していく方々がたくさん出られることも大いに期待しているところです。

 

 

 

 

2007/11/11(日) 16:38 | izawa

 10月17日に「楽しい広場の療育の理論と方法」をこのブログで完成させましたが、当然のことながら付け加えるべき内容がどんどん出てきます。今後はそういう内容をこのブログの中でも取り上げていこうと思っています。

まず、我々「療育教室 楽しい広場」の活動の原点をもう一度確認いたします。

☆療育の対象

1 「言葉が遅れている」「行動が遅い」「健診で医師に発達の遅れの可能性を指摘された」等、発達に不安をおもちのの子どもさんと親御さん。

2 知的な発達に遅れをもつ子どもさんと親御さん。

3 自閉症などの発達障害との診断を受けた子どもさんと親御さん。

☆楽しい広場の療育の考え方

1 子どもさんの知的な発達段階に応じた、適切で「意図的な働きかけ」を行い、子どもさん自身の「育つ力」を引き出し、発達を促す。

2 親御さんに対し、子どもさんの知的な発達の段階、実態を説明する。

3 子どもさんの「考える力」「判断する力」を伸ばすことを大きな目的とする。

4 基本的に、家庭で療育を行い、そのためのアドバイス、支援を行う。

☆「意図的な働きかけ」について

  認知的な発達を中心に、知的な発達に遅れをもつ子どもさんに対し、発達を促していくためには、ただ、たくさんの子どもさんの中に入れて遊ばせたり、自分から遊びを見つけていくように見守るだけでは、子どもさんの発達は促せない、ということです。

 例えば、認知的な発達の遅れは、言葉やコミュニケーション、自律性・社会性などを含めた「知的な発達」のみならず、運動や手指の巧緻性、情緒など発達全体に影響を及ぼします。であれば、逆に言うと、認知的な発達を中心に知的な発達を伸ばしていけば、他の発達も伸びていく可能性が高くなる、と考えられます。ただ、認知的な発達を中心とした知的な発達を促していくとき、他の健常と言われる子どもさん方と同じやり方では、遅れが大きくなる一方です。そこで、親御さんや療育者が適切で「意図的な働きかけ」をすることにより、発達を促す必要があります。

☆子どもさんの「育つ力」を引き出す

 「意図的な働きかけ」をするという意味は次のようなことです。

 発達が遅れているということは、どの子どもさんも持っている「育つ力」が、何らかの障害のため、あるいは何らかの原因で十分に引き出されていないのではないか。であるならば、子どもさん自身の「育つ力」を引き出し、自分自身でその力をぐんぐん伸ばしていけるように働きかける、それが我々が言うところの「意図的な働きかけ」ということです。

☆子どもさんの知的な発達段階を説明する。

 基本的に、子どもは生活年令に応じて、相応の知的な発達を遂げていきます。しかし、知的な発達に遅れがあると、生活年令に応じた知的な発達に大きな遅れが生じてきます。子どもは、ども子どもも、自分の発達に応じた適切な働きかけを受けることにより発達し、成長していきます。知的な発達に遅れをもつ、あるいは発達障害をもつ子どもさんについても、同じことが言えます。であるならば、当然、その知的な発達段階、実態を正確に把握し、親御さんに説明をし、共通理解をした上で、療育を進めていくことが重要となるのです。

2007/11/06(火) 20:40 | izawa

 「楽しい広場の療育:理論と方法」を完成してから少し時間が経ちましたが、「目次を作るともっと見やすいのでは?」というご意見をいただき、まさしくその通りです。今回、その目次を作ります。活用していただけるとありがたいです。

★「楽しい広場の療育:理論と方法」の目次

《3ページ》(古い順番から)

○第1回 楽しい広場 療育セミナー開催のお知らせ

○第1回 楽しい広場 療育セミナーの報告(1)

○第1回 楽しい広場 療育セミナーの報告(2)

○楽しい広場の療育の理論と方法

 「知的な発達」とは?

○ピアジェの認知発達論の特徴

○具体的な認知的発達段階

 

《2ページ》(古い順番から)

○認知的な発達段階の具体的な把握の方法

○幼稚園の面接時における、知的な発達に遅れをもつ、あるいは発達障害をもつ子どもの把握の方法

○言葉の発達の把握

○人とのかかわり・コミュニケーションの発達からの把握(1)、人とのかかわりの発達

○人とのかかわり・コミュニケーションの発達からの把握(2)、コミュニケーションの発達

○自律性の発達(1)

○自律性の発達(2)

○自律性の発達の把握

○第2回 楽しい広場 療育セミナー開催のお知らせ

○知的な発達の遅れや他の発達障害の確認(1)、「知的な発達の遅れ」か「正常な発達の範囲」か

○知的な発達の遅れか他の発達障害の確認(2)、他の発達障害の可能性

 

《1ページ》(古い順から)

○適切な療育の方法、Ⅰ療育の構造

○適切な療育の方法、Ⅱ知的な発達の遅れに対する療育の基本(1)

○適切な療育の方法、Ⅱ知的な発達の遅れに対する療育の基本(2)

○適切な療育の方法、Ⅱ知的な発達の遅れに対する療育の基本(3)

○子どもの問題行動:Ⅰ幼児期における問題行動y

○子どもの問題行動:Ⅱ問題行動の原因

○子どもの問題行動:Ⅲ幼児期の問題行動に対する取り組み

○第2回 楽しい広場 療育セミナーがもうすぐです。

○「楽しい広場の療育:理論と方法」の完成

以上。

2007/10/17(水) 02:50 | izawa

 8月21日から書き続けてまいりました、「楽しい広場の療育:理論と方法」が、10月14日付けの「子どもの問題行動:幼児期の問題行動に対する取り組み」で完成の運びとなりました。この後は、実践編の「知的な発達に遅れをもつ子どものひらがなを読む指導」(A4版6ページ)を何回かに分けて掲載する予定です。このほかに、資料として、「ダウン症児の運動発達段階表(0才~17ヶ月)」と「子どもの発達の概略表(0才~6才)」がありますが、これらはこのブログに掲載するのがむずかしく、添付資料で送ってもセキュリティの関係で開けない状態のようですので、使いたい方はご連絡をいただければ無料で郵送いたします。

また、上記のひらがなを読む指導のあとは、「精神遅滞と自閉症の違いと指導方法について」を掲載する予定でいます。

 

その後は、「精神遅滞と自閉症の違いと指導方法」について、また、何回かに分けて掲載する予定です。

 

2007/10/14(日) 17:23 | izawa

 第2回 楽しい広場 療育セミナーが来週の日曜日の10月21日(日)

に行われます。

 9時30分~12時までの予定で、札幌市中央区にあります札幌市福

総合センター3階の第3会議室です。

 ★今回は次のことを中心にお話をします。

1 子どもの主に0才から6才ぐらいまでの、知的な発達の「流れ」

「過程」を、楽しい広場が作成した「発達の概略表」で説明します。

2 0才から6才ぐらいまでの、「認知的な発達」の把握について、絵

カードを使った具体的な方法を説明し、実際に子どもさんと実演をし

ます。

3 幼児の問題行動について、その原因と対応について説明します。

 ★子どもさんに来てもらっての療育指導の実演の予定しています。

 ★当日、療育相談を予定していますが、まだ応募がありません。

  どうぞ、たくさんの応募をお待ちしています。。

 

  みなさん、どうぞいらしてください。子どもの発達のこと、

障害のこと、療育や指導のことを話し合っていきましょう。

  「療育教室  楽しい広場」

    電話・FAX    011-811-1757

    メールアドレレス    mail@tanoshi-ryouiku.com

2007/10/14(日) 14:53 | izawa

1 知的な発達に遅れがある場合

 この場合大切なのは、子どもの認知的な発達段階を中心とした、知的

な発達段階を正確に把握し、その発達段階に応じた取り組みをすること

である。

(1) もし、知的な発達段階が3才未満であれば、他の人は意識してい

ても、他の子どもとやりとりをして遊ぶ、ということはむずかしく、自律性

という点から見ても、人を意識し、親や療育者からの命令や禁止は受け

入れることはできても、自分で自分をコントロールして行動するということ

はむずかしい。また、認知・言葉の面から言っても、発語があったとして

も基本的な動詞や形容詞を十分理解しているとは言えない。

 この場合の対応としては、自分や他の人たちに関しての危険な行動に

ついてはきちんと親や療育者の禁止や命令を受け入れるようにさせて

いくことが必要である。そして、他の子どもたちとのかかわりについては、

親や療育者が援助しながら、かかわる場面を経験させることが必要であ

る。そして、認知的な発達を中心として、知的な発達を伸ばしていくことが

重要である。

(2) 知的な発達段階が3才以上の場合は、自律性の発達、つまり「自分

で自分をコントロールして行動する。」ことの不十分さが一番に考えられる。

もし、発達年令相応の自律性の発達が不十分であれば、それを伸ばして

いくための働きかけが必要である。「自律性」の発達のための働きかけの

方法については、「療育の基本」のところで述べてあるので、参照をしてい

ただきたい。

2 何らかの原因による不適応行動の場合

(1)生活経験が乏しい場合、その経験を増やしていくことが必要である。

ただし急に増やすのではなく、戸惑いや不安のないように徐々に、かつ

確実に増やしていくことが重要と考えられる。

(2)不安定になりやすい生活条件の変化がある場合、すぐにはそれらの

条件を子どもに合わせて更に変えるということは、なかなかむずかしい

ので、子ども本人へ悪影響を及ぼしていると思われるところを、親や療育

者がなるべく緩和してあげるよう配慮して生活をする必要がある。特に、

何が悪影響を子どもに及ぼしているかを正確に把握することが肝要であ

る。

(3)自律性の未発達の場合については、前述したとおりである。

3 他の発達障害がある場合

 さて、問題行動の原因が知的な発達の遅れでも、何らかの原因による

不適応行動でもないとしたら、自閉症、アスペルガー症候群、注意欠陥

/多動性障害(ADHD)などの発達障害によるものではないかと考えら

れる。これらの診断の基準は前述してあるが、要するに基本的なポイン

トは、「人を見て行動しているか?」ということである。つまり、これらの発

達障害に共通した問題は、「人を意識し、相手のことや周りの状況を考

えて行動することが、質的障害のために苦手である。」と考えられるから

である。

 そして、これらの発達障害が疑われる場合の対応は、次の二通り考え

られる。

(1)人とのやりとりや周りの状況など本人を取り巻く環境を、意図的に

シンプルに設定し、混乱する状況を極力少なくして、毎日の生活を過ご

すようにさせる。

(2)最初は、人とのかかわり方や周りの状況などの、本人を取り巻く環

境をシンプルに設定するが、徐々に、いろいろな種類の、いろいろな程

度の、それらの環境を経験させ、適応の範囲を広げていく。 

 我々、「療育教室 楽しい広場」では、後者の方法をとる。質的な障害

があるために人とのやりとりや、周りの状況を考えて行動することが苦

手であると考えられるとしても、今後、そういう能力が全く伸びないと、

言い切ることはできない。ましてや、人とかかわることや、周りの状況を

考えて行動することは、人間として生きていく上で、非常に重要なことで

ある。であるならば、徐々にでも、そういう能力を育てるような意図的な

働きかけは必要である。

 やはり、発達障害をもっていたとしても、知的な発達に遅れをもってい

たとしても、「発達し、人として成長していくのである。」から、それは当然

のことであろう。

2007/10/13(土) 13:34 | izawa

 幼児期における問題行動は、幼稚園・保育園・療育施設などにおいての、

日常生活の中でよく見られる行動である。そして、それらの行動が3~6ヶ

月程度の長期にわたって、継続的に現れている場合、根本的原因の究明

と、問題行動の改善に対する対応が必要になる。ここで考える問題行動は、

上記のような、長期にわたって継続的に現れている場合についてである。

 さて、このような幼児期の子どもに問題行動が現れたとき、原因として、

次の3つのケースが考えられる。

1 知的な発達に遅れはないか。

 幼児期の問題行動は、子どもが発達していく中で現れてもおかしくない

行動であるが、それが長期にわたって継続している問題行動として現れ

ている場合は、何らかの原因があると考えられる。

 その中で、はっきりとした原因と考えられるのは、知的な発達に遅れが

ある場合である。知的な発達に遅れがある場合、発達のいろいろな面に

影響してくるので、問題行動として現れてくることは十分に考えられる。幼

稚園や保育園では、まず、知的な発達のうち、基礎となる認知的な発達

の発達段階を把握することが重要になる。この方法については、絵カード

を使った具体的な方法を前述しているので、参照していただきたい。特別

に、知能検査や発達検査をしなくても、臨床的に把握が正確にできるは

ずである。

 もし、ここで認知的な発達に遅れがある場合は、他の言葉やコミュニケ

ーション・自律性などを含めた、知的な発達段階に応じた働きかけを行い、

知的な発達を伸ばしながら、日常生活の中での生活経験を拡大していく

ことが必要である。

 それでは、知的な発達に遅れがない場合はどうか。

2 何らかの原因による、不適応行動ではないか。

 知的な発達に遅れがないと分かった段階で、次に考えられるのは、何

らかの原因による不適応行動である。原因は大きく分けると、次の3つが

考えられる。

(1)生活経験の乏しさ

 問題行動の多くは、人とのかかわりの中で起こるものである。この場合

の生活経験の乏しさの中心となるのは、①家庭内での経験、例えば一人

っ子であること、親や兄弟との接触の機会が少ないなど、②公園での遊び

や他の子どもと一緒にいることの極端な少なさ、③買い物など人の多くい

るところにいることの経験の少なさ、などが考えられる。

(2)不安定になりやすい生活条件の変化

 例えば、本人の視力や聴力が弱くなる、アレルギーなどの特異体質が

顕著になる、兄弟姉妹ができた、親の放任、引っ越しで家が変わる、親の

離婚や再婚などが考えられる。特に、感受性の強い子どもは、チックなど

の症状も伴うことも考えられる。

((3)自律性の未発達

 「自律性」とは、「自分で自分をコントロールしながら行動することができ

る。」ということを意味している。3・4才~6才ぐらいにかけて急速に伸長し

ていく。実は、生活経験が乏しいため、この「自律性」が発達せず、問題行

動となって現れてくるケースが幼稚園や保育園で十分起こりうるのではな

いか、と考えられる。

3 他の発達障害が原因ではないか。

 もし、知的な発達に遅れがなく、何らかの原因による不適応行動ではな

いとしたら、他に考えられるのが、割合的には少ないと思われるが、知的

な発達以外の発達障害が原因ではないか、ということである。その発達障

害として考えられるのが「自閉症」「アスペルガー症候群」「注意欠陥/多動

性障害(ADHD)」「学習障害(LD)」などである。

 ただ、ここで一つだけ強調しておきたいのは、幼稚園・保育園・学校など

において、これらの障害の判断は慎重に行われるべきである、ということで

ある。これらの障害の原因はまだ分からず、医師においての診断も行動面

の特徴からの診断が中心であり、行動だけを見ると、障害をもっていない

子どもでも十分に起こりうる、と考えられる。発達の不十分さからくる一過

性のものなのか、障害が起因するものなのかは、きちんと見極めなければ

ならない。 

  

2007/10/08(月) 22:31 | izawa

1 幼児期おける問題行動

 ここでは、幼児期における問題行動について考えていく。つまり、幼児期における問題行動とは何か、何が原因と考えられるか、問題行動をなくするためにはどのような取り組みが必要か、ということである。

 幼児期、特に3才~6才ぐらいまでの子どもについて考えられる顕著な問題行動は次のようなものがある。

(不注意)

①他の子どもが遊んでいるところでもかまわず動き回る。

②はさみを持つと、周りの物や他の子どもの服などあたり構わず何でも切ろうとする。

③マジックを持つと、周りのどこにでも描こうとする。

④他の子どもとかかわることが少なく、一人でいろいろなところへ動き回りながら遊ぶことが多い。

⑤他の子どもから話しかけられても反応が少ない。

 (多動性)

⑥しばしばじっとしていない。

⑦教室で座ってする集団活動(お話を聞く、絵本を見るなど)で、すぐ席を離れる。

⑧静かに遊ぶということができない。

⑨集団行動(みんなで他の場所へ移動する、整列して歩く、みんなで待つなど)ができず、動き回る。

(衝動性)

⑩しばしば順番を待つことが困難である。

⑪しばしば他人を妨害したり、邪魔する。