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izawaさんのブログ

2022/01/27(木) 20:13 | izawa

 療育教室 楽しい広場では、令和4年2月6日(日)に「第22回 札幌療育セミナー」の開催を予定しておりましたが、札幌市のコロナウイルスの感染拡大の状況を考慮いたしまして、開催日時を令和4年3月13日(日)10:00~に延期をして、開催することにいたしました。

 はなはだ残念ではありますが、延期をした上で、落ち着いてしっかりと開催いたしたいと願っております。詳しくは、ホームページメニューの「療育セミナー」をご覧ください。

 どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

2022/01/24(月) 13:47 | izawa

 療育教室 楽しい広場の早期療育の方法論である「発達療育」の最大の特徴は、幼児期の子どもさんの発達の遅れや問題行動などの発達の不安の原因を「障害以外」から考えていくことです。

 「障害以外から」とは、どういうことかと言いますと、例えば、3才になっても発語が10個くらいで、言葉の遅れがある子どもさんがいるととします。

 発達療育では、まずそこで子どもさんの「発達の実態」を把握します。内容は2つあります。
 1つは、認知、言葉、コミュニケーション、人とのかかわりなどのそれぞれの発達の発達段階を確認します。その場合、楽しい広場で作成した「子どもの発達概略表」を基準にして発達段階を把握していきます。
 2つ目は、生活経験の仕方です。これまで、家庭や幼稚園・保育園などでどのような生活経験をしてきたかを、お母さん、お父さんからお話を伺います。 

 子どもさんの発達の実態を把握した後、この子どもさんの発語が遅れた原因として、発語に必要な生活経験のうち、何かが不十分だったのではないかと考えます。その、不十分と考えられる生活経験が分かればそれを補充する形で、更に積み重ねて、発達の遅れを改善していきます。これが、「障害以外から」原因を考える発達療育のやり方です。

 発語が遅いとき、「障害が原因」と考える方々はたくさんおられますが、「障害以外」から原因を考える方は、少ないと思われます。ということは、「じゃあ、障害以外に何が原因なの」と問われたときに、具体的に答える方が少ないということです。

 そこで、その「障害以外」の原因と具体的な改善の方法を記したのが、2020年9月に、療育教室 楽しい広場が作成し、北海道デジタル出版協会から出版しました電子書籍『障害以外から原因を考える「発達療育」』です。そこには、発達療育の基盤となる理論、考え方もきちんと載せております。

 「なんでうちの子が自閉症なの?」「自閉症だとは思えないのだけれど、でもこれからどうやってこの子を育てたら良いのだろう」と不安や苦悩の中におられるお父さん、お母さん。是非、この楽しい広場の電子書籍を読んでみてください。具体的な発達の不安ごとに、考えられる原因や改善方法が書いてあります。ぜひご一読ください。

 詳しくは、ホームページメニューの「本の紹介」をご覧ください。

 

 

 

2022/01/20(木) 12:49 | izawa

 療育教室 楽しい広場の発達相談の中で、お子さんの発語がなかったり、少なかったり、遅かったりしている場合、親御さんに「子どもさんと一緒に遊んでください」とお話ししています。

 例えば、お母さんがお子さんと一緒に遊ぶとどうして言葉が出るのか?その答えはこうです。

 まず、遊ぶときはおもちゃなど物を使って遊びます。例えば、アンパンマンの積み木で一緒に遊ぶとします。積み木の中には、アンパンマンもいれば、バイキンマン、ジャムおじさん、ドキンちゃんなど、たくさんのキャラクターがいるとします。この場合、積み木のかたまりと子どもさん、そしてお母さんのトライアングルの関係になります。これを、発達心理学では「三項関係」と言います。

 実は、この「三項関係」が、言葉の発達にとってはとても重要となってきます。この「三項関係」により、例えば、お子さんとお母さんがアンパンマンの絵の描いてある積み木を手に取って一緒に眺めたり、ドキンちゃんの絵が描いてある積み木を「かわいいね」とお母さんが言いながら一緒になぜたり、お互いに持っていた積み木を交換したり、自分の大好きなアンパンマンの積み木をお母さんを見ながら指さししたり、近くにあったジャムおじさんの絵が描いてある積み木をお子さんがお母さんに手渡ししたりします。

 この状態でお子さんとお母さんは「経験を共有し合っている状態」です。つまり、アンパンマンの積み木で遊ぶという経験を共有することです。それによって、上記のようなやりとりが生まれ、それに応じて、お子さんはまだ発語がなくても、お母さんの言葉、そしてお互いの言葉以外の、例えば声、動作、表情、しぐさなどの手段を使って、思いを伝え合います。この「伝え合う」というのが一つの重要なポイントです。

 そして、もう一つ重要なのが、アンパンマンやバイキンマンなどのキャラクターを「アンパンマン」「バイキンマン」という言葉で置き換えて覚えるということです。当たり前のことのようですが、これは「あるものをそれとは異なるもので代表させること、表すこと」である「象徴機能」が発達していくことです。この「象徴機能」は言葉の発達にとても重要な役割をします。

 まとめますと、お母さんがお子さんと、例えばアンパンマンの積み木で遊ぶということの中には、それによって、言葉の発達に重要な「伝え合う」経験、そして「象徴機能」の発達という二つの内容が含まれているということなのです。

 ですから、お子さんに発語の遅れがある場合、お父さん、お母さん、是非ご一緒にお子さんと遊んでみてください。

 今回は以上です。

 

 

 

 

 

2022/01/19(水) 13:05 | izawa

 今から30年くらい前と思いますが、当時、人の顔の表情をビデオに録画をし、口、目と鼻、そして眉と額(ひたい)の三つの部分に分け、それぞれの部分の変化の組み合わせから、情動(感情の動き)を特定していく方法が開発されて、表情を詳細に分析することが可能になったそうです。

 それを用いた新生児や乳児の表情の分析の研究があります。それによると次のようなことが分かりました。

(新生児)
  → すでに嫌悪、興味、満足などの情動を表出いているのではない
    かと考えられる。
(3か月ころ)
  → 悲しみ、驚き、喜びなどの表情が現れる
(6か月ころ)
  → 怒り、恐れの表情が現れる。

 つまり、よく言われる「喜怒哀楽」の表情は、生後6か月くらいまでには現れる、ということです。そして、別の研究で、これらのような表情は、生まれつき目が見えない乳児であっても基本的に出現することが分かっています。

 そこから言えるのは、それらの表情は「生得的に準備されているのではないか?」と考えられるということです。ということは、生後間もなくから母親など周りの大人はいろいろ働きかけをしていくのですが、「表情が生得的に準備されている」としたら、周りの大人は、働きかけの中での子どもの表情を読み取りながら、あるいは確認しながらコミュニケーションをしていくということになります。
 つまり、情動を介しての情動によるコミュニケーションが行われていくということです。それによって、子どもの表情がどんどん現れてきます。

 さて、以前テレビで仏教の仏像を作る「仏師」と呼ばれる方のお話を聞いたことがあります。
 木の仏像を作るとき、木をノミで彫っていく中で、仏の像を作るというより、木の中から仏が現れるのです、とおっしゃっていました。そして、仏像が出来上がった後、人々の祈りによって仏像に心が入ります、ともおっしゃっていました。

 もし、子どもの中に人間の情動の表現である「表情」が、生得的に準備されているとしたら、周りの大人の情動によるいろいろな働きかけによって、子どもの表情が現れてくるのでしょう。そして、3才頃から自分の、そしてほかの人の「心」の存在が意識されてきます。

 こう考えると、まずは3才頃までは、周りの大人が子どもさんに対して豊かな働きかけをしていきたいものです。仏像で言いますとまずは仏像を作るということです。そのあとは、仏像は仏師の手を離れ、たくさんの人々の思いの中に置かれます。子どもも、3才を過ぎるころから、大人中心から周りの子どもへとかかわりの範囲が広がり、経験も広がっていきます。仏像で言いますと「心」が入っていくのでしょうね。

 今回は子どもの表情のお話をしました。子どもに対するどういう働きかけが良いのか悪いのかを語り出せば、到底ここでは収まりきれませんので、また別の機会にいたします。ただ、「表情が乏しいな」と感じられる子どもさんがいたら、お父さん、お母さんと少しお話をさせていただいたら良いかもしれません。

 今回は以上です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022/01/17(月) 17:20 | izawa

 療育教室 楽しい広場の発達相談などでは、
「子どもさんが活動をする上で、お母さんが安全基地になっています」
あるいは
「子どもさんはお母さんの安心感の上で活動を拡げています」
というような言い方をします。つまりは、「子どもさんの発達において、お母さんは中心的な重要な存在ですよ」ということです。

 人間の親子には、「愛着関係」という緊密で情緒的な関係があります。それによって、本来無防備で独力で生きていけない乳児は生きていくのですが、その中心が「おかあさん」であるということです。

 では、なぜその中心がお母さんなのか?元々お母さんにそういうものがあったのか?というと、そうではありません。
 発達心理学の中で、1970年代にイギリスの児童精神科医のボウルビィという人が提唱した理論があります。それは、カモやガンなどの鳥の雛(ひな)が、生後間もない時期に最初に出会った対象(親鳥ではなく人間でも良い)の後追いをし、絶えずくっついていようとする現象が知られていますが、人間にも同様なことがあるのではないかと考えました。そして、人間にも「最初の接触による慰めや安心感」を与えてくれる存在にくっついていることが重要である、という理論を提唱したのです。
 そう考えると、その存在はさいたいお母さんになるということです。ただし、事情によっては、それが「おばあさん」になったり、「お父さん」になったりすることもあり得るということです。

 療育教室 楽しい広場では、このボウルビィの理論を元にして考えています。

 それから、もう一つ付け加えることがあります。「お父さんのかかわりは重要ではないのか?」というご質問があるかもしれません。
 もちろん、お父さんおかかわりも大切です。ご夫婦で協力してかかわることは大歓迎です。

 以上です。

 

 

 

 

 

 

 

 

2022/01/13(木) 13:20 | izawa

 新しい年を迎えて、早くも2週間が過ぎようとしています。

 そういう中で、お子さんの発達に不安をおもちのお父さん、お母さんいらっしゃいませんか。

 2才・3才になっても言葉が出ない、出たとしてもほんのわずか、会話をするとき自分の話を一方的にしてしまう、突然違う話をし始める、こちらが言っていることを理解しているかどうか分からない、一斉指示が通らないと言われた、3才児健診で言葉が遅く早期療育を勧められたがどうも納得がいかないなど、いろいろな発達の不安があります。

 保健センターの看護師さんや心理士さんは、発達相談や健診などで、言葉などの発達の遅れがあると、自閉症などの発達障害を考えます。考えても良いのですが、その他の可能性については、説明をしてくださる場合は、少ないようです。

 療育教室 楽しい広場では、「障害以外」から原因を考えます。例えば、3才で、言葉が10個程度のお子さんがいたとしたら、まずそのお子さんの「発達の実態」を把握します。「発達の実態」とは、一つは、認知や言語、コミュニケーション、人とのかかわりなどの発達の発達段階、そしてもう一つは「これまでの生活経験の仕方」です。

 この二つからお子さんの発語の遅れの原因を明らかにします。具体的には、発語の発達に必要な生活経験のうち、何かが不十分だったのではないかと考えます。そして、その不十分だったと考えられる生活経験が分かれば、それを補充する形で、更に経験させることで、発達の不安を改善していくものです。

 目の前に「自閉症」あるいは「発達障害」という言葉が現れて、「えっ、なぜ?」「どう考えても自分の子どもが発達障害と思えない」「これからどう育てていったらいいんだろう」と悩み、苦しまれているお父さん、お母さんがおられましたら、お子さんの発達の不安を「障害」という視点からではなく、「これまでの発達の仕方」という視点から、療育教室 楽しい広場は、発達の不安の原因を説明し、改善の方法を提示いたします。

 楽しい広場の「こども発達相談」と「ことば伸び伸び教室」の1月の開催は、16日(日)と23日(日)です。詳しくは、ホームページメニューのそれぞれのコーナーをご参照ください。

 お待ちしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2022/01/02(日) 14:31 | izawa

 令和4年、2022年、明けましておめでとうございます。こちら札幌は、元旦は少し雪が降りましたが、今日の正月2日は、穏やかな晴れの日です。

 昨年はコロナの試練の年でした。楽しい広場も、多くの方々と同様に活動が大幅に縮小になりました。しかし、外での活動ができなった分、楽しい広場の根本である「子どもの発達概略表」の改訂作業を続けています。

 認知、言葉、コミュニケーション、情動、対人関係などのそれぞれの幼児期の発達の流れをまとめたのが、この「子どもの発達概略表」で、このNPO法人 療育教室 楽しい広場を始めたころに作成したのですが、今回は、大幅な改訂を行っています。

 大幅と言っても、〇才で「〇〇をする」というところは、ほとんど変わらないのですが、たくさんの方が使っていただけるように、内容を精選し、更に付け加えるところを付け加えています。

 改訂ができましたら、来年度も札幌や旭川、釧路で予定しています療育セミナーでご紹介し、使っていただこうと思っています。このブログでもお知らせいたします。その発達の概略表の改訂で、「楽しい広場の発達療育」の体系が更に鮮明になって、多くの方々に知っていただき、使っていただけるようにと、願っております。

 本年も、どうぞよろしくお願いいたします。

 

 

 

 

 

 

2021/12/15(水) 12:23 | izawa

 時の流れが速い現代でも、年が明けるときは、やはり立ち止まりたくなります。この12月から来年の1月は、やはりいつもの月超えとは違いますが、それでも、療育教室 楽しい広場の「こども発達相談」と「ことば伸び伸び教室」の来年1月の開催予定をご案内させていただきます。

 来年1月は、16日(日)と23日(日)に行う予定です。会場は、札幌市社会福祉総合センター 第1会議室、料金は、1時間3000円です。

 2才・3才・4才で言葉がわずかしかない、言葉の発達が同じ年令の子どもさんたちよりも遅れている、3才児健診で早期療育を勧められた、友だちとの会話についていけない、一斉指示が通らないと言われたなど、子どもさんの発達に不安があるというお父さん、お母さん、療育教室 楽しい広場は、まず、不安の原因を障害以外から考えていきます。

 それは、例えば、3才で言葉が遅いという場合、子どもさんの発達の実態を把握した上で、言葉の発達に必要な生活経験が不十分だったのではないか、と考えます。そして、その不十分だったと考えられる生活経験を明らかにし、それを補充する形でその生活経験を再度積み重ね、発達を伸ばしていこうとするやり方です。

 今、子どもさんに発達の不安があって相談をすると、その原因を「障害」だとする方々がとても多いと思われますが、実際は「障害」以外にたくさんの原因があり、そして改善の方法があります。

 どうぞ、一度、療育教室 楽しい広場の「こども発達相談」そして「ことば伸び伸び教室」にいらしてみてください。詳しくは、ホームページ メニューの「楽しい広場 こども発達相談」「楽しい広場 ことば伸び伸び教室」をご覧ください。

 お待ちしております。 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021/12/14(火) 14:20 | izawa

 前回のブログの続きです。

 今回の女のお子さんの言葉の遅れが、自閉症などの発達障害でなければ何が原因か、ということですが、お父さん、お母さんのお話を伺っていると、「視覚優位」のお子さんではないかと考えられました。

 このお子さんの場合、一回行った所への道順を正確にいつも覚えていて、とても記憶力が良いと親御さんも感じていたということ、それからアンパンマンなどのアニメが大好きで、アンパンマンのキャラクターの名前も少なくとも10くらいは知っていること、それから、保育園で、この女のお子さんも含めて、まだきちんとしゃべられない子どもさん3人が、保育園の先生から見ると「宇宙語」で会話をしているように見える、というようなことがあるそうでした。

 「視覚優位」の子どもさんについては、2021年10月9日付のブログで詳しく説明をしておりますので、そちらをぜひご覧ください。

 「視覚優位」のお子さんの大きな特徴として、視覚を主に使って、情報を全体的に一括して処理する能力がとても強いと考えられます。写真のようにパチッと情報を取ると考えると分かりやすいと思います。その結果、「視覚優位」の子どもさんの場合、他の子どもさんに比べて脳の中に何倍もの視覚情報が記憶されていると考えられます。そして、例えばアニメのDVDの視覚情報が記憶されているとして、その中にはセリフもあり、歌もあり、それらも視覚情報と一緒に記憶されていると考えられます。

 それらを前提に考えると、今回の女のお子さんの、一度行った所への道順を正確に覚えている、それからアニメが大好きでキャラクターをたくさん覚えている、保育園で宇宙語を話している、という事柄は合点がいきます。「宇宙語を話す」というのは、まだはっきりしゃべられなくても、視覚情報と一緒に記憶されたセリフや歌などが、記憶からあふれてきて、口に出るのではないかと考えられます。

 では、「視覚優位」なお子さんだとして、今回の女のお子さんはなぜ言葉が遅れたのか。その原因はなにか、ということですが、お母さんに伺うと、お子さんがアニメが好きで、テレビを一人で見ている時間が長かったかもしれないとのことでした。もし、その時間が長いとしたら、テレビを相手に一人遊びをしていることになり、裏を返すとお母さんとかかわる時間が少なくなってしまい、お母さんとかかわることでコミュニケーションを経験し、その延長で「言葉」でのコミュニケーションにつながっていくと考えると、お母さんとのかかわりの少なさが言葉の遅れになったのではないかと考えられました。この場合の、お母さんがかかわりの中心であるという点については、2021年12月5日付のブログで説明をしておりますのでご覧ください。

 さて、このように言葉の遅れの原因をお父さん、お母さんにご説明をし、改善の方法をお話ししました。

 基本は、お母さんとのかかわりをもう少し増やしてください、ということです。まず、アニメなどの見続ける時間を少なくし、一日5分でも10分でも良いので、一緒に遊んでほしいこと、それから、一日の生活の着替え、食事、お風呂などの場面で、一言で良いのでお子さんい声掛けをしてほしいこと、それから「視覚優位」のお子さんの場合、順番に記憶していく力が弱くなる傾向があるので、順番に記憶する力がつくような遊び、例えば絵本の読み聞かせ、手遊びなどを時間は短くてよいのでしてあげてほしい、ということを説明しました。それから、今はかかわりの中心はお母さんですが、もちろんお父さんがかかわりを増やすことも大切です、ということもお伝えしました。

 もうすぐ、この女のお子さんが、大人の人やお友だちとたくさんおしゃべりをする日が来ると思います。今はその日がとても楽しみです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021/12/13(月) 15:55 | izawa

 12月12日(日),療育教室を行いました。その中に、3才になったばかりの女のお子さんと、お父さん、お母さんが来られました。ご相談の内容は、3才児健診で言葉の遅れを指摘されたとのことでした。

 それで、当日、まずお子さんにはアンパンマンの積み木を出したところ、喜んで積んだり、並べたりしながら遊び出しました。アンパンマンは好きなようで、お父さんがキャラクターが描かれた積み木を見せると「アンパン(マン)」「バイキン(マン)」などと答えてくれました。また、色のついた積み木を見せると、「あか」「あお」「きいろ」と答えてくれました。親御さんに伺うと、数字も1~10までは言うそうで、はっきり発音できるのは30~40くらいとのお話でしたが、あとで絵カードを見せたときに、不明瞭な発音もありましたが、2文字の単語を結構発音していましたので、実際は、もっと多いと思われました。それから、数は少ないのですが「だっこ して」などの2語文も話しているようでした。

 さて、そのお子さんが先週3才児健診があり、お母さんと一緒に行かれたそうです。医師の問診で「何才?」と聞かれて、3本指を出して「さんしゃい」と答えて、特に問題なしということで通過しましたが、その後に心理士さんが待っていました。なぜ待っていたかと言いますと、1才半健診の時に「言葉が遅い」ということで、今後様子を見ましょうということだったそうです。ここで一度区の保健センターのチェックが入っているので、3才児健診のとき、医師とは別に心理士の面談があったのではないかと推測されます。ここまでは、日本中の3才児健診では、良くある話だと思います。

 さて、心理士のところへ行き面談が始まり、心理士が近くにあったケーキを皿の上に置いてくださいと、3才の女のお子さんに言ったそうです。女のお子さんは、それをしなかったそうです。

 問題は、その後です。お母さんによりますと、ただそれを見ただけで「目が合わない」「人に興味がない」「このままだと小学校入学まで言葉の遅れはどんどん開いていていく」とお母さんに言ったそうです。そして今すぐ早期療育を受けた方が良いから、隣の区役所に行って児童デイサービスの受給者証を取るように勧め、実際にお母さんが手続きをしてきたそうです。児童デイサービスについては、「ピンからキリがあり、立場上どこが良いかは言えないので、親御さんで決めてください」とのことだったそうです。

 お母さんによると、ここまであっという間だったようです。ただ、このあと、おうちに帰って、お父さんと相談をしている中で、自分のお子さんが「言葉が遅い」ことは分かっていたが、今年の4月に保育園に入園し、それから言葉も出てくるようになってきていて、「今の保育園の他に別なデイサービスに行く必要があるのだろうか」と強く思うようになり、療育教室 楽しい広場の発達相談に来られたとのことでした。

 今回のようなご経験をされた親御さんも、たくさんおられると思います。重要な問題がいくつかあるのですが、今回は一つだけ指摘をします。

 それは、公的な健診の中の面談の中で、心理士が、目の前のお子さんが「ケーキを皿の上に置かなかった」だけで、「目が合わない」「人に興味がない」「このままだと言葉の遅れは小学校入学までにどんどん開いていく」と断定したことです。

 普通、常識的に考えて、一つの場面の一つの行動を取り上げて言う言葉ではありません。その人が嫌だったのかもしれないし、恐かったのかもしれないし、緊張していたのかもしれないし、人によって違うのかもしれないし、出せばいくらでも出てきますが、ケーキを皿に置かなかった理由はいくらでも考えられます。であれば、少なくとも時間をかけて子どもさんとかかわり、いろいろな場面を経験させたり、お母さんからおうちや幼稚園での様子を聞き取りをする必要があります。

 ここまで書いてきて、「なんでこんな当たり前のことをここで書かなくてはならないのか」と、つくづく思いますが、実は今回のような例は、これまでの15年間の楽しい広場の相談の中で数件ありました。つまり、少なくとも15年くらい前からあったということです。

 

 さて、それではなぜ心理士がこのようなことを、3才児健診の中で言ったと考えられるか、ということです。

(1)まず素朴にこの心理士に「子どもの言葉の発達」についての専門
   性がないという場合が考えられます。
(2)いくらなんでも、一つの行動だけで「目が合わない」「人に興味
   がない」と断定することはできない、というくらいの常識はもっ
   ているが、今回のケースはどうしても児童デイサービスに行って
   もらうように進めたいという場合が考えられます。

(1)の場合は、「とんでもない話だ」ということです。今回はそれ以上申し上げません。

(2)の場合は十分考えられます。もし、自分の子どもが3才で言葉が遅かったならば親としてどうするか。何としても言葉を伸ばしたい。しかし、自分たちだけではどのようにして言葉を伸ばすか分からない。では、どこへ行けばよいのか?ここでハタと考えてしまします。そして多くが、今回のような健診での発達相談、あるいは保健センターでの発達相談、あるいは病院に行かれる場合もあるかもしれません。そういう中で、今の日本では、多くのところで早期療育を勧めるでしょう。それは、児童デイサービスと通称呼ばれるものです。今回のケースもそうでした。児童デイサービスとは何かと言いますと、正式には、平成24年に改正された児童福祉法に基づく「障害児通所支援」に位置付けられる「障害児通所支援事業所」ということになります。

 その児童デイサービスを進める理由はきちんとあって、実は平成16年に制定された「発達障害者支援法」という法律があって、その中に、市町村は1才半や3才などの健診の際に、「発達障害の早期発見に留意しなければならない」と規定されているのです。その結果、「発達の不安=発達障害の可能性」という図式が出来上がってきたのではないかと、私(伊澤)は考えます。

 つまり、親御さんの中に「障害」という言葉が全くなくても、例えば3才で言葉が遅いという発達に不安のある子どもさんに対する対応は「障害児」としての療育がほとんどであるということです。3才で言葉が遅い子どもさんの言葉を伸ばしたいが、そのためには「障害児としての通所施設」に通わなければならないということなのです。ただただ、「子どもの言葉を伸ばしたい」という親御さんの願いは、障害をもっていなくても、「障害児」にならなければならないと前に進まないということです。

 それでも、その早期療育で言葉が伸びればまだよいのですが、多くの早期療育機関では、障害児として入所してくるのだからこの子どもさんは障害児という前提で考えます。つまり、言葉が遅いということは、障害のためだから、これから将来、言葉の大きな発達は考えられない、という前提で療育を進めたり、単に言葉を伸ばすための専門性がないなどのことが多いように思われます。

 一つここでまとめますと、今の日本で、幼児期の子どもさんで発達の不安がある場合、それを改善するには多くの場合、その原因が「障害」であると考え、障害児として療育を受けなければならないという現実があるということです。

 しかし、今回紹介したケースのような、3才で言葉が遅れているとき、その原因は障害以外にたくさんはあります。しかし、その障害以外の原因や改善の方法をはっきりと提示し、実際に行っているところが、あまりにも少ないというのが残念ながら今の実態と思います。

 その、障害以外の原因と改善の方法を明らかにし、療育教室やセミナーなどでを通じて実践を進め、紹介をしているのが療育教室 楽しい広場です。ぜひ、たくさんの方々に賛同いただいて、多くの子どもさんの成長のお役に立ちたいと思っています。

 今回のような、言葉の遅れを3才児健診などで指摘された場合、あるいはこれから指摘されるかもしれないという不安をおもちのお父さん、お母さん、この楽しい広場の過去のブログの中や、昨年出版した電子書籍『障害以外から原因を考える「発達療育」』の中に、たくさんある「障害」以外の原因を紹介してあります。そして、楽しい広場の発達相談、オンライン相談、メール相談などの中で、ご説明したします。

 発達相談や健診などでの面談の中で「えっ、何で?」「何で障害の可能性なの?」という場面に出くわした場合は、療育教室 楽しい広場をぜひお役立てください。

 長くなりましたが、今回は以上です。