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izawaさんのブログ

2023/09/15(金) 22:34 | izawa

 9月17日(日)に予定しておりました「第26回 札幌療育セミナー」ですが、希望者がごくわずかなため、本日9月15日(金)の段階で、開催を中止といたしました。

 今回は開催できず残念ですが、次回またしっかり計画、準備をして開催をいたしたいと思います。

 どうぞよろしくお願いいたします。

 

2023/09/12(火) 16:01 | izawa

 療育教室 楽しい広場では、来る9月17日(日)に「第26回 札幌療育セミナー」を開催いたします。会場は札幌市社会福祉総合センター 第3会議室です。

 今回のテーマは

「子どもの自主性を伸ばすために、幼児教育は何をすべきか?」です。

 これまでにいろいろな幼稚園や保育園、認定こども園などを見学をさせていただいたり、療育セミナーに参加いただいた先生方とお話をする中で、「子どもの自主性を伸ばす」ということが多くの園でキーワードになっていることが分かりました。そしてどのようにしてそれを伸ばすかというところで、いろいろな試みをされ、ご苦労をされていることも分かりました。

 そこで、今回の療育セミナーでは、療育教室 楽しい広場が推し進めている「発達療育」という考え方や方法論を基本にして、「子どもの自主性を伸ばすために何をすべきか?」について提言をさせていただいて、それを基に先生方と話し合いをしてまいりたいと考えております。

 詳しくは、ホームページ・メニューの「療育セミナー」をご覧ください。

 たくさんの皆様のご参加をお待ちしております。

 

 

 

 

  

2023/09/12(火) 15:45 | izawa

 9月10日(日)、札幌市社会福祉総合センター 第一会議室で、楽しい広場の9月の療育教室を行いました。

 今回は教育相談が1件で、本日は幼稚園の時に初めて相談に来られて以来、節目ごとに来られてきた中学校3年生の男子のお母さんが進路の相談に来られました。

 子どもさんの今の能力や発達の実態と子どもさんがやりたいこと、親御さんの希望、そして現実の学校選択、それらを総合的に考える時間でした。

 10月は8日(日)に行う予定です。

2023/09/05(火) 16:12 | izawa

 いよいよ、言葉の遅れの原因の5つ目です。

 今回は「感覚過敏」です。

 感覚過敏とは、人間のもつ感覚に対する外部からの刺激に対して、拒否的・感情的に反応する傾向、言い換えると感情的に「不快で嫌だ」と感じる傾向にあるということです。感覚過敏には二つの代表的なものがあります。それが「触覚過敏」と「聴覚過敏」です。具体的には次のような状態です。

 

【触覚過敏】

〇身体に触れられるのを極端に嫌がる

 (例)抱っこを嫌がる                                      肩に手を置かれるのを嫌がる                                                鬼ごっこをして触られるのを嫌がる

〇手をつないだり、手を握られるのを嫌がる

〇指先にノリがついたり、やわらかい粘土を手で触るのを嫌がる

〇芝生や砂の上、ジュータンの上などをはだしで歩くのを嫌がる

〇着替えをするのを嫌がり、逃げ回る

〇お風呂で体を洗ってもらったり、水しぶきを受けるのを嫌がる

 

【聴覚過敏】

〇普通は気にならない音、あるいは小さい音が気になる                   → 例えば赤ちゃんが寝ているとき、部屋のドアが開くような音です            ぐに目が覚めて、夜泣きが多かったり昼寝をなかなかしないなど

〇ある特定の高さの音を嫌がる                              → 例えば赤ちゃんの泣き声、工事の音など

〇大きな音や突然の音を嫌がる                                                            → 例えば運動会のピストルの音や花火の音、クラッカーやピアノの            音、人が大勢で歌う音など

 

★なぜ、感覚過敏が言葉の遅れの原因と考えられるのか?

  感覚過敏のお子さんの場合、そうでない子どもさんより不快で嫌な感覚の時が多いので、その分お母さんとのかかわりが減ったり、弱くなることが考えられます。また、不快で嫌な感覚がなくても、いつその不快で嫌な感覚が来るのか、という不安感があると考えられるので、その分お母さんとのかかわりが量的にも質的にも少なく弱くなり、言葉の遅れにつながると考えられます。

 

★改善の方法

 これまで多くのか感覚過敏の子どもさんが、楽しい広場の発達相談やことばの教室に来られましたが、だいたいの子どもさんがその感覚過敏の状態が、全くなくなりはしませんが3才ころから日常生活に支障がない程度の状態に落ち着いていました。そしてそのころから反比例するように言葉の発達が伸びてきました。

 楽しい広場に来られた多くの感覚過敏の子どもさんたちは、この言葉が伸び出したころ、言葉は出てきたけれど発達が遅い、ということで、楽しい広場に来られました。

 さて改善の方法ですが、まずはお母さんと一緒に遊んだり、普段の生活の各場面でかかわることを多くすることが一番大事になります。つまりお子さんとお母さんが「伝え合う」経験をどんどん多くすることで、子どもさんがお母さんに「伝えよう」とする経験をたくさんする延長上に発語が出てくると考えます。

 

 

 

 

               

 

 

 

2023/09/04(月) 18:17 | izawa

 ご家庭の事情で、1才代・2才代・3才代の子どもさんで、祖父母と過ごす時間が多い場合があります。そういう時、言葉が遅れる可能性があります。

 なぜかと言いますと、「お孫さんの要求通り過ごすこと」が多いと考えられるからです。言い換えると「お孫さんが自分の思う通りにならない経験をしていない」ということですね。

 なぜ、「お孫さんお要求通りにさせている」かと言いますと、次のようなことが考えれます。

(1)おじいさん、おばあさんがお孫さんのエネルギーについていけず、好きなようにさせている場合。

(2)お孫さんがかわいくて、好きなようにさせている場合。

どちらにしても、お孫さんとしては毎日自分の好きなように行動していけるわけですから、特におじさん、おばあさんとやり取りをしなくても毎日が過ぎていきます。つまり「伝え合う」という経験が極端に少ないと考えられますので、「相手に伝えよう」とすることが少なければ、当然言葉は出てこないと考えます。

 ただし、もちろんきびしいおじいさん、おばあさんもいらっしゃると思います。そういう場合は、当てはまらないと考えます。

 

★改善の方法

 この場合も、療育教室 楽しい広場では、お母さんの安心感を基本にしてお母さんとのかかわりを増やすことによって、お母さんとお子さんとの伝え合いを増やす、その延長上に「言葉が出る(発語)」と考えます。お母さんと一緒に一日5分~10分の短い時間でも一緒に遊ぶ。それから、日常生活の中で待ったり、我慢したりする場面が必ずできてきますので、そういう時「ちょっと待っててね」「少し我慢ね」という「自分の思う通りにならない経験」を経験することによって、そこでお母さんに駄々をこねたり、文句を言ったり、お母さんになだめすかされたりして、楽しくはありませんが「伝え合い」を経験します。それが「発語」につながります。

 さて今回のテーマは「祖父母」でした。お子さんが祖父母と過ごす時間が多く言葉が遅れていて、おじいさん、おばあさんが上記のように「お孫さんの要求通りに過ごさせている」としたら、早急にお父さん、お母さんと祖父母と話し合うことが必要になると思います。

 どういう話し合いかと言いますと、できるだけ、お孫さんが自分の思う通りにならない時、我慢をさせたり、待ったりっせてもらうようにします。ただし、お父さん、お母さんのようにはいかないと思いますが、できるだけで結構です。

 それを踏まえて上で、お子さんがお父さん、お母さんと過ごすときに、短い時間でも良いので上記の改善の方法を試してください。この場合、あくまでもお父さん、お母さんが中心です。おじいさん、おばあさんが主役になってはいけません。そこは気を付けてください。

 

 

 

 

 

 

2023/09/01(金) 15:51 | izawa

 突然ですが、幼稚園や保育園、認定こども園に「子育て相談室」を設けたらどうでしょうか。月に1回でも十分です。

 皆さんご存じのように、子どもさんの発達に不安がある場合、親御さんは、札幌市では各区の保健センターに相談する場合が多いと思います。その場合、原因を「知的な障害が原因の知的な発達の大きな遅れ」や自閉症やADHD(注意欠陥・多動性障害)などの「発達障害」から考えるのがほとんどです。

 確かにそういう障害が原因の場合もありますが、それ以外にももちろんあります。しかし、障害以外から原因を考える相談機関は少ないと思われます。

 例えば2才代、3才代でご家庭で子どもさんが「かんしゃくが激しい」場合、医学的な「障害」という視点から考えるとその原因は「発達障害」ではないかと考えます。以前、Eテレでも番組の中で医師や臨床心理士の方がそのように言われていました。

 しかし、子どもさんのそれまでの「生活経験の分析」という視点から考えると「我慢が足りないんじゃないの?」という見方ができます。30年位前でしたら、身近な祖母やおばさん、ベテランの幼稚園や保育園の先生方がそのようにお母さん方に言っていたように思います。

 ただし、今はと振り返るとそのように言ってくれる方が本当に少なくなってしまったように思います。

 

 ここではっきり確認しておきたいのですが、「かんしゃくが激しい」ことの原因が「障害」にある可能性はあります。しかし、原因はそれだけではないということを申し上げています。

 

 今回、それぞれの園に「子育て相談室」を設けたらどうでしょう、という提言をさせていただいていますが、この「子ども相談室」は、お母さん方の子育てに関する不安や心配を聞きながら、その改善の方法を「障害」ではなく、「生活経験を分析して」一緒に考えましょうというものです。そこで、結論を出さなくてもいいです。園の担当の先生につないで一緒に考えてもらうのもいいです。

 まず、お母さん方の不安や心配の声を聴くことが大切なのではないかと思います。よく幼稚園や保育園の先生方から「自分の子どもとの遊び方が分からない」という声をお母さん方から聞くことがある、ということを楽しい広場のセミナーなどで聞くことがあります。

 園での「子育て相談室」では、このようなお母さんの声を聴くことができるかもしれませんし、それに対して先生方が答えることもできるのではないでしょうか。

 

 このような相談室の担当の先生をどうするかが問題ですが、担当の先生方に療育教室 楽しい広場から、資料や情報の提供、アドバイスをさせていくことは可能です。もちろん、療育教室 楽しい広場の収益を上げる営業のためにやるのではありません。お金はかかることは事実ですが、将来の幼児教育のために少しでも役立てたらという思いです。

 札幌市内や近郊であれば、最初は無料で訪問をさせていただいています。札幌より遠方であれば、メールやオンラインなどでやり取りをさせていただきます。

 ご一考いただければ有難いです。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023/08/31(木) 14:11 | izawa

 療育教室 楽しい広場で考えられる言葉の遅れの原因の3つ目は「幼い」ということです。この場合は、保育園や幼稚園など家庭から離れた環境でお子さんが過ごすことで初めてわかることが多いですね。

 同じ年令の子どもさんより言葉が遅い、先生や友だちと会話ができない、着替えや食事などの身辺処理ができないことが多い、先生とは遊べるが友だちとは遊べない、などが考えられます。

 

 なぜ、幼い感じになるかの原因ですが、まず身辺処理について、お家での着替え、くつの履き替え、食事、後片付けなどの身辺処理について、お母さんやお父さんがやってあげることが多く、自分でやるという経験が少ないのではないかと考えらえます。

 そして、二つ目の原因として、その身辺処理も含めて、生活全般で「子どもさんの要求に合わせて子育てをしている」場合が考えられます。

 なぜかと言いますと、「子どもさんの要求に合わせて子育てをする」時の大きな特徴として、子どもさんが「自分の思う通りにならない経験をしていない」ということが考えられます。つまり、「自分の思う通りにならない経験」をすることによって、例えばお母さんに不満をぶつけたり、お母さんがなだめたり、お母さんから少し待ちなさいと言われたり、それで我慢したり、やっぱりやだあといって駄々をこねたりしながら、お母さんと人とのかかわり方を経験によって学んでいきます。

 

 生活全般で、子どもさんの要求に沿って子育てをしていると、子どもさんにとっては楽しいことばかりで笑顔が多く、親御さんとしてはうれしいでしょうが、よく考えてみると、親御さんが子どもさんに合わせているので子どもさんが、例えばお母さんに何かを伝えようとすることが少なくて済みます。お互いに伝え合うということが少なくなります。

 その上に、「自分の思う通りにならない経験」を知っていないと、楽しいことばかりではない日常の生活の場面で、どのように自分が反応し、行動していくかということを学ぶ機会がなくなります。

 その結果、身辺処理ができないことが多い、言葉が遅れる、友だちとかかわることができない、そして、よく楽しい広場のご相談にある一斉指示が通らなくなる、ということが考えられます。

 

★改善の方法

 子どもさんが幼いという場合、じゃあただ集団の中に入れればよいか、と言いますと、そうではありません。もう一度お母さんとのかかわりを増やして、人とかかわる経験を増やすことが必要と考えます。

1 具体的には、一日5分~10分でも良いのでお母さんと一緒に遊ぶことをお勧めしています。お母さんは特別な存在なので、一日のうちに短い時間でも、それを毎日続けていけば、かかわり方が変わっていきます。

2   さらに、着替えや食事、お風呂、トイレなどの日常生活の場面で、一言でよいので言葉がけをしてもらいます。一言でよいです。そのとき、ひょっとしたら、表情や動作、あるいは声、そしてっ言葉などで反応してくれるかもしれません。

3   そしてもう一つ大切なのが、「子どもさんの要求に沿った子育てを変えることです。変えるというのは「普通に戻す」ということ。「普通に戻す」ということは、日常生活では必ず起こるであろう「自分の思う通りにならない経験」をきちんと経験させるということです。                 待たなければならない時には「待つ」、我慢をしなければならない時は「我慢する」など、「自分を抑える経験」もさせるということです。そこで、お母さんやお父さんとの楽しいことばかりではないけれど、これから生活をしていく上では必ず起こりうるであろう「自分の思う通りにならない経験」をとおして、人とのかかわりを経験していきます。

 このようにして、子どもさんが幼い場合、人とのかかわり方や言葉の基礎編をお母さんとのかかわりでをもう一度学び直し、そこで力がついたら、幼稚園や保育園などの子どもの集団の中で、その応用編に入っていくことが良いと考えます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023/08/30(水) 13:25 | izawa

 9月の楽しい広場の療育教室(こども発達相談、ことば伸び伸び教室)は、10日(日)9:00~16:00、札幌市社会福祉総合センター 第1会議室で行います。料金は、1時間3000円です。

 2才・3才・4才・5才の幼児期の子どもさんにおいての、言葉が遅い、多動、かんしゃく、親や友だちに手が出る(他傷)、一斉指示が通らないなどの発達の遅れや問題行動を改善していくのが早期療育の役割です。療育教室 楽しい広場はその早期療育を「発達療育」という考え方、方法で行っています。

 発達の不安を改善していくためには、まずその原因を考えなければなりません。療育教室 楽しい広場では、それらの原因を「子どもさんのそれまでの生活経験の仕方を分析して」考えます。

 例えば、発語がない、少ないなどの言葉の遅れがあるとき、その原因として考えられるのは

 1 視覚優位という身体的特徴がある

 2 親御さんが子どもさんの要求に沿って子育てをしている

 3 子どもさんが幼い感じがする

 4 毎日テレビやユーチューブを5~6時間以上子どもさんに見せて           いる

 5 毎日、祖父母と多くの時間を過ごしている

 6 一日の中で一人遊びをしている時間が多い。

 7 感覚過敏という身体的特徴がある

などです。

 子どもさんの生活経験の中で、上記のような特徴があれば、それが言葉の遅れの原因になっている可能性が高いと言えます。

 これまでに発達相談を受けられたり、これから受けようと考えられているお父さん、お母さんがたくさんいらっしゃると思います。

 療育教室 楽しい広場もその一つなのですが、大きな特徴は発達の不安の原因を「生活経験の仕方」、言い換えると子どもさんの「発達の仕方」から考えます、ということです。そこから考えていって、それでも原因がわからなければ「障害」かもしれないと考えます。

 ぜひ、子どもさんお発達の不安を、「子どもさんの生活経験の仕方」から考えてみませんか?

 詳しいことは、ホームページ・メニューの「楽しい広場 こども発達相談」及び「楽しい広場 ことば伸び伸び教室」をご覧ください。

 お待ちしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023/08/20(日) 17:22 | izawa

 本日8月20日(日)、札幌市社会福祉総合センター 第一会議室におきまして、8月の療育教室を行いました。

 本日は、2才8か月のお子さんと、小学校支援学級3年生のお子さんのことば伸び伸び教室が2件でした。

 2才8か月のお子さんは、お家ではこの1か月でお母さんがかかわり方を工夫していただいて、かんしゃくがなくなったり、自分でお手伝いもするようになったということです。発語もはっきり聞き取れる言葉が10個くらいになり、少しずつ増えてきました。もう少ししたら、発語がどんどん増えていく上昇気流に乗っていくと考えられるということをお父さんやお母さんにお話ししました。

 小学校の支援学級3年生のお子さんは、トランプを10枚程度使い、神経衰弱をしました。伏せているカードの中から、指導者が示したカードを選ぶというもので、記憶力だけではなく、ルールを覚えるということが今回の大きな目的でした。正解するととてもうれしそうに喜んでくれて、それもとても良い経験でした。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2023/08/16(水) 16:58 | izawa

 前回、具体的な改善の方法として、テレビやユーチューブを見続けたことが原因と考えられる言葉の遅れの改善の方法をご説明いたしました。

 今回も言葉の遅れについてです。言葉の遅れについては、実はいろいろな原因が考えられます。発達療育としては、前回のテレビやユーチューブを見続けるを含めて、今のところ7つの原因を挙げています。

 その中で、最近特に多いのが「子どもさんを中心に、子どもさんに合わせて子育てをしている」ケースです。

 「子どもを大事に育てたい」「子どもを伸び伸び自由に育てたい」「子どもの気持ちに寄り添って子育てをしたい」「自分(お母さん)が親に厳しく育てられたので、自分の子どもには伸び伸びと育てたい」など、そこにはいろいろな理由があります。

 さて、いろいろな理由がある中で、「子どもさん中心に、子どもさんに合わせて子育てをしてる」とき、陥りやすい問題点が3つあります。 

1 言葉の遅れ

2 かんしゃく、「やって、やって」の依存」、多動、自分の思うとおりにならない時に手が出るなどの他傷、等々の不適応行動が出る

3 幼い

 

 今回は「言葉の遅れ」です。なぜ、言葉が遅れるのか?

 「子どもさん中心に、子どもさんに合わせて」毎日の生活が送られるということは、子どもさんが毎日やりたいように行動している、あるいはお母さんが先回りして、いろいろなことをしてあげている、ということが考えられます。ということは、子どもさんにとっては自分の思うように毎日が送られているので、お母さんに何かを「伝える必要がない」「わざわざしゃべる必要がない」ということになります。。

 発達療育では、お母さんと子どもさんが、お母さんの発する言葉の他に、表情、動作、声の調子、まなざし、雰囲気などのいろいろなコミュニケーション手段を使って気持ちや感情などをたくさん伝え合い、その延長上に言葉が乗っかって「発語」になると考えます。だとすれば、「伝え合う必要がない」状態が続けば、発語は遅くなる、言葉の発達は遅れると考えられます。

 

★改善の方法

 今回の場合は、お母さんと「伝え合う」経験をたくさんすることが「発語」そして「言葉の発達」につながると考えます。

 具体的には次の2つです。

1 一日に5分で10分でもよいので、お母さんに子どもさんと一緒にパズルや積み木、絵カードなどを使って遊んでもらいます。遊ぶときは無言で遊ぶことはないはずです。遊んでいるうちに、表情や動作、まなざしなどで自然と伝え合う経験をするはずです。なぜ、5分や10分の短い時間でも良いかと言いますと、発達療育では、お母さんの安心感が子どもさんにとって重要と考えています。つまりお母さんとのかかわりが子どもさんの発達に重要な影響をもつと考えています。ですから、一日のうち短い時間でも毎日続けることにより、子どもさんに影響を与えていきます。そして、お母さんが変われば子どもさんも変わります。いままで、そういうお子さん、お母さんをたくさん見てきました。

 

2 今回のようなケース子どもさんたちは、「自分の思い通りにならない経験」をほとんどしていないと考えられます。言葉の発達から考えると、一緒に遊ぶことだけではなく、一日の生活の中で「自分の思う通りにならない」場面があることにより、楽しいことばかりではないですが、お母さんとの伝え合いの経験をすることになります。今回のようなケースの子どもさんたちの場合、「自分の思う通りにならない経験」をほとんどしていないと考えられますので、ということは一緒に遊ぶこと以外にも、日常生活の中でお母さんと伝え合う経験がさらに少ないと考えられます。

 ということは、改善の方法としては、毎日の生活の中で本来「ちょっと待って」「少し我慢して」「お片づけをして」など、自分の思う通りにならない場面」を経験し、そのとき駄々をこねたり、しぶしぶ我慢したりなどしながら気持ちや感情の伝え合いをしていくことが重要と考えます。

 今回は以上です。