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2021/11/24(水) 13:36 | izawa

 前回のブログでもご案内しましたが、11月28日(日)に開催予定の「第21回 札幌療育セミナー」では、自閉症と繰り返し行動やこだわり行動の関係についてお話をする予定です。

 さて、楽しい広場の推進する「発達療育」では、自閉症に関して「自閉症は心の理論が欠けている」という、認知心理学者のウタ・フリス氏の言語・認知障害説を理論の基盤としています。

 心の理論とは、「人の心の状態を推測し、それに基づいて行動を解釈し、予測する能力」ということです。端的に言いますと「人の気持ちを感じ取る力」ということです。

 さて、この「人の気持ちを感じ取ることができない」と考えられる自閉症ですが、診断をするときにもう一つの要素が必要になります。それが「繰り返し行動とこだわり行動」です。つまり、「対人関係をうまく築くことができない」ということだけではなく、それにもう一つ、何らかの繰り返し行動やこだわり行動があって、初めて自閉症と診断されます。28日のセミナーでは、一見何の関係性があるのだろうと思われるこの二つの要素と自閉症の関係を説明する予定です。

 それに関しては、当日のセミナーにまかせて、今回は、こだわりと繰り返しという観点から、元大リーガーのイチローさんについて、すこし述べさせていただきたいと思います。

 大リーガーの野球選手だった当時のイチロー選手は、現役時代、試合前・試合中・試合後と毎日同じような運動や動作のルーティーンを繰り返していたことで有名です。その毎日の細かいルーティーンのこだわりと繰り返しから、渡米をした当初のころは、実際に周りから「イチローは自閉症ではないか?」と言われることがあったそうです。

 もちろん彼は自閉症ではありません。なぜか。それは心の理論が発達しているからです。具体的には、イチロー選手がたくさんの人たちから慕われたことで分かるように、人間として人の気持ちを感じ取りながらコミュニケーションができ、状況に応じて適切に行動できるからです。

 こだわりや繰り返しがあるから「その人は自閉症だ」ということが、いかに短絡的な見方なのかということが、このブログで、そして療育セミナーでお伝えしたい大きなテーマなのです。

 今回は以上です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021/11/23(火) 17:27 | izawa

 今週の日曜日の11月28日(日)に開催する予定の、「第21回 札幌療育セミナー」では、繰り返し行動やこだわり行動と自閉症の関係、つまりは「繰り返し行動やこだわり行動があるから即自閉症ということではない」ということをお話しする予定です。

 さて、自閉症のことを話すとき、よく「常同行動」という言葉を使う時があります。「繰り返し行動」と置き換えても差し支えないと思います。自閉症児の常同行動は、セミナーの時ご説明する予定ですが、しかし、この常同行動、普通の大人の人にも現れます。

 たとえば、せかせか歩く、貧乏ゆすり、鼻歌、爪かみ、揺り椅子(椅子に座りながら前後にしきりに揺らしている状態)などです。これらは「無用な常同行動」というものですが、どんな人にも見られる非病理的なものです。この非病理的なものと自閉症の病理としての常同行動の違いを説明するのも、当日のセミナーの内容の一つです。

 ここで、一つだけその違いをお話しします。普通の人の「無用な常同行動」の場合は、心理学の実験や研究によって、外部からの影響を受けやすく、例えば人が近づいてくる、あるいは人が自分を見ていることに気が付くなどのとき、簡単に他の行動に組み込まれるか、あるいはそれ自体を止める、つまり抑制するということが分かっています。
 これは、「無用の常同行動」が、退屈さや気配りのなさを示す、社会的に望ましくないもの、という認識があるからだと考えられます。

 さて、自閉症の人の場合はどうかと言いますと、他の人の存在による抑制効果はないと考えられます。なぜなら、よく言われるように、「自閉症の人には、私的行動と公的行動との差があまりない」からです。
 つまり自閉症の人は、場面や人によって、マナーを守る、失礼のないようにする、嫌な思いをさせないなど、良くも悪くも相手や周りのことを考え行動することが、障害のためできないからだと考えられるからなのです。

 今回申し上げたかったことは、貧乏ゆすりは常同行動だけれど、「無用の常同行動」であり、自閉症の常同行動とは違いますよ、ということでした。

 以上です。

 

 

 

 

 

 

2021/11/17(水) 12:53 | izawa

 コロナウィルス感染拡大のため、休止をしておりました札幌療育セミナーですが、4か月ぶりに、「第21回 札幌療育セミナー」を開催することになりました。概要は下記の通りです。

 

《第21回 札幌療育セミナー》

〇日時  令和3年11月28日(日)10時00分~12時00分
     (9時45分~受付) 

〇テーマ  「繰り返し行動、こだわり行動だけでは自閉症ではない
            ~イチロー選手はもちろん自閉症ではない」

〇会場  札幌市社会福祉総合センター 第2会議室

〇対象  幼稚園教諭、保育士、児童デイサービス指導員などの方々

〇会費  お一人 2000円(資料あります)

 その他、詳しい内容は、療育教室 楽しい広場のホームページのメニューの「療育セミナー」のコーナーをご覧ください。

 たくさんの皆様のご参加をお待ちしております。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021/11/15(月) 15:25 | izawa

 昨日、11月14日(日)11月の療育教室を行いました。3組のお子さん、お母さんに来ていただきました。

 

 さて、楽しい広場が行っている「発達療育」は、「教育としての早期療育」です。その入り口が「障害ありき」ではありません。

 個々の子どもさんの認知や言葉などのいろいろな面の発達段階を把握し、その他にもう一つ、「これまでにどのようは生活経験をしてきたか」を把握します。それが、個々の子どもさんの「発達の実態」になります。

 この二つを照らし合わせて、例えば「発語の遅れの原因として、何か発語に必要な生活経験が不十分だったのではないか?」と考え、不十分だったと考えられる生活経験が明らかになれば、その生活経験を更に積み重ねることによって、発語を促していく、という療育を行います。

 現在のいろいろな相談機関で発達相談を受けられて、例えば発語の遅れ、コミュニケーションの弱さ、友だち関係の弱さ、一斉指示が通らない、などの発達の不安があるとき、知的障害や自閉症などの発達障害以外に原因を説明していただけるところが少ないのではないでしょうか?

 療育教室 楽しい広場では、その障害以外からの原因を考え、それに応じた改善の方法を提示します。

 実は、それを明らかにしているのが、療育教室 楽しい広場が作成し、北海道デジタル出版協会から出版していただいている電子書籍の
『障害以外から原因を考える「発達療育」』です。

 「障害以外」にたくさん原因があり、改善の方法もたくさんあるのです。それが書かれてあります。1冊 1650円です。是非ご一読いただけますとありがたいです。発達に不安をおもちの幼児期のお子さんのお父さん、お母さんの子育てのお役に立つはずです。

 それから、札幌市中央図書館や豊後大野市電子図書館では、貸し出し電子図書としてご利用できます。

 詳しくは、ホームページ「本の紹介」コーナーに書き記しております。どうぞ、ご覧ください。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021/11/02(火) 17:27 | izawa

 11月のこども発達相談と、ことば伸び伸び教室は、都合により11月14日(日)の1回だけとなります。

 会場は、いつもの札幌市社会福祉総合センター 第1会議室です。

 まだ、予約の空きがあります。幼児期の子どもさんの発達に不安があって、これからどのように発達を伸ばしていけば良いか、どのように育てたらよいかについて、子どもさんの発達の実態から、原因、指導方法を考え、提示していきます。

 詳しくは、ホームページ・メニューの「楽しい広場 こども発達相談」と「楽しい広場 ことば伸び伸び教室」をご覧ください。

 みなさんのお問い合わせをお待ちしております。 

2021/10/29(金) 14:29 | izawa

 今回は10月24日(日)に行われました「第1回 釧路療育セミナー」の後半の事例研究のご紹介の2回目です。今回は2つご紹介したします。

【事例2】
 年中さんの男子の園児で、みんなで例えば絵を描いたりしているときは何でもないのですが、近くに人がいなく、自分一人で何か例えばパズルでもしているとき、後ろに先生がいるときは何ともないのですが、友だちが見ているととても嫌がり、この前はとうとう友だちを蹴飛ばしてしまったとのことでした。何が原因なのでしょう?

★幼稚園の先生は、なぜこんなことでほかのお友だちを蹴飛ばすのだろ
 う?、と思われたのではないかと思います。今回の問題は、自分のい
 らいらする感情を抑えられなかったこと、そして他のお友だちを蹴飛
 ばす、つまり「他害」というものがあるということです。これは、今
 のうちになくしていかなければなりません。これまでの経験から、こ
 のままこれからお兄さんなったら自然と蹴飛ばすことがなくなるとい
 うことはありません。ずっと続いていくことになります。

★今回の大きな問題点は「感情を抑えられなかった」ということです。
 子どもは、3才・4才くらいから「自律性」が伸長していきます。自律
 性とは、「自分で自分の行動をコントロールすること」です。つまり
 は、「自分の感情をコントロールする」ということです。それを言い
 換えますと「自己主張・自己実現と自己抑制のバランスが取れる」と
 いうことです。

★3才・4才ころになると、この事の意味や善悪が分かるようになり、更
 には周りの状況や様子を見ながら、それらに適応して行動ができるよ
 うになってきます。ですから、「自律性」が発達してくるのです。今
 回の子どもさんの場合、この自律性が伸びていないのではないかと考
 えられました。幼稚園の先生に、このお子さんのおうちの様子を伺っ
 たところ、一人っ子でとてもご両親に大事に育てられているようだ、
 というお話がありました。

★さて、お子さんを大事に育てるといことは悪いことではありませんが
 陥りやすい欠点があります。それは、大事に育てるあまり「ちょっと
 待つ」や「ちょっと我慢する」、「後片付けをする」など「自分を抑
 える」経験を子どもさんにさせていない場合があります。それが3才・
 4才くらいまで続くと、本来伸びるべき自律性、つまり「自己主張・自
 己実現と自己抑制のバランスをとる」ところの「自己抑制」の経験が
 極端に少なくなれば、バランスの取りようがなくなります。

★自律性が伸びずに幼稚園や保育園に入ると、「かんしゃくが激しLく
 なる」「友だちとトラブルが多くなる」「自分の思う通りにいかない
 時友だちをたたいたり足で蹴飛ばしたりする」ということが出てくる
 可能性が高くなります。

★もし、今回の場合、おうちでの状況が、こちらの予想通りであるとし
 たら、早急に対応しなければなりません。こういう場合は、幼稚園の
 先生から、お母さんに、お話をしていただき、おうちで「自分を抑え
 る経験」、例えば「ちょっと待つ」「ちょっと我慢する」「遊んだ後
 の後片付けをする」「自分でできることは自分でする」などの経験を
 これから意識的させていくことが大事であることを理解していただく
 ことがとても大事です。もちろん幼稚園でも同じようにすることも必
 要です。このような、お話を伊澤の方からさせていただきました。

 

【事例3】
 年中の園児で、片方の耳が軽い難聴で、友だちとかかわるときちょっとずれたり、違和感があったりして、行動を見ていると「自閉症なのかな」と思って見たりすることがあるが、どう考えればよいのでしょう、ということでした。

★先生にお聞きすると、軽い難聴の方の耳が中耳炎であるとのことで、
 そういう場合は、よく聞き取れないことも多くなるので言葉も遅れて
 くることが多くなります。今までも、楽しい広場の相談の中でも、言
 葉の遅れの原因が中耳炎であったという例は何人かおられました。中
 耳炎が治ることにより、言葉がどんどん出だしたという子どもさんも
 おられました。

★もし、中耳炎などが原因で耳が良く聞こえていないとしたら、人との
 かかわり、コミュニケーションで遅れが出たり、不自然だったりする
 ことが出てくることは十分考えられます。そして、行動だけ見ると   
 「自閉症ではないか」と考えられる人もおられるでしょう。しかし、
 今回のように「軽い難聴」という自閉症以外の原因がはっきりしてい
 るのであれば、「自閉症」という言葉は、横にどけておいて、耳の状
 態を医療で改善することとともに、少し聞きづらいという子どもさん
 の状態を把握した上で、言葉の指導や友だちとのかかわりの経験をさ
 せていくことが大切であると思われる、というお話を伊澤の方からさ
 せていただきました。

 今回は以上です。

 

 

 

 

 

 

 

 

2021/10/27(水) 17:02 | izawa

 今回は、10月24日(日)に行いました「第1回 釧路療育セミナー」の後半での事例研究からご紹介します。

 事例研究で出された内容は3つです。そのうちの一つ目です。

【事例1】
 幼稚園の園児で、冬でも短パン・Tシャツを着ていたり、小さくなってピチピチになっている服を着続けたり、小さくなってはいても痛いと思われる靴を履き続けている子どもがいる。感覚が鈍感なのだろうか?

 

★実は今回特別参加をしていただいたお母さんの今高校生になるお嬢さ
 んが中2年の時に自閉所スペクトラムの診断を受けたそうです。そして
 小さいとき着替えのとき逃げ回ったり、買い物などに行くと手をつな
 ぐ前にいつもどこかへ行ってしまっていたり、そういえばあまり抱っ
 こをした記憶がないなどのお話をされました。伊澤としては、お嬢さ
 んは「触覚過敏」ではないかと考えられる旨、お話をしました。 

★「触覚過敏」とは、「感覚過敏」の一つです。

 「感覚過敏」とは
   ~人間のもつ感覚に対する外部からの刺激に対して、拒否的、感
    情的に反応する傾向をさします。感覚過敏は「感覚統合理論」
    という理論の中で説明されているのですが、感覚の中で特に触
    覚について、「触覚防衛」という言い方をしています。そして
    その中には過敏の他に、感覚が「鈍感」ということも含めてい
    ます。
    

★感覚過敏には、主となるものが3つ考えられます。
(1)触覚過敏
(2)聴覚過敏
(3)嗅覚過敏

★触覚過敏とは、具体的にどのようなものか?
①身体に触られるのを極端に嫌がる
 ・抱っこを嫌がる
 ・肩を抱かれるのを嫌がる
 ・鬼ごっこをして触られると痛がる
②手をつないだり、手を握られるのを嫌がる
③指先にのりをつけるのを嫌がる
④柔らかい粘土を触るのを嫌がる
⑤芝生や砂の上、ジュータンなどの上を歩くのを嫌がる。
⑥着替えをするのを嫌がり、逃げ回る。
⑦お風呂で体を洗ってもらったり、水しぶきを受けることを嫌がる。

★さて、伊澤の方から「触覚過敏」の話をさせていただいた後、今回の
 事例のお話が出ました。そして、それが過敏ではなく「鈍感」なので
 はないかと思われるが、「鈍感」ということはあるのか、という、幼
 稚園の先生のお尋ねでした。
 

★前述した「感覚統合理論」の「触角防衛」の中には、過敏の場合と鈍
 感の場合の両方が考えられていますから「鈍感」という場合も考えら
 れますと伊澤の方からお答えしました。

★すると、高校生のお嬢さんのお母さんが、実は自分の娘も小さいとき
 冬でも短パン・Tシャツでいたり、小さくなった服を着続けたり、小
 さくなった靴をずっと履き続けていた、というお話をされました。

★伊澤も、最初、出された事例の子どもさんは「鈍感」の方なのかなと
 考えましたが、お母さんの方から「過敏」と考えられる娘さんも同じ
 ことをしていたという話が出されて、今回の幼稚園のお子さんも「鈍
 感」ではなく「過敏」なのではないかと考えました。

★では、なぜ「過敏」の子どもさんが、冬に短パン・Tシャツでいた
 り、着れそうもないくらい小さくなった服を着続けたり、小さくなっ
 て履くと痛そうな靴を履き続けるのか?

★それで今回考えられた結論は「着心地が良かったのではないか」とい
 うことです。冬に短パン・Tシャツを着るというのは、服を着たとき
 の不快さが最小限だったからではないかと考えられます。更にいつ
 も、着心地が不快で気持ち的にも不安な状態が続くとき、たまたま
 「着心地がいい服」や「履き心地がいい靴」に出会い、本当に安心し
 て着たり履くことができたのかもしれません。だとしたら、小さくな
 ったとしても、不快な服を着たり、靴を履くよりもずっとそれでいた
 いと思ったのかもしれません。そのような内容を伊澤の方からみなさ
 んにお話ししました。

★もしそうだとしたら、このお子さんたちの体験は、壮絶な体験だった
 ことと思います。今回のような触覚過敏の子どもさんがいる場合、対
 応として、不快な状態を我慢して続けて慣れさせようとするのではな
 く、なるべく穏やかな刺激の受容をさせていきます。一番考えられる
 のは、綿100パーセントの衣服かと思います。もちろん、全てそれに
 するのは難しいかもしれませんが、できるだけ安心して着たり履いた
 りする衣服や靴を用意する配慮が必要と考えます。

★触覚過敏の状態は、いつ頃まで続くのでしょう?
 実は、15年以上続けている、療育教室 楽しい広場の発達相談の中の
 「言葉の遅れ」で来られた子どもさんのうち、大体2割~3割くらい
 は触覚過敏の子どもさんでした。親御さんがだいたい3才以降の幼児
 期の子どもさんの言葉の遅れを心配されて相談に来られ、お話をよく
 伺っていると、触覚過敏の特徴がたくさん出てきたのです。もちろん
 その時点で「触覚過敏」ということを親御さんたちはほとんどご存じ
 ありませんでした。そして、もう一つの特徴は、3才前後の頃から、
 過敏が穏やかになり、それと反比例するように言葉の発達が伸びてく
 る子どもさんが多かったということです。ですから、全てではないか
 もしれませんが多くの場合、過敏が消えることはないようですが、3
 才頃から生活に支障がない程度に過敏が穏やかになっていくのではな
 いかと考えます。

★最後に、現在、発達相談や早期療育機関の関係者の方々の中で「触覚
 過敏=自閉症」と考えられている方も多いかと思いますが、療育教室 
 楽しい広場では、もちろん「触覚過敏と自閉症は別物である」と考え
 ています。

 今回は以上です。

 

 

 

 

 

 

 

2021/10/26(火) 17:01 | izawa

 10月24日(日)10:00~12:00、釧路市生涯学習センター 学習室 602を会場に、「第1回 釧路療育セミナー」を開催いたしました。今回、3つの幼稚園から5名の先生方、そして、特別参加として、現在高校生のお子さんがおられるお母さん1名、計6名の方々にご参加をいただきました。

 今回のテーマは

『自閉症の迷信を吹き飛ばす 「自閉症ではない」と判断する2つのポイント~ 良くも悪くも人を見て行動する、ごっこ遊びができる』

でした。

 今回は、1990年代にイギリスのウタ・フリス氏が、認知心理学の立場から提唱した「自閉症児には心の理論が欠けている」という「言語・認知障害説」を基に、自閉症の原因を考え、それを基にして、我々の身近に自閉症と診断されたり、その可能性を疑われている子どもさんがいれば、認知心理学の立場から「自閉症ではない」と判断することができます、というのが中心の内容です。

 なぜ、わざわざ「自閉症ではない」と判断するのか。
 それは、言葉が出ないですとか、宇宙語のような言葉を話すですとか、突然違う話をし始めるですとか、一斉指示が通らないなどの発達の不安があるお子さんで、自閉症の診断を受けたり、疑いをもたれたりしているお子さんがたくさんおられます。

 でも、そういうお子さんたちの中で、認知心理学の「言語・認知障害説」から見ると、自閉症とは思われない子どもさんがたくさんおられると思います。しかし、そういう場合、「このお子さんは自閉症なのか、そうではないのか?」を論争するのが今回の目的ではありません。

 「自閉症」という言葉は、親御さんや幼稚園・保育園の先生などの思考を停止する影響力をもっていて、療育がそこでパタッと止まってしまい、動かなくなります。
 我々、療育教室 楽しい広場が行う「発達療育」では、認知心理学からみて「自閉症の可能性がない」と判断できれば、その「自閉症」という言葉をひとまず横にずらしておいて、そこから障害以外の原因を考え、適切な働きかけをして、お子さんの発達を伸ばし、問題行動をなくして、発達の不安を改善していきます。

 そのために、今回、認知心理学から見て「自閉症ではない」と判断できる2つのポイントを幼稚園の先生方にご説明しました。
 先生方に「早期療育の指導者になってほしい」ということではありません。幼稚園で発達に不安がある子どもさんがいたとき、もし。認知心理学からみて自閉症の可能性がないと判断すれば、指導の工夫で十分幼稚園の指導体制の中で、子どもさんの発達、成長が可能です、ということを理解していただきたかったのです。

 後半の先生方の事例研究では、いろいろな子さんのお話が出てきました。それに関しては、次回のブログでご報告いたします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

2021/10/14(木) 12:04 | izawa

 10月17日(日)、9:00~16:00、札幌市社会福祉総合センター第1会議室ににきまして、こども発達相談、及びことば伸び伸び教室の療育教室を行います。料金は1時間3000円です。

 療育教室 楽しい広場が行っている「発達療育」の大きな特徴は、「教育としての早期療育である」ということです。

 現在、日本の早期療育には、大きく3つの種類があると思います。

1 医学としての早期療育
 これは、医師を中心にして、原因を医学から考え、発達に不安のある子どもさんに対して、病気を治す、あるいはリハビリなどをして大きく発達の遅れた能力を少しでも伸ばしていく、という基本的な考え方で、医師を中心に、理学療法士、作業療法士、言語聴覚士、心理士などの方々が携わっています。

2 福祉としての早期療育
 福祉による早期療育を行う機関として代表的なのが、障害児通所支援事業所です。通称、「児童デイサービス」ということが多いようです。今の障害児通所支援事業所は、平成24年の児童福祉法の改正に伴い、それまで、障害者自立支援法に規定される障害福祉サービスの一つだったものから、児童福祉法に基づく、障害児通所支援に位置付けられました。
 位置づけとしては、基本的に福祉の立場から早期療育を行います。通われてくる子どもさんは「障害児」なので、その障害を認め、障害をもっている能力以外の能力や生活適応力を伸ばして、将来の生活につなげようとするものです。

 

3 教育としての早期療育
 
「子どもを育てる」という立場から、子どもさんたちの発達の不安を改善していくものです。具体的には、まず子どもさんの発達の実態を把握します。内容は「発達段階」と「これまでの生活経験」の2つです。その発達の実態を把握する中から、原因は「不安となった発達(例えば言葉)に必要な生活経験が何らかの原因で不十分だったのではないか」と考えます。そして、その不十分であったと思われる生活経験が明らかになれば、その経験を補充する形でさらに積み重ねていき、それによって遅れていた発達が伸び、問題行動が是正され、発達の不安が改善していきます。対象の子どもさんは、障害があろうとなかろうと変わりません。

 

 さて、療育教室 楽しい広場のこども発達操舵と、ことば伸び伸び室は、上記3の「教育としての早期療育」を行っています。

 確かに障害をもっている子どもさんはおられます。しかし「発達の不安=障害」でも、もちろんありません。障害以外に、発達の不安の原因がたくさんあります。それを具体的に明らかにし、改善の方法を明示していきます。詳しくは、ホームページメニューの中の「楽しい広場 こども発達相談」「楽しい広場 ことば伸び伸び教室」をご覧ください。

 ご自分たちの子どもさんに発達の不安をおもちのお父さん、お母さん、どうぞ一度、お問い合わせください。

 

 

 

 

 

 

 

 

2021/10/13(水) 18:18 | izawa

 3才は、重要な発達がたくさん伸長し始める頃です。その中で将来の社会性につながるものとして、「自律性」というものがあります。「自分で自分の行動をコントロールする力」です。

 自分の行動をコントロールするということは、「自分の感情をコントロールする」ということです。この自律性は、人間生きていく間はいつの年代でも重要なことです。その一番最初が3才頃に始まります。

 「自分で自分の行動をコントロールする」ということは、具体的には「自己主張と自己抑制のバランスが取れる」ということです。3才くらいになりますと、だんだん周りの状況を見ながら、状況を判断して行動することができるようになります。それに社会的な価値判断も少しずつできるようになり、自分の行動をコントロールするということができてきます。

 具体的には、幼稚園や保育園、公園遊びなどで、次のようなことが考えられます。
(自己主張・自己実現)
   ・嫌なことは「いや」とはっきり言える
   ・入りたい遊びに自分から「入れて」と言える
   ・自分の医師や考えを自分から言える
(自己抑制)
   ・「かわりばんこ」ができる。
   ・「してはいけない」と言われたことはしない
   ・仲間と意見が違うとき、相手の意見を入れられる
   ・課された仕事をやり通す
 

★自律性が身に付いていない原因と改善策   
 3才~6才くらいの子どもさんで、自律性が身に付いていない、つまり「自分で行動をコントロールできない」子どもさんがいます。
 例えば
   ・かんしゃくが激しい
   ・友だちにすぐ手が出る
   ・友だちとトラブルが多い
などのような場合です。
 そういう場合、原因としては、それまでに「待つ」とか「我慢する」「順番を待つ」などという自己抑制の経験が極端に少ない場合が考えられます。つまり、「自己主張・自己実現」と「自己抑制」のバランスを取ろうにも、自己抑制の経験が少なすぎるとバランスの取りようがない、ということです。
 こういう場合の改善策としては、「待つ」「我慢する」「順番を守る」などの自己抑制の経験を、家庭や幼稚園・保育園などで経験させていくことが必要です。
 ことに、自己抑制は大人もそうですが子どもにとっても自分からやりたいことではありませんから、この場合は、親や大人が身に付けさせていく必要があります。

 今回は以上です。